収入源が年金のみである場合、老人ホームに入れるか心配になるかもしれません。収入の少ない高齢者の方にもセーフティネットは用意されていますが、適切に活用するためにも制度を理解しておく必要があります。そこで今回は、年金で老人ホームに入れるのかに加え、入居が難しい場合の対処法も紹介します。

年金で老人ホームに入れる？

年金で老人ホームに入ることは可能です。高齢者の入居検討先には公的施設もあり、民間施設よりも安い費用で利用ができます。しかし、老人ホームは最低でも月10万円程度かかるほか、医療費や日用品などで別途費用がかかる場合があります。年金の支給額によっては、節約が不可欠となる点に注意が必要です。

年金の受給額を把握しておこう

老人ホームを探し始める前に、予算を決めておくことが大切です。まずは、年金受給額を把握しておきましょう。ここでは、国民年金と厚生年金にわけて平均受給額を紹介します。

国民年金の平均受給額

国民年金は、満20〜60歳までの日本に在住するすべての人が加入する制度です。厚生労働省の調べによると、令和4年度の国民年金の平均受給額は56,428円です。

厚生年金の平均受給額

厚生年金は会社員や公務員などが加入する制度で、受給の際は国民年金と合わせた額を受け取ります。厚生労働省の調べによると、令和4年度の厚生年金の平均受給額は144,982円です。

国民年金・厚生年金の平均受給額は、性別や加入年月などに関係なく、受給対象者すべての平均値を算出したものであるため、すべての人が上記金額を受給できるわけではありません。
適切な施設探しをするためにも、日本年金事務所から届く年金定期便や、ねんきんネットなどで、自身の年金額を把握しておく必要があります。

老人ホームの費用相場

老人ホームは種類によっても費用の相場が異なります。一般的な老人ホームの費用相場は以下のとおりです。
費用相場を見る限り、国民年金のみの受給者の場合、年金のみでの老人ホームの入居はかなり困難といえます。

年金だけで老人ホームの費用を払えない場合の対処法

年金だけで老人ホームの費用を払えない場合は、施設の変更や費用の捻出方法を検討する必要があります。ここでは、以下の4つの対処法を解説します。

公的施設を利用する

民間の老人ホームに比べ、公的の介護施設は月額費用が安く、収入が低い方は利用料を下げられる制度もあります。しかし民間の老人ホームに比べ、入居の競争率が高い点に注意が必要です。

生活保護を活用する

年金受給者でも生活に困窮していると認定されれば、生活保護を受けることが可能です。市区町村の窓口などでは、入居に関する相談もできます。

負担軽減制度を利用する

介護保険には、収入に応じた負担軽減制度が用意されています。たとえば、医療費と介護保険の自己負担額が、一定基準を超えると返還される制度などがあります。市区町村独自の助成制度もあるため、問い合わせたうえで条件を満たせば申請すると良いでしょう。

入居地域を変更する

老人ホームの費用は地域によって差があり、都市部ほど高い傾向がみられます。費用を抑えるにあたり、郊外の地域で施設を探すことも費用負担を抑えることにつながります。

まとめ

年金で老人ホームに入ることは可能です。公的施設の老人ホームなら、民間施設よりも安い費用で利用できます。公的施設の老人ホームの例としては、特別養護老人ホームや軽費老人ホームなどが挙げられます。受給額は人によって差があるため、自身の年金額を把握することが大切です。年金だけで老人ホームの費用を払えない場合は、生活保護や負担軽減制度の利用も検討してみましょう。また、年金のみの入居がいかに難しいかもわかります。貯蓄も含め、施設に入居するために自身が捻出できる金額の形成も必要があるでしょう。

年金額がいくらか把握できていれば、「月々この年金額内で生活できる施設」といった探し方が可能です。よく施設を探される方に、「相場が分からないから月額負担がどのくらいになるか知りたい」とおっしゃる方がいらっしゃいます。相場はもちろんありますが、それをお伝えしてもご利用者様の負担できる額は大きく変更はされません。介護の窓口【 ケアまど 】 老人ホーム紹介センター 有松相談所では、月々に負担できる上限をあらかじめお伺いし、その金額で入居できる施設を探すことも可能です。年金額に不安があり、施設入居を迷われている方は一度ご相談ください。
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