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2025/06/17
コラム

高齢者の独り言が増えるのはなぜ?特徴や原因、対処法について解説

高齢者の独り言が増えるのはなぜ?特徴や原因、対処法について解説

最近「親が一人で話していることが増えた」と感じることはありませんか?高齢者の独り言には、年齢による習慣的なものだけでなく、認知症が関係している場合もあります。本記事では、高齢者の独り言に見られる特徴原因、必要とされる家族の対応方法について解説します。

認知症と独り言の関係

高齢者の独り言は、加齢による癖や孤独感が原因となる場合もありますが、認知症が原因である可能性もあります。本人の意識でコントロールできるものではないため、理解を持って接することが求められます。

ただし全ての認知症の方に現れるわけではなく、症状の度合いに違いがあるのが特徴です。
認知症になると、以前できていたことが自力でできなくなったり、家族や身近な人に理解してもらえない、などでプライドや自尊心が傷つき、強い不安や孤独感などを生じやすくなります。
これらの心理的な不安定さが、独り言を増やす原因となることがあります。
認知症の方に独り言の裏には、強い不安や孤独感、悲しみなど様々な感情が隠れているのです。

また認知症の周辺症状の1つであるせん妄により、独り言が増えることもあります。
せん妄は急激な意識の混乱、注意力の低下、認知機能障害などを特徴とする状態であり、認知症患者にはよくみられる傾向にあります。せん妄によって現実と幻覚や妄想の区別がつかなくなり、独り言として出現していると考えられています。

認知症による独り言の特徴

認知症に関連した独り言にはいくつかの特徴があり、理解しておくとご家族も対応しやすくなります。本章では、認知症による独り言の4つの特徴を紹介します。

①:意味のない言葉を発する

意味をなさない言葉や単語を延々と話し続けることがあります。日常のコミュニケーションには全く意味を持たず、周囲に戸惑いを与えることもあるかもしれません。この言葉の羅列が朝から晩まで続くこともあり、認知症の方の独り言に見られる特徴のひとつです。

②:夜間になると増える

夕暮れ症候群」とも呼ばれるように、夕方から夜にかけての不安や混乱の強まりによって独り言が増える傾向があります。夜間は辺りが暗いため、周囲の状況を認識しづらくなることで不安感が増すことに起因していると考えられます。

③:誰かと会話しているようにふるまう

実際にはいない相手に話しかける様子が見られる場合はレビー小体型認知症の可能性が考えられます。レビー小体型認知症では幻視の症状が現れることが特徴のため、幻視や記憶の混同が影響していると考えられます。

④:物を探しているときにつぶやく

探し物をしている際に「どこいったかな」など声に出す行動は、思考を整理するための自己確認の一種でもあります。
健常者にもよく見られる行動で1日に1~2回程度であれば認知症によるものではないでしょう。しかし1日に何度も見られる場合は、軽度認知障害の可能性が疑われます。

独り言を発する主な原因

独り言の原因には、認知症の中でも特に「レビー小体型認知症」や、急激に症状が現れる「せん妄」が関与しています可能性があります。レビー小体型認知症では「幻視」がよく見られ、それに応じて話しかけるような行動が起きます。せん妄は、体調不良や薬の副作用で一時的に意識が混濁する状態で、独り言や興奮が突然現れるのが特徴です。

認知症による独り言への対応方法

認知症による独り言に対して、家族や介護者ができる対処法を知っておくと、安心です。本章では、独り言への対応方法について解説します。

●怒らない・正さない

独り言を注意したり、否定したりすると、本人が不安や混乱を深める可能性があります。否定せず、見守る姿勢が基本です。

●生活リズムを整える

昼夜逆転や不規則な食事時間は、脳の働きに悪影響を及ぼし、結果として独り言が増えることがあります。
決まった時間に起床・食事・就寝するなど生活リズムを整えることで体内時計が整い、認知症の進行を遅らせたり、心の安定につながります。

●安心できる環境をつくる

認知症の方が独り言を話す背景には、不安や混乱が多くみられます。
室内を明るく保ち、使い慣れた物を配置するなど、安心感を得られる環境を整えると、独り言が落ち着くこともあります。

●温まるものをわたす

ひざ掛けや湯たんぽなどの温かいものは、不安感を和らげる効果があります。触覚刺激によって落ち着くケースも少なくありません。

まとめ

高齢者の独り言は、単なる癖ではなく、認知症の初期症状である場合があります。特に、内容が曖昧だったり、夜間に頻繁に出たりするようであれば、医療的な評価が必要かもしれません。怒らず受け入れる姿勢とともに、生活リズムや住環境を見直し、安心できる生活環境を整えることが対策の第一歩となります。

ご家族の独り言や認知症の進行に不安がある場合は「ケアまど 老人ホーム紹介センター 有松相談所」にご相談ください。認知症の対応に配慮された施設の紹介や、ご本人に合った生活環境のご提案など、専門スタッフが丁寧にサポートいたします。”介護の窓口【 ケアまど 】 老人ホーム紹介センター 有松相談所”