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2019/02/04
コラム

高齢になっても思い出づくりを~ユニバーサルツーリズム~

高齢社会にあたり、介護の分野では誰もがより充実した日常を送れるよう様々なサービスの充実に注力されています。

そして、その一つが『ユニバーサルツーリズムです。

 

ユニバーサルツーリズムは、高齢や障がいなどを理由とせず誰もが気兼ねなく参加、楽しめる旅行を目指すものです。

国土交通省官公庁でも「宿泊施設におけるバリアフリー情報発信のためのマニュアル」などを作成するなど、国策として注力され始めています。

 

ユニバーサルツーリズムとは

介護施設や老人ホームの旅行

これまで介護の分野ではバリアフリーという言葉が積極的に使われてきましたが、バリアフリーはそもそも建築用語であり、すでにあるバリアを取り除くことを意味します。

 

一方でユニバーサルとは誰もが使いやすい利用できるという意味を持ち、高齢者や障がい者はもちろんのこと、妊婦や子供、外国人まで全てを含めて使われるものです。

多様性に対応できる社会を目指す上で、旅行の分野でもユニバーサルという考えを取り入れるようになってきています。

 

これまで「バリアフリーツアー」などと銘打たれていたデスクも、「ユニバーサリーツーリズムデスク」などと変更されてきています。

 

まだ一般的にはユニバーサルツーリズムという名称は馴染みが薄いですが、介護施設や老人ホームでは年間行事の一環として旅行を計画に組んでいるところも多くあります。

そういった場合、ユニバーサルツーリズムへの取り組みに関心を持っているかどうかが施設を見極める一つのポイントにもなってくるでしょう。

 

ユニバーサルデザインという言葉は介護の分野では最先端のサービスを受けられるかどうか一つの指針となるものです。

利用者やその家族はより質の高い施設を選択できるよう、覚えておくべきことの1つでしょう。

 

ユニバーサルツーリズムの取り組み

介助スタッフや添乗員の同行

 

これまでバリアフリーへの取り組みを積極的に行っていたような大手の旅行会社のホームページなどをチェックしてみると、バリアフリーという言葉に代わり、ユニバーサルツーリズムという言葉が使用されるようになっています。

高齢者や障がい者向けのプランが様々用意されており、介助スタッフや添乗員の同行バリアフリーの客室などを手配してもらえるようになっています。

 

サービスを必要としている人にとってはより快適な旅行プランを立てやすく、また楽しい旅行を送れるとても貴重な選択肢となってくれるでしょう。

高齢者や障がい者へのサービスは中途半端なものであっては意味が無いため、ユニバーサルツーリズムを利用した旅行ではとても手厚いサービスを受けられます。

 

しかし反面、料金はどうしても高額になってくるといった問題もあります。

どのようなサービスであってもコストが抑えられればありがたいものですが、一方で一定以上のサービスの質が必ず求められるユニバーサルツーリズムにおいては、

コストカットは容易ではないのです。

 

高齢者や障がい者の場合、欠かすことができない介助、サービスが多々あります。

質を落とした結果、利用者が不便を強いられるというのはユニバーサルツーリズムの在り方自体に関わりますし、ケースによっては旅行を楽しむことが困難となってしまいます。

コストを重視してしまうと、削ってはいけない部分を削ってしまう可能性が出てくるため、利用する側においてもプランや提供されるサービスについてはきちんと見極めていかなければなりません。

 

日常を飛び出し様々な刺激を受けることができる旅行は心身ともにとても良い刺激となります。

年齢や障がいの有無に関係無く、誰もが好きな時に好きなように楽しみたいものです。

ユニバーサルツーリズムはその楽しみを手厚く支える存在ですから、積極的に利用していけるよう知見を深めていってください。

 

実際に利用した人が感じたメリット・デメリット

 

ユニバーサルツーリズムを実際に利用して見た人の感想をチェックしてみると、

一般の旅行プランよりも気遣いのある内容となっていて助かったという声が多く寄せられています。

「旅行の工程において見学や集合の時間に余裕があった」

「トイレ休憩を多くとってくれた」

「ゆったりしたスケジュールで旅行を楽しめたた」

「各所に配慮があり不安が少なかった」

「参加者全員が障がいを持っているので気を遣わずに済んだ」

など喜びの声が多数あります。

 

ハンデを持っているとやはり旅行において様々な点に不安を持つものです。

ユニバーサルツーリズムでは参加者が気後れや心配、不安を抱えること無く旅行を楽しめるよう工夫されていることが大きなメリットと言えるでしょう。

 

また何かトラブルが起こった場合でも専門的な対応を受けられ、思いやりある対応に助けられたという声もあります。

「行けないと思っていた旅行に行けるようになった」

「家族も喜んでくれた」

など、ユニバーサルツーリズムがもたらす利点はとても大きいようです。

 

 

デメリット:段差やトイレ整備による不便さ

 

しかし、一方で課題も多いのが現状です。

「対応が親切ではあるが移動に時間がかかる」

「金額が割高で介助者の同行費用の負担も大きい」

「発着場所が限られてしまう」

「訪問施設の下調べが足らず段差などに悩まされた」

「観光地などのトイレ整備が不十分で結局不便をした」

などといった不満の声もあります。

料金が高くつくにも関わらずこういった不便を被るのではやはり満足はできません。

 

ユニバーサルツーリズムは発展途上な部分もあり、旅行会社や当日同行するスタッフの違いで質の差があったり、通常のプランよりは旅をしやすいという程度で、一定のレベルに達していない部分もあります。

そうした違いを、実際に利用するまで見極めることが難しいのが現状です。

 

しかし、旅行に行くというハードルが下がったことや、不安やストレスが軽減されたという声があるのも確かですから、積極的に利用をしていく価値があると言えるでしょう。

 

ユニバーサルツーリズムはまだまだ一般的には馴染みのない言葉ではありますが、今後ますます浸透していくことが考えられます。

高齢や障がいを持った人に限らず、妊婦や子どもなど幅広い層を対象として展開されているものなので、多くの人の助けになっていくでしょう。

 

ユニバーサルツーリズムを必要とする人は日常の中で制限を受けることが多いため、普通の人よりもストレスや生きづらさを抱えてしまいがちです。

旅行は日々抱える窮屈な思いを発散することができる貴重なチャンスであり、人生に潤いを取り戻させてくれるものでもあります。

そのためにもユニバーサルツーリズムのサービスを賢く利用していきたいものです。

 

愛知県名古屋市の介護施設、老人ホームでも利用者がより充実した人生を送れるよう積極的に行事に旅行を組み込んでいるところがあります。

制限を受けることなく楽しい旅に連れ出してくれる施設を選ぶことで、自宅以外での生活をより楽しいと思えるようになります。

 

施設選びを行う際は、ユニバーサルツーリズムについてどのような利用、取り組みを行っているかという視点からチェックしてみるのもおすすめです。

ユニバーサルツーリズムに関する内容については、利用者の生活の充実について積極的に考えてくれる施設かどうかを見極める一つの指針ともなるので、施設選びを行う際には積極的に話題を出してみましょう。

より楽しい時間を過ごせる施設選びのためのチェック項目として覚えておくと良いでしょう。