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2025/07/02
コラム

「かくれ脱水」に注意。気づかぬうちに進行する脱水リスクとその対策

「かくれ脱水」に注意。気づかぬうちに進行する脱水リスクとその対策

暑い季節だけでなく、室内や涼しい時期でも知らず知らずのうちに進行する「かくれ脱水」。自覚症状が少ないため見逃されやすく、放置すれば熱中症や体調悪化につながることもあり、特に高齢者は注意が必要です。今回は「かくれ脱水」が起きやすい人の特徴や日常生活の中で気をつけたい予防のポイントを解説します。

YouTube動画でも解説しています

かくれ脱水とは何か?――気づかれにくい脱水の正体

かくれ脱水とは、自覚症状がないまま進行する「脱水症の一歩手前」の状態を指します。体内の水分が1〜2%程度失われているにも関わらず、喉の渇きや発熱などのはっきりとしたサインが現れにくいため、本人も周囲も気づきにくいのが特徴です。

水分は呼吸や汗、尿、さらには皮膚からの蒸発でも日々失われており、体調や季節、環境によってその量は大きく変わります。特に高齢者は、加齢に伴い喉の渇きを感じにくくなるほか、筋肉量や腎機能の低下により体内の水分バランスが崩れやすくなります。

また、日頃から水分をあまり摂らない人は、知らないうちに水分不足に陥っていることが多く、夏場だけでなく、乾燥しやすい冬場にも引き起こされることがあるので注意が必要です。

かくれ脱水が起きやすい人とリスク

かくれ脱水は、誰にでも起こりうるものですが、とりわけ注意が必要なのは高齢者、乳幼児、そして持病を抱える方々です。

高齢者は、前述のように喉の渇きを感じにくく、また利尿剤や下剤などを服用している方が比較的多いため、薬によってさらに水分が排出されやすくなっていることがあります。さらに、糖尿病や心疾患などの持病を持つ人、二日酔いや寝不足の人も脱水リスクが高くなります。

これらの方々は、普段の生活の中でも水分管理に注意を払い、周囲の支援も重要となります。

かくれ脱水を防ぐ日常習慣とケアのポイント

かくれ脱水を防ぐためには、何よりも「のどが渇く前に水分を摂る」という意識が大切です。人は喉の渇きを感じた時点で、すでに軽度の脱水状態にあるとも言われています。特に高齢者や子どもは、自発的に水分を摂ることが難しい場合があるため、周囲の人が声かけを行い、こまめに飲水するよう促すことが必要です。

効果的な水分補給のポイントとして、以下のような工夫が挙げられます

●水だけでなく電解質(ナトリウム・カリウム)も一緒に摂取する
 → 経口補水液やスポーツドリンクの利用がおすすめです。

●「コップ1杯」を数回に分けて、定期的に飲む習慣をつける
 → 1日8回程度の飲水を目安にするとよいでしょう。

●室内の温度・湿度を快適に保つ
 → 夏だけでなく冬の乾燥も、脱水を進行させる原因になります。

●毎日の体重を記録し、変化をチェックする
 → 高齢者の場合、数百グラムの体重減少が水分不足を示すことがあります。

日常生活の中にこうした工夫を取り入れることで、かくれ脱水のリスクを大きく下げることができます。声かけやちょっとした記録習慣など、身近で続けやすい取り組みの積み重ねが、重症化を未然に防ぐ大きな力となります。

まとめ

かくれ脱水は、自覚のないまま体調不良や熱中症へとつながる恐れのある、見過ごされがちな健康リスクです。特に高齢者や子ども、持病のある方は日常的に注意が必要です。大切なのは、「のどが渇いた」と感じる前から水分をこまめに摂る習慣を持つこと。家族や介護者による声かけや、水分の記録管理、住環境の調整など、小さな気づきと配慮の積み重ねが、体調の安定につながります。季節や体調にかかわらず、かくれ脱水のリスクを意識し、予防的なケアを日々の暮らしに取り入れることが、健康維持の第一歩となります。