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ケアまどニュース
高齢者を被害者・加害者にしないために。認知症早期発見のポイント
高齢の家族を持つ人が抱える心配の一つに、車や電車との接触事故、高齢者が運転する車での交通事故があります。
年齢を重ねていけばそれだけ脳の機能も衰え判断力が低下してきますが、事故によるトラブルは加害者になっても被害者になっても命に関わる大変な事態を及ぼしますから、先のこと・まだ大丈夫などと甘く見ず、早め早めに判断・対処をしていく必要があります。
脳機能・判断力の低下については認知症の有無が1つのポイントになりますが、認知症は本人が自ら気づくことは難しく、身近にいる家族が変化を観察することが必要になります。
大切なのは早めに発見することであり、おかしいなと思った段階からでも取り組めることは非常に多いですから、常々よく様子を見守り、必要な対処、対策をとれるようにしましょう。
家族が認知症に関する知識を深めておくこともまた、早期発見の重要なポイントとなってきますので、悲しい事故が起こることが無いよう努めていってください。
認知症による代表的な症状と、発見のポイント
認知症の早期発見には、代表的な症状について理解しておく必要があります。
初期段階として多くみられるのは記憶障害で、同じ話や質問を何度も繰り返したり、自分のした事、言ったことを忘れてしまうのが代表的です。
たった今話をしたことをすぐに繰り返したり、答えたことを忘れてしまうことが日常的に何度もみられるようであれば、認知症が疑われます。
認知症でない方でもそういったことはあると思われるかもしれませんが、認知症の場合には繰り返す間隔が5分に満たない程短いことも多いので、おや?と感じられるでしょう。
また、食事の記憶も1つの判断材料となります。食事をしたこと自体を忘れてしまっている場合、認知症の可能性がぐっと高くなります。
食べた物を覚えていないのか、食事したことそのものを覚えていないのかで、判断が違ってくるので覚えておくと良いでしょう。
また、日付・時間・場所に関する見識障害を起こす場合も、注意が必要です。
数日の違いでは無く全く季節はずれなことを言いだしたり、昼夜の逆転、今いる場所を全く違う場所と勘違いしだしたりした場合は、注意の信号に値します。
通帳が無くなった、お財布が盗まれたなど、ものが取られたという勘違いや、金銭について騒ぐようになるといったことも認知症の代表的な症状であるため、覚えておきましょう。
これまで当たり前に行っていた料理ができなくなる、レパートリーが減る、味付けがおかしくなってきた、身だしなみがだらしなくなってきたといったことも大切なサインとなりますから、日々注意して観察しましょう。
同居家族の場合はすぐに変化を察知しやすいですが、別々に暮らしていて会う機会が少ない場合には、どうしても発見が遅くなってしまいがちです。
意識的に連絡を取ることを心がけ、早めに察知できるよう努めましょう。
幻覚、妄想、過食や拒食、感情が激しくなる、排泄で頻繁に失敗してしまうといった症状がみられる場合には、認知症がより進行している可能性があるので、このような場合には家族だけではなく介護施設や老人ホーム、病院などと連携して必要な対策、対処をしていく必要があります。
認知症やその前段、MCIの診断方法
年齢を重ねれば誰でも物忘れが出てくるようになりますが、物忘れと認知症の線引きというのは判断が非常に難しいものです。
しかし認知症の場合は単に物忘れというだけでは無く、感情的になってきた、話そのものが噛みあわなくなってきたなどいつもとは違う明らかな変化を感じやすいため、認知症の前段として察知できるようにしていきましょう。
もしかして認知症では?と感じたら、異変に気付いた段階で記録をつけていくようにしましょう。
いつごろから物忘れが始まったか、どういう状況で話がかみ合わなくなってきたか、生活に支障をきたすレベルかやその場合のシーンなどをメモ程度に軽く書き記しておくと役に立ちます。
認知症を疑う場合、病院へ行き検査を受けて診断を受けることになりますが、その際に経緯に関するメモを残しておくと、医師との話し合いがしやすいです。
認知症を疑う家族本人にとっては自らが認知症であることは当然認めたくないものです。
しかし対処が遅くなればそのぶんだけ認知症は進行してしまいますので、「念のため検査だけ受けてみよう」「私も物忘れが増えてきたから一緒に受けてみよう」など柔らかい言葉で誘い、自尊心を傷つけないようにして病院に連れ出しすことが大切です。
認知症の検査方法については様々ありますが、中でも代表的なのが長谷川式認知症MCIテストです。
簡易的なチェック式のテストで、内容は本人の年齢、検査当日の日付や曜日、今いる場所、事前に伝えた単語を順番どおりに答えられるか、簡単な計算、複数の絵を見せた後に何の絵だったか答えてもらうといったものです。
点数をつけて記憶力と脳の働きを客観的に計測し、認知症の程度を判断する目安とします。
認知症の診断についてはCTやMRIなどの画像検査で脳の萎縮について調べたりもしますが、基本的にはこのMCIテストを行った上で検査の必要性を判断することになります。
早期発見のメリット
認知症は記憶障がいや見識障がい、身だしなみが乱れてくるなどの段階で早期発見できれば、症状の進行を遅らせたり、場合によっては周辺症状が回復傾向をみせることもあります。
認知症と聞くと本人も家族もどうしても悲観的になってしまいがちですが、早めに発見、対処をしていけば、進行を止めたりゆるやかにすることもできるので、よく心得ておきましょう。
認知症の薬は進行を抑制する効果があるものが4種類認可されています。
神経細胞同士の流れを薬の働きによって良くすることで進行を遅らせることができますが、そのためにはより多くの神経細胞が残っている段階で薬を服用する必要があります。
早め早めの対策を取ることが認知症を悪化させないための最大の手段となりますから、早期発見・早期治療というのは非常に大切なことと言えます。
また早期発見は家族の介護負担も少なくて済むようになり長く自宅で生活できる、介護する家族にも心の余裕が生まれる、老人ホームや介護施設への入所の判断を間違えない、資産や年金などを把握、管理できるといったメリットもあります。
発見が遅くなってしまうと介護の問題も含めて様々なことで大変な思いをしなければならなくなりますが、早くに発見できればそれだけ認知症、介護で心配される問題を回避していくことができますから、もしかしてと思った段階で医師に相談するなど早めの対処をとっていけるようにしましょう。
もし認知症かなと思ったら、早い段階で医療機関に相談をしましょう。
判断能力が著しく低下してしまうと本人と話し合って病院に行くということ自体が難しくなります。
運転をしたり通りの多い場所へ出かけたりすることが多い場合、認知症を発症しているがために事故を起こし加害者・被害者になってしまう可能性が高まります。
早期発見・早期治療に努められればより長く自宅での生活が可能になり、また本人の意思を尊重しつつ様々な判断を下していくことができるでしょう。
愛知県名古屋市は人口・交通量共に多いエリアですから、大切な家族が加害者・被害者にならないためにも、また家族がより長く日頃の生活を維持していけるよう、変化を観察して認知症の兆候を察知できるようにしてください。
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