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2025/03/30
コラム

認知症のBPSDとは?症状別の対応方法やポイントを解説

認知症のBPSDとは?症状別の対応方法やポイントを解説

認知症の進行とともに現れるBPSD(行動・心理症状)は、介護をする家族にとって大きな負担となります。しかし、適切な対応をすることで負担を減らせるため、正しい知識を持つことが重要です。本記事では、BPSDの基本的な特徴や中核症状との違い、症状別の対応方法、治療法について解説します。

認知症のBPSD(行動・心理症状)とは

BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)は、認知症の進行によって現れる行動や心理面での変化のことです。具体的には、介護拒否や暴言・暴力、徘徊、妄想、不眠、不潔行為、異食などがあります。これらの症状は、本人の不安や混乱が原因となることが多く、適切な対応が求められます。

BPSDと中核症状の違い

認知症の症状は、大きく「中核症状」と「BPSD」に分けられます。本章では、それぞれの違いについて解説します。

中核症状

認知機能の低下によって直接引き起こされる症状で、以下のようなものがあります。

<中核症状>
・記憶障害(最近の出来事を忘れる)
・見当識障害(時間や場所が分からなくなる)
・理解力や判断力の低下
・失語・失認・失行
・実行機能障害(段取りを組めない)

BPSD

中核症状から派生したもので、周辺症状とも言われており、認知症による心理的な影響や環境要因によって引き起こされる症状です。

<BPSDの症状>
・介護拒否
・暴言・暴力
・徘徊
・被害妄想
・せん妄
・睡眠障害
・抑うつ
・不潔行為
・異食  など

BPSDの症状別ぼ対応方法例

BPSDは適切な対応をすることで、悪化を防げます。

・介護拒否
本人のペースや意志を尊重し、できることは自分でやってもらう。介護の必要性を分かりやすく説明し、安心感を与える。

・暴言・暴力
無理に制止せず、落ち着くまで距離を取る。興奮のきっかけを探り、環境を整える。

・徘徊
本人にとっては目的のある行動ということを理解する。外出の機会を増やし、ストレスを軽減する。GPS端末を活用する。

・被害妄想
物盗られ妄想、嫉妬妄想、迫害妄想や妄想性人物誤認など、妄想にもいくつかの種類があるが、いずれも頭ごなしに否定せず、話を聞いてあげることが大切。

・せん妄
慌てず落ち着き、身の回りの危険なものは片付けて安全な環境にする。優しく声がけし安心してもらう。無理に言動や行動を制止しようとすると、ますます興奮してしまうことがあるため、焦らずに様子を見る。

・睡眠障害
規則正しい生活リズムをつくる。午前中に日光浴したり、日中に十分な活動をすることも効果的。昼夜逆転がひどい場合は医師に相談する。

・不潔行為
主に排泄に関連した行動がうまくできず起こることが多い。
トイレの場所がわからない場合はトイレ目印を付けたり、トイレ誘導の際に衣服着脱を介助したり、便座に座るまで見届けるなどする。

・異食
食べてはいけないものを手の届かない場所に置く。適度な間食を取り入れる。

認知症のBPSDの治療方法

BPSDの治療には、非薬物療法と薬物療法があります。

・非薬物療法
環境の調整や本人の不安を和らげることで、ストレスを軽減させる。音楽療法や回想療法(昔の思い出を語ることで脳を活性化させる)などが効果的。

・薬物療法
抗精神病薬や抗うつ薬などが用いられることもある。ただし、副作用のリスクもあるため、医師と相談しながら慎重に進める。

認知症のBPSDの対応ポイント

BPSDへの対応では、次のポイントを意識すると負担を減らせます。

・認知症の方の心を理解し寄り添う姿勢を持つ
認知症になり、できないことが増え悔しい思いをしたり、周囲から注意されたり怒られたりすることが増えると、次第に自信喪失するようになる。
こうした気持ちを理解し寄り添うことが基本となる。

・症状には必ず「本人なりの理由」がある
周囲には不可解に思える行動でも、本人にとっては理由がある行動である。
例えば徘徊が起こった時、本人はただトイレに行きたくてトイレを探しているうちに、「トイレに行く」ということを忘れてしまったのかもしれない。
本人の気持ちを理解しようとする姿勢が大切になる。

・本人の自己肯定感を削がない
BPSDは自己肯定感と大きく関連があると言われている。
「自分には存在する価値がある」「自分は生きている意味がある」という感覚を持つことができれば、周囲から必要とされているという安心や自信につながっていく。
介護者や周囲の人は、本人に「自分は大切な人間なのだ」と思って過ごしてもらえるように接する必要がある。

まとめ

BPSDは、認知症の進行によって現れる症状であり、適切な対応をすることで悪化を防げます。介護をする側の負担を減らすためにも、症状の背景を理解し本人の気持ちに寄り添い、落ち着いて対応することが大切です。

名古屋市有松は、江戸時代から続く「有松絞り」の伝統が息づく街です。美しい町並みと温かい人々が支えるこの地域では、長年の歴史を大事にする気風があります。認知症のBPSDも、本人の過去の習慣や環境に寄り添うことが大切です。

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