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2025/06/05
コラム

便秘が認知症リスクを高める?関係性や改善方法について解説

便秘が認知症リスクを高める?関係性や改善方法について解説

便秘は日常的な悩みのひとつですが、最近では認知症との関連が指摘される研究も出ています。特に、高齢者の健康を支える立場にあるご家族や医療介護従事者の方々にとって、便秘の予防・改善は軽視できないテーマです。本記事では、便秘と認知症の関係性に加え、今日からできる便秘対策について解説します。

認知症と便秘の関係性

近年の研究では、便秘と認知症との関連性が注目されています。本章では、国立がん研究センターの研究報告を用いて解説します。

便秘が認知症の発症リスクを高める可能性

腸と脳は神経やホルモンを通じて密接に関わり、影響を与え合っています。
近年の研究では、腸の健康状態がうつ病や認知症の発症・予防に影響を与えることが明らかになってきています。
国立がん研究センターの多目的コホート研究(特定の集団を長期間にわたって追跡し、様々な生活習慣や環境との関連を調べる大規模な疫学調査)によると、中年期以降の便秘は認知症リスクを高める可能性が示されました。排便回数が週3回未満の人は、男性で約1.8倍、女性で約1.3倍リスクが上昇するといわれています。これは、便秘により腸内細菌の代謝産物である短鎖脂肪酸が減少し、腸内環境が悪化することで酸化ストレスが高まり、認知症リスクが増加する可能性を示しています。

便秘を改善する方法

便秘を防ぐことは、毎日の生活を快適にするだけでなく、健康寿命を延ばすことにもつながります。本章で紹介する日常習慣を意識しましょう。

➀トイレに行く習慣をつける

朝食後など、毎日決まった時間にトイレに座ることで、排便リズムが整います。すぐに出なくても、習慣づけることが大切です。

②こまめに水分補給をする

水分不足は便を硬くし、排便を困難にします。1日約1.5〜2リットルを目安に、こまめな水分摂取を心がけましょう。

③規則的な食事を行う

食事のリズムは、腸の活動を促す大きな要因です。1日3食をできるだけ決まった時間に摂ることで、腸の動きも活発になります。特に朝食を抜かないことが大切です。

④食物繊維を摂取する

野菜や海藻、豆類などに含まれる食物繊維は、便の量を増やし、腸の蠕動運動を高め、スムーズな排便を助けます。便を柔らかくする水溶性食物繊維と、腸の動きを活発にし排便を促進する不溶性食物繊維の両方を意識的に摂りましょう。

⑤運動やマッサージを行う

運動不足は便秘の大きな原因になります。軽いウォーキングや腹部マッサージなど無理のない範囲で取り入れ、毎日の習慣にしましょう。

➅十分な睡眠時間を確保する

睡眠不足は自律神経を乱し、腸の動きを低下させます。質の良い睡眠をとることが、便秘予防にもつながります。

まとめ

便秘が続くと生活の質が下がるだけでなく、近年では認知症との関連も示唆されています。特に高齢者の場合、腸の健康を保つことが脳の健康にもつながるため、日々の生活習慣を見直すことが大切です。トイレ習慣や食事内容、水分摂取など、どれもすぐに始められる対策ばかりなので、今日から少しずつ意識してみましょう。

高齢のご家族が便秘に悩まれている場合、生活面の改善だけでなく、環境を整えることも重要です。「ケアまど 老人ホーム紹介センター 有松相談所」では、身体状況や生活リズムに合った施設をご提案し、入居後も快適な生活が送れるようサポートしています。排泄の悩みも含め、ぜひお気軽にご相談ください。”介護の窓口【 ケアまど 】 老人ホーム紹介センター 有松相談所”