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2019/11/25
コラム

医療行為が必要な人の老人ホーム選び

『医療行為がある人はどういう施設を選べば良いの?』

 

医療発達により、日本の平均寿命は伸びています。

当然、年をとってから過ごす期間が長くなるので、身体の衰えとともに様々な病気を患うことも増えるでしょう。

そうなると、医療や介護が日常的に必要になることもあります。

 

日本は全体的にこうした状況が見られますので、その分介護施設とそこで働くスタッフのニーズが急増しています。

しかし、現実には介護を必要とする人に対して、介護施設とスタッフの数が足りなくなっていくという問題が深刻化してきています。

そのため、老人ホームへ入居したいと思った時、

 

医療行為を理由に入居を断られることもありえるのです。

こうした問題に対処するためには、まず日本国内における介護と医療の違いということをしっかりと理解しておくことが重要です。

 

1.「医療行為」の定義 

 

 

「医療行為」とは

 

 

介護施設では主に「介護」がなされますが、「医療行為」が必要となることもあるため、看護師が常駐している施設もあります。

施設の種類によっては医師がいることもありますが、ほとんどが看護師だけです。

 

看護師と介護士では許されている行為が違うので、明確に業務の区分ができています。

その区分となるのが医療行為に該当するかどうかという点です。

 

医療行為というのは医療資格、つまり医師免許もしくは看護師の資格がないとできない行為のことです。

利用者さんの「ケア」という目的は介護も一緒ですが、より専門性が求められる行為や、それによって何らかの医療リスクを伴う可能性があるものは、医療資格を持つ人だけが可能となります。

 

しかし、なかには一定の研修を修了することで、介護士でもできる医療行為というものもあります。

これは、かなり限定された行為となりますので、愛知県名古屋市の多くの老人ホームでは看護師が常駐していて、必要な医療行為を適宜行えるようにしています。

 

さらに医療行為の中でも、医師しかできない行為もあります。

医療資格を持っているとしても、看護師には許されていないものとして、いわゆる治療行為があります。

・薬の処方
・手術
・病気の診断を下す
・診断を元に治療プランを立てる

こうした治療の根本をなすもの、高度な専門知識と技術を必要とするものについては、医師のみが行えるのです。

 

逆に、医師の指導の下実施すれば、看護師にもできる行為もあります。

しかし、その判断は難しいこともあり、トラブルの原因となるケースもありますので、現場では慎重な判断が求められます。

 

このように、医療行為は看護師や医師がいないとできませんので、医療対応が必要な高齢者については、施設によって受け入れの可否が分かれるケースがあります。

より重度な機能障害を持っている場合などは、どうしても看護師の常駐が必須な場合があります。

 

また、必要な機器がそろっているということも条件となります。

すべての介護施設がこうした条件を満たしているわけではありませんので、医療行為を必要とする高齢者の場合は、老人ホームを選ぶ時には注意が必要です。

 

2.「看護師」にできて、「介護士」にできないこと

 

 

「看護師」にできて、「介護士」にできないこと

 

上記のように、医療行為は看護師もしくは医師にしか許されていない行為です。

医療管理の必要な高齢者によくある医療行為の一例が、

人工呼吸器の管理」と「経管栄養の処置」です。

 

経管栄養では鼻からチューブを入れる経鼻栄養のほか、胃ろう腸ろうなどの種類がありますが、どれも医療行為として認定されています。

さらに、糖尿病患者にとって必須のインシュリン注射も看護師だけができる医療行為として分けられています。

インシュリン注射などは患者さん本人の摂取が可能とされていますが、本人以外がする場合は医療資格が必要となりますので注意が求められます。

 

一方で、介護スタッフでも許されている医療補助行為もあります。

・血圧測定
・湿布を貼る
・軽傷のガーゼ交換
・耳垢の除去
・点眼薬をつける

また、舌に付いた汚れを取ったり爪を切ったりするという日常的な行為についても許されています。

 

ただし、何らかの疾患を持っていて、専門的な処置をしないときれいにできないという場合は、高度な医療行為とみなされますので医師と看護師のみしかできません。

 

他にも、ストマの排せつ物の廃棄や、自己導尿をしている人のカテーテルの準備なども介護スタッフが対応可能です。

これは、あくまでも本人が行う行為の補をするという形だからです。

 

また、研修を受ければ介護士でもできる医療行為もあります。

それが「痰の吸引」です。

このように、医療行為の中でも、はっきりと看護師しかできないことと、介護スタッフでもできるラインというものがあります。

 

また、体調管理全般は常駐している看護師のみが行うという介護施設もありますので、この行為については資格に関わらず施設の習慣をチェックする必要があります。

この違いを見て、施設入居を検討している高齢者の状態と施設の医療体制を比較してみると良いでしょう。

 

もし、看護師のケアを必要とする状態であれば、看護師がいる老人ホームを探す必要があります。

一方で、そこまでの機能障害や低下が起こっていないのであれば、介護スタッフだけの施設に入っても問題はありません。

 

もっとも、ケアマネージャーや紹介センターに相談をすれば、しっかりとそれぞれの要介護者の状態を確認して、適切な施設を紹介してくれます。

高齢者の状態をきちんと説明して必要なケアを受けられるところを探してもらいましょう。

 

3.施設による看護師の配置の違いと、対応できる医療行為の範囲

 

施設による看護師の配置の違い

介護施設は、それぞれの施設によって常駐の看護師の有無が異なります。

基本的には施設の人員基準の違いでみることができ、介護付き有料老人ホーム介護老人保健施設看護師の配置が必須となります。

しかし、グループホームサービス付高齢者向け住宅住宅型有料老人ホームに関しては常駐義務は法的に定められていないのです。

 

実際には、施設ごとの采配によるため、これらの施設に看護師が常駐している場合もあるため一概には言えませんが、一つの基準となるでしょう。

 

では、看護師が常駐している施設であれば、医療行為を必要とする高齢者をすべて受け入れてくれるのでしょうか?

 

残念ながら、実際にはそうとも限りません。

 

それぞれの高齢者の状態によっては受け入れできないこともあるからです。

・必要な設備や看護師の人数がそろっているか。
・認知症などによる、共同生活上でのトラブルリスクの有無

など、本人の状態によって施設側の受け入れ判断は変わってきます。

 

特に下記のような状態の場合は、注意が必要です。

・人工呼吸器
・気管切開
・経鼻栄養
・痰の吸引が昼夜問わず頻回
・嚥下状態が著しく悪い場合

 

また、「看護師常駐」の意味合いについても、しっかりと確認しておく必要があります。

例えば、介護付き有料老人ホームは看護師の配置義務があるとものの、基本的には日中だけです。

夜間にも医療行為が必要となるという方であれば、どこの有料老人ホームでもいいというわけではないのです。

看護師が24時間常駐しているところを選ぶ必要があるのです。

 

このように、それぞれの施設の実際の配置状況を確認することで、より安心の看護、そして介護ケアを受けられるようになります。

 

おわりに…

ご家族の中に介護を必要とする人がいる場合、しっかりと介護制度と医療制度について理解することは重要です。

この理解があると、どこの老人ホームを利用したら最も適切なケアを受け入れられるかが分かるからです。

この道のエキスパートであるケアマネや行政の助けも得ながら、「最善の施設選び」ができるようにしましょう。