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ケアまどニュース
介護保険における高齢者の「住宅リフォーム」
高齢になって足腰が不自由になると、住み慣れた自宅であっても日常生活に支障をきたすようになることがあります。
階段の昇降が難しくなるだけでなく、これまで気にも留めていなかった段差でさえ障害になることも珍しくありません。
また、身体機能の低下や病気の後遺症などで介護が必要になるケースもあるでしょう。
施設に入所することも検討すべき場合もあります。
しかし、愛知県名古屋市にも特別養護老人ホームや有料老人ホームなど多数の介護施設があるものの、できれば住み慣れた自宅を離れたくないという願いは誰でも持っているのではないでしょうか。
そういう時に検討したいのが住宅の介護リフォームです。
介護リフォームは、介護が必要になった高齢者が自宅で安全に暮らせるよう、住宅の危険箇所をなくし、日常生活に不都合を生じさせないようにするために行われます。
住宅のリフォームとなると気になるのが工事費用ですが、
一定の条件を満たせばリフォーム費用に対して補助金が出る制度があります。
介護リフォームの補助金についてと、リフォーム工事で気をつけたいポイントを詳しく解説しますので、ぜひ上手に活用してください。
①高齢者のいる住宅のリフォームには補助金が出る
介護保険制度では、20万円を上限とする「住宅改修費」という補助金が出ることになっています。
[介護保険における住宅改修費の支給条件]
・介護保険における要支援または要介護に認定されている人
・支給対象は、介護保険被保険者証に記載の住所にある住宅
※非該当(自立)の方でも各自治体が実施する介護予防、生活支援事業などにより改修が利用できる場合があります
補助金の上限が20万円とお伝えしましたが、これは介護保険の被保険者1人当たりの上限です。
そして、20万円丸々支給されるのではなく、そのうちの1~3割を自己負担する決まりがあります。
例えば、介護保険の負担割合が1割の人が20万円の工事をした場合、
2万円は自己負担。残りの18万円が介護保険から支給されるのです。
工事費用が20万円を超えた場合も支給されるのは18万円までなので、
自己負担の【2万円】+【オーバーした金額】を負担することになります。
また、補助金は上限の20万円の範囲内で、分けて支給を受けることもできます。
例えば、最初は階段に手すりを付けるだけの工事で5万円しか使わなかったけれど、介護度が進んで段差の解消の工事が必要になった時に、残りの15万円までの支給が受けられます。
なお、介護度が3段階以上進んだ時には、
これまでの支給とは別に改めて20万円まで支給を受けることが可能です。
②補助を受ける方法と、利用上の注意点を理解しておく
まず注意しなければならないのが、
必ずリフォーム工事の前に申請して承認を受けなければならないということです。
工事の後に「〇〇万円かかったので、補助金を支給してください」と言っても認められません。
リフォーム工事を検討しているなら、まず、ケアマネジャーに相談しましょう。
ケアマネジャーがどんな改修内容が必要なのか検討してくれますし、施工業者の選定にも協力してくれます。
次に、施工業者が決まったら、ケアマネジャーの同席で改修場所と工事内容を確認し、見積もりを出してもらいます。
その内容に納得できれば契約です。
施工業者との契約が済んだら、お住まいの自治体に住宅改修費の支給を事前に申請します。
リフォームの理由書や現在の状況が確認できる写真・図面、また、工事の見積書などの提出が必要です。
ここまで完了していよいよ工事が始まります。
工事費用は一旦全額を負担することになりますが、後から補助金を支給してもらうことができます。
改修業者からの領収書は大切に保管しておきましょう。
工事が終わったら、領収書と、工事費の内訳、工事した場所の写真などを自治体に提出します。
自治体の審査の結果、認められたら、20万円を上限として必要な工事費が支給されるという仕組みです。
なお、住宅改修費の支給を受けるには、当の被保険者である要支援や要介護認定を受けた
高齢者本人がその住宅に住んでいることが条件になります。
つまり、本人の入院中に自宅をリフォームしたい場合は、その旨を事前に必ず自治体に相談しなければなりません。
工事の後から申請しても補助金は受けられないので、その点だけは注意しましょう。
※やむを得ない事情により、自治体が認めた場合には支給される場合があります
③リフォームする上で大切なポイント
介護保険におけるリフォーム工事では、以下に挙げる6種類が支給対象となります。
① 手すりの取付工事
高齢者の移動を補助し、転倒を防止するために、玄関や廊下、風呂場やトイレ、そのほか段差があって移動しにくい箇所に手すりを取り付ける。手すりの高さや向き、形などは高齢者の状況に合わせて使いやすいように決める。
② 住宅の段差を解消する工事
玄関や廊下、風呂場やトイレの入り口、部屋と部屋の境の敷居などに、スロープを取り付けたり床を嵩上げする。
③ 床などを滑りにくい素材に変更する工事
転倒防止のためにフローリングからクッションフロアに変更したり、階段に滑り止めを付ける。
④ 開き戸を引き戸などに変更する工事
引き戸やアコーディオンカーテン、折れ戸などへの交換や、開閉しやすい形状のドアノブへの交換。
⑤ 和式便器から洋式便器への取り換え工事
便器の形状変更や、便器の高さや向きを変更する。暖房や洗浄機能を取り付ける。
⑥ ①~⑤の工事に伴って必要になる工事
廊下に手すりを取り付けるために壁の下地を強化したり、床の嵩上げに伴う給排水設備の工事などの、主たる工事に付随して必要となる工事。
介護リフォームでは、介護される高齢者が住みやすいような工事を行うのが前提ではありますが、それだけしか考えていないと、リフォーム後に不便を感じることもあり得ます。
介護を必要とする高齢者の住まいを考える時には、介助する人の存在も忘れないようにしましょう。
例えば、車椅子で出入りしやすいようにトイレをリフォームする場合、そのトイレを使うのは高齢者ですが、トイレ介助や掃除を行うのは介助者です。
ですので、高齢者の利用しやすさはもちろんですが、介助者の視点でも、
介助や掃除などが行いやすくなるリフォームを意識しましょう。
また、現在のことだけでなく、将来のことも見据えてリフォームをする必要があります。
介護が始まると、現時点の不便を解消することばかり考えてしまいがちですが、介護度がさらに進んだ時に利用しやすいかどうかもよく考えましょう。
リフォーム工事は、大がかりになると数日間自宅を自由に使えなくなることもあります。
何度も工事を行うと、そのたびに大変な不便を感じることにもなりますので、先回りして検討することが大切です。
以上、高齢者の住みやすい住宅にリフォームする介護リフォームについて、その補助金や工事内容をお伝えしました。
介護リフォームは、介護を受ける高齢者だけでなく、介助する人の負担も軽減できるように検討することが大切です。
ケアマネジャーとも相談して、ご家庭に合うリフォームを実現してください。
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