老人ホームや介護施設に入居する際に、本人の同意は必要なのでしょうか？結論から申し上げますと、法律的に本人の同意が必要などということはありません。
本記事では、老人施設に入居する際には本人の同意が必要なのか、入居を拒む場合の対処法などについて解説します。

本人の同意は必要？

結論から申し上げますと、基本的には老人ホームや介護施設への入居にあたり、本人の同意は必要ありません。施設によっては必要な場合もありますが、法律的な決まりなどは特にありません。本章では、老人ホームに入居する際の本人の同意について解説します。

1：本人の同意がある状態での入居が理想

本人が希望していないと、入居を拒む、施設で周りに迷惑をかけるなどの問題が発生することもあります。そのため、入居の際にはできる限り本人の同意を得た方がスムーズに入居できるでしょう。

2：判断力が落ちていて本人の同意が得られないケースも多い

認知症などで判断力が落ちていると、本人の同意を得られないケースもあります。ケアマネージャーなどのプロが何度説明しても理解してもらえないこともあるでしょう。
その場合には、家族の同意により入居するケースもあります。

老人ホームへの入居を拒む場合の対処法

本人が入居を拒む場合の対処法についていくつかご紹介します。

1：本人と話し合う

本人とよく話し合い、気持ちを確認することが大事です。「家族に会えなくなるのでは」などの不安な気持ちを抱えているかもしれず、よく話し合えば理解を得られることもあります。「介護が辛いから施設に入る」のではなく、施設に入ると楽しいなどのメリットをわかってもらいましょう。

2：本人と一緒に施設を選ぶ

本人と一緒に施設を選ぶことで、本人が楽しく過ごせる場所を探すことも大事です。よい施設が見つかれば気持ちが前向きになりますし、自分自身で選んだんだという納得感もあります。

3：ショートステイを利用する

まずはショートステイのような短期のお泊りサービスを利用して、徐々に環境の変化に慣らしていくという方法もあります。
老人ホームによっては体験入居ができる施設もあるため、実際に入居してみたい施設があれば、利用してみるのもよいでしょう。

4：専門家から話してもらう

ケアマネージャーや介護士などの専門家から、どのような生活になるのかメリットは何かなどをわかりやすく話してもらうと気持ちが動くこともあるかもしれません。
医療的なケアが必要な方でしたら、主治医や看護師などからの意見のほうが耳を傾けてくれることもあるかもしれません。

5：第三者に協力をお願いする

すでに老人ホームを利用している知人などの第三者に協力をお願いすると、気持ちが変わることもあります。家族の言うことは聞かなくても第三者の言うことは聞く、というタイプの人には有効です。

本人の同意が得られない場合でも無理に在宅介護を続ける必要はない

どうしても本人の同意を得られない場合もあるでしょう。しかし、同意を得られなくても無理に在宅介護を続ける必要はありません。そのまま在宅介護を続けた場合、お互いの関係性の悪化や介護疲れの深刻化など問題が出てくることもあるでしょう。
中には認知症の症状が進んでおり、一度同意したことを忘れて拒まれてしまうこともあります。
介護者の負担が限界を超えたなどの場合には、施設側と連携してうまく入居してもらうことも可能です。一人で抱え込まず、入居を拒んでいること、在宅介護が限界にきていることなどを、ケアマネージャーや施設の担当者などに相談することをおすすめします。

まとめ

本記事では、老人ホームなどに入居する際には本人の同意が必要なのか、入居を拒む場合の対処法などについて解説しました。
できれば本人が同意したうえで入居するのがもっともスムーズですが、同意してくれない場合もあるでしょう。
本人とじっくり話し合い、家族で解決できない場合は、ケアマネージャーや施設の担当者などに相談し一人で抱え込まないようにしてくださいね。

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