愛知県名古屋市の老人ホーム・介護施設紹介センターなら介護の窓口ケアまど「ケアまどニュース」ページ

NEWS

2024/09/12
コラム

認知症における「失行」とは?家庭や老人ホームでできる対応方法を解説

認知症における「失行」とは?家庭や老人ホームでできる対応方法を解説

失行は認知症の中核症状の一つで、日常動作がうまくできなくなる状態を指します。本記事では失行の原因や対応方法について解説し、家庭や老人ホームでの対応策を紹介します。

認知症の中核症状である「失行」について

認知症の中核症状として現れる「失行」は、手足の麻痺はないのに身体が指示通りに動かなくなる状態を指します。例えば「歯を磨く」という指示に対して、歯ブラシを持つことはできても、その後どうすべきかわからず、歯ブラシを振り回したり髪をといだりしてしまいます。このように以前は問題なくできていた動作が難しくなることが、失行症状の特徴です。

失行が現れるとどうなる?

失行が現れると今までできていた動作が突然できなくなり、本人だけでなく介護者にも大きな負担が生じます。例えば、服を着る、食事をする、道具を使うなどの基本的な日常動作が困難になり、介助が必要となることが増えます

このような状況は本人の自尊心を低下させ、精神的な負担を増加させる原因となるでしょう。

失行が現れる原因

失行の主な原因は、脳の損傷や機能低下によるものです。特に前頭葉や頭頂葉が損傷を受けると、失行症状が発生しやすくなります。認知症の進行や脳卒中などが原因となることが多く、早期の診断と適切なリハビリが重要です。

失行を診断する方法

失行を診断する方法は、医師が行う問診や観察、各種テストです。特定の動作が「なぜできないのか」を確認し、その動作をどれだけ再現できるかを評価することで診断されます。また脳の画像検査を通じて、損傷部位や脳機能の低下を確認することもあります。

家庭や老人ホームでの失行への対処方法

失行が起こった方にとっては、自立した生活が困難になるうえ、自尊心や自信を失いがちになります。一方、介護する家族にとっては失行への対応は大きなストレスとなります。

そんな方へ、失行か起きた時の有効な対応方法をいくつか挙げてみましょう。

・視覚・聴覚を利用してわかりやすく伝える
言葉だけでなく視覚的な手がかりを使うことで、動作の指示が伝わりやすくなります。例えば、衣服の部位に印をつけることで、着用する順番を示すなどすると、わかりやすくなります。。

・お手本を見せる
介護者がまず手本を見せることで、動作のイメージがつかみやすくなります。手本を繰り返し見せることで、動作を少しずつ思い出してもらいます。

・できないところを工夫してできることを増やす
例えば衣服のボタンかけができなければ、ボタンをマジックテープに変えてみるなど工夫して、自分でできることを増やしていくとよいでしょう。

・反復練習をする
同じ動作を繰り返し練習することで、脳に動作のパターンを再び学習させます。リハビリで行った手順を日常生活でも同じ手順を統一して行うことで、少しずつ動作が改善されます

・身の回り品を整理する
使用する物品を置く場所に印をつけて、必ず元の場所に戻すように整理整頓することで、どこに何があるかわからなくなることを防ぎます。また、使う道具の数を減らすことで失行を持つ方が必要なものをすぐに見つけられるようにし、ストレスを軽減します。

・できたことを褒める
褒めることは大きな自信につながります。できたことをしっかりと褒めることにより本人の自信につながり、リハビリを前向きに続けられるようにします。

失行のリハビリは、老人ホームと家族の連携も重要

失行のリハビリ効果を高めるためには、リハビリで学んだ内容を実際の生活に取り入れることが重要です。そのためには家族と老人ホームが情報を共有し、協力し合って失行症状の改善に取り組む必要があります。これにより、本人の生活の質が向上するでしょう。

まとめ

失行は認知症の中核症状の一つですが、適切なリハビリを行うことで改善や日常生活への適応が可能です。家庭や老人ホームでのサポートを通じて本人の自立を促し、生活の質を維持することが大切です。

介護の窓口【 ケアまど 】 老人ホーム紹介センター 有松相談所では、不自由があっても高齢者が生きがいを持って生活できるようサポートしています。生活に関する不安があれば、ぜひご相談ください。介護の窓口【 ケアまど 】 老人ホーム紹介センター 有松相談所