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傾眠傾向とは?原因や対処法をわかりやすく解説します

日中にぼんやりして、眠気を感じることは誰にでもあるでしょう。しかし、高齢者が常に眠たそうにしている場合、傾眠傾向の可能性が考えられます。本記事では、傾眠傾向の原因や具体的な対処法をわかりやすく解説します。
傾眠傾向とは
傾眠傾向とは、意識障害の一つであり、軽度の眠気が持続する状態を指します。通常の眠気とは異なり、刺激があれば覚醒するものの、すぐに眠ってしまうのが特徴です。
寝不足の状態に似ているように思えますが、傾眠は自分がどこにいるのか、起きる前は何をしていたのかがわからないということが多く、そこが寝不足とははっきりと違う点です。
意識障害の段階
意識障害は、4段階に分けられます。
<意識障害の段階>
・意識清明:意識がはっきりしており、問題なく会話や活動ができる。いわゆる「正常」の状態
・傾眠:軽い刺激で覚醒できるが、しばらくするとすぐに眠ってしまう
・昏迷:強い刺激を与えなければ、覚醒しない状態。物理的な刺激による不快感を嫌がるなどの反応を起こすこともある
・昏睡:どんなに強い刺激を与えても覚醒せず、物理的な刺激に対する反応がない状態
傾眠傾向になる原因
傾眠傾向は、さまざまな要因によって引き起こされます。
・認知症
認知症が進行すると脳の働きが低下し、日中の覚醒レベルが下がることがあります。また認知症の症状の1つである昼夜逆転により、夜の睡眠量不足から日中の傾眠を引き起こすことがあります。特に、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では、日中の傾眠が顕著に見られます。
・体力低下
高齢者は加齢による体力低下が進み、それに伴って活動量が減少して傾眠傾向になりがちです。
・脱水状態
脱水が進むと脳への血流が減少し、ぼんやりとした意識状態になります。特に高齢者は喉の渇きを感じにくく、また体に必要な水分を確保する機能が低下しているため、気づかないうちに脱水症状を引き起こしていることが少なくありません。
・慢性硬膜下血腫
頭部を強く打った後、数週間から数ヶ月かけて、脳の外側にできた血腫が脳を圧迫することで、傾眠傾向や思考能力の低下、頭痛や手足の麻痺による歩行障害などの症状が現れます。
・睡眠障害
不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害を抱えていると、夜間の睡眠の質が低下し、日中の傾眠が増えます。
夜にしっかりと睡眠をとっているにも関わらず、日中に強い睡魔に襲われる「過眠症」も睡眠障害のひとつです。
・内科的疾患
糖尿病や甲状腺機能低下症などの代謝に関わる内科的疾患や、肝臓、腎臓などの代謝に関わる臓器に異常が出たりすることによっても、一日中ボーっとした状態が引き起こされることがあります。
・薬の副作用
睡眠薬や抗不安薬、抗ヒスタミン薬などの服用によって、副作用として傾眠が現れることがあります。特に高齢者は薬の代謝をする機能が低下しているため、影響を受けやすくなっています。
傾眠傾向になったときの対処法
傾眠傾向を改善するためには、生活習慣や環境の調整が重要です。
・生活リズムを整える
毎日同じ時間に起床し、適度な運動を取り入れることで、日中の覚醒レベルを高められます。
・薬の量を調節する
服用している薬が原因の場合は医師に相談し、薬の種類や量を調整してもらいましょう。
・短時間の昼寝を取り入れる
長時間の昼寝は夜間の睡眠に悪影響を与えるため、15〜30分程度の短時間の昼寝を心がけましょう。
・積極的にコミュニケーションをとる
会話や交流が減ると脳の働きが低下し、傾眠傾向が進むことがあります。可能であれば外へ連れ出して散歩をしたり、積極的にコミュニケーションをとり、刺激を増やしましょう。
傾眠傾向によって起こるトラブル
傾眠傾向を放置すると、次のようなトラブルが発生しやすくなります。
・食事中の誤嚥
意識がはっきりしていない状態で食事をすると、誤嚥のリスクが高まります。誤嚥性肺炎を防ぐためにも、食事の際は注意が必要です。
・転倒や転落
傾眠状態で注意力が低下したり、姿勢がくずれ左右どちらかに体重がかかるなどで、転倒や転落のリスクが高まる場合、骨折などの重大な怪我につながる可能性があります。
・食欲の低下
傾眠傾向が続くと食欲が低下し生活リズムも崩れ、食事が摂れなくなると栄養不足に陥ります。これがさらなる体力低下を招き、悪循環に陥ります。
まとめ
傾眠傾向は高齢者によく見られる症状ですが、放置すると生活の質が低下や、身体に重大な影響を及ぼすことがあります。認知症や脱水、薬の影響などさまざまな原因があるため、適切な対処をすることが重要です。生活習慣の見直しやコミュニケーションの増加など、できることから始めてみましょう。
日中の傾眠が強い方でも、馴染みのある風景や地元の町並みを見ることで、覚醒が促されます。例えば、名古屋市有松のような歴史ある町並みを散策すると、懐かしい気持ちになり、自然と会話が増えるかもしれません。ご家族の傾眠傾向や介護に不安を感じる方は「介護の窓口【ケアまど】老人ホーム紹介センター 有松相談所」へお気軽にご相談ください。専門スタッフが、最適なケアや老人ホーム選びをお手伝いします。”介護の窓口【 ケアまど 】 老人ホーム紹介センター 有松相談所”
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