老人ホームや介護施設に入居することは、高齢者にとって安心とサポートがある生活を送るための一つの選択肢です。
しかし、入居後施設にこもりっぱなしの生活になるのではないかと不安になったり、一時的に自宅や家族のもとへ帰ることは可能なのかと疑問に思う人もいることでしょう。今回の記事では、気になる一時帰宅について紹介させていただきます。

老人ホームや介護施設の入居後に一時帰宅はできる？

老人ホームや介護施設の入居後に一時帰宅が可能かどうかについて、一時的な帰宅や外出が可能な施設設がほとんどです。家族が面会に来た時に一緒に外食したり、年末年始やお盆などの家族が集う長期休暇に自宅で過ごされる方も多くいます。
ただし外出や外泊などについては施設内でルールが決められています。また、一時帰宅が許可される条件や制限、手続きについては、施設ごとに異なります。入居前に契約書や施設の規則を確認し、一時帰宅に関するルールを理解することが重要です。定められたルールを守ることで、離れて暮らしていても家族や友人と楽しい時間を共有することができるのです。

一時帰宅するのに必要な条件は？

老人ホームや介護施設から一時帰宅や外出するには、様々な条件があります。まず、第一に、入居者の健康状態や介護の必要性が考慮されます。重度の介護を必要とする入居者や、健康状態が不安定な場合には、外出が許可されないことがあります。これは、施設側が入居者の安全を最優先に考えることによるものです。医師や看護師との相談を通じて、利用者の健康状態や移動のリスクを正確に評価する必要があります。外出先での必要な医療やケアの提供が可能であることも考慮されます。
外出時には、基本的に家族などの付き添いの方が必要となります。離れたところまで移動したい場合、付き添いの方が車移動でないのであれば、介護タクシーなどの手配も必要となってきます。当日連絡してもすぐにつかまらない場合があるので、前もって予約をしておきましょう。近くの散歩などの場合は、施設の職員が付き添って出かけることもあるようです。
また、移動手段が確保されているかどうかも重要です。足が不自由な場合は、車椅子や杖などの補助具がいるかもしれません。普段施設で貸し出しをされている方は、外出時にも貸し出しを許可してくれるか相談してみましょう。さらに環境が利用者のニーズに適しているかどうかも考慮されます。一時帰宅する自宅が古い家屋でバリアフリーでない場合、利用者を支えられるような方が付き添われることが望ましいです。外出先もなるべく段差のないところを選ぶと安心です。

一時帰宅する場合の注意点は？

老人ホームや介護施設から一時帰宅する際には、様々な注意点があります。まず、なるべく日頃の生活リズムの変化が少なくなるよう努めましょう。外出は気分転換にもなりますが、環境の変化やストレスが生じ心身共に負担になる場合もなります。施設内での生活パターンなどをあらかじめ職員に聞いておくとよいでしょう。
高齢者は外部環境でのリスクが増すため、自宅環境を安全に整えることも大切です。家の中の障害物を取り除き、転倒予防に努めます。段差などがあるところは把握し、注意して移動を行うようにしてください。
次に個々の身体状況に必要なものを確認しましょう。服薬している薬や、オムツなどの介護用品が必要な方の対応、食事の形態や食べさせ方など日頃施設内で行われている介護を、普段対応されていない家族がやることにはリスクも伴います。日頃の生活リズムを伺うタイミングで、外出先での対応について確認しておきましょう。薬は外出時に必ず受け取っておきましょう。
前もって施設に外出の届けを出すことも必要です。また、食事の提供が不要になる場合、事前に申請しておきましょう。申請をしていない場合、食費が発生する場合があるので注意が必要です。施設によっては申請の期日も決められているところがあるため、わかり次第申請をすることをおすすめします。
緊急時に慌てないよう、医療機関も確認しておくと安心です。最後に施設のルールとして外出時間が定められていることがほとんどです。戻りの時間に間に合うよう余裕をもって行動をしましょう。

今回のまとめ

一時帰宅が可能かどうかは入居者の状況や施設の方針によって異なります。入居者や家族は、施設側とのコミュニケーションを通じて、一時帰宅に関する希望や疑問をしっかりと伝えることが大切です。老人ホームや介護施設からの一時帰宅には、利用者の健康状態や移動のリスクの評価、適切な医療やケアの提供、移動手段や帰宅先の環境の確保、家族のサポート、予測できない状況への対応が必要です。これらの条件が整った上で、利用者が安全かつ快適に一時帰宅することが可能となります。