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ケアまどニュース
住み慣れた地域での暮らしを支える「地域包括ケアシステム」とは
介護のことを調べていると「地域包括ケアシステム」という言葉を耳にするかもしれません。地域包括ケアシステムとは、高齢者が要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らし続けられるよう地域全体で支援を行う仕組みです。高齢化の状況や地域にある社会資源の状況などは地域によって異なります。そのため、各地域の実情に対応した取り組みをすることが重要です。団塊の世代と呼ばれる人たちが、75歳以上の後期高齢者となる2025年を目途に、この体制を整えるため各自治体での取り組みが進んでいます。今回はそんな地域包括ケアシステムについてご説明します。
地域包括ケアシステムとは
現在65歳以上の高齢者の人口は3,500万人を超えており、2042年には約3,900万人でピークを迎えると言われています。このような超高齢社会の中、地域包括ケアシステムとは高齢者が住み慣れた地域で「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」の5つの要素が一体的に提供される体制のことです。またおおむね30分以内にサービスが提供できるとされている日常生活圏域(具体的には中学校区)を単位として構築されるよう整備が目指されています。それぞれの要素についてみていきましょう。
「住まい」は、生活の基盤となる場所です。自宅はもちろんのこと、地域で運営されている介護施設や老人ホームなども当てはまります。暮らしの為にはこの住まいが確保されていることが大前提です。高齢者住宅の確保などの取り組みも含まれます。
「医療」は、かかりつけ医や地域の連携医療、急性期病院などがあります。暮らしている中で病気になってしまっても、診察や治療、入院などができる病院が整っていることが必要です。また、退院後の在宅への切り替えの連携なども重要です。
「介護」は、要介護認定を受けてからも様々な介護サービスを利用することで在宅での生活を維持したり、施設入所で自身のニーズに合った暮らしをすることを可能にすることです。
「予防」は、ここでは介護予防を指し地域包括ケアシステムの中でも本質といえるものでしょう。健康な状態を保ち続けられるようにすることは、在宅での暮らしを継続し続けるためには欠かせません。要支援の方への介護予防サービスの充実はもちろんのこと、趣味でからだを動かしたり、地域の交流サロンへの参加なども介護予防の取り組みも含まれるでしょう。
「生活支援」は、見守りや買い物、配食サービスなどの生活支援サービスなどを提供することです。高齢者の一人暮らしや高齢者夫婦のみ世帯が増加や、認知症の方の増加も踏まえ、様々な生活支援を行うことで暮らしをサポートします。民生委員や役所の職員、ボランティアなど地域住民が連携して見守りを行ったりします。
地域包括ケアシステムの特徴は専門職や地域住民、家族などが協働して包括的かつ効果的な支援を行うことです。予防や早期介入を重視し、健康増進や生活の質の向上にも取り組みます。これにより地域の住民が安心して自立した生活を送ることができる環境が整備されます。個々の機関や部門が孤立して活動するのではなく、連携し地域全体で支え合う仕組みを築くことで、より健康で活力ある地域社会の実現を目指しています。
地域包括ケアシステムの4つの「助」とは
地域包括ケアシステムでは前述の5つの要素に加え、以下の4つの「助」の概念が示されており、これらが連携し、生活課題の解決に向けた取り組みを進めることが必要とされています。
「自助」…自分で行う取り組みのことです。暮らしを継続させるためには、自分自身で健康に気を遣い、介護予防活動を積極的に行うことが重要にです。かかりつけ医で定期的な検診を受けたり、健康づくりのための運動や趣味や生きがいを見つけて暮らしを豊かにする努力が必要です。
「互助」…近隣住民の活動やボランティア活動など住民同士助け合い、課題解決を行う取り組みです。町内会や自治会の活動や、見守りなどがあります。
「共助」…医療保険や介護保険制度などの社会保険制度です。
「公助」…社会福祉などの行政による支援になります。高齢者福祉・障害者福祉事業等や生活保護、権利擁護、虐待対策など様々な支援があります。
介護保険サービスだけでは支えきれない分は「自助」を基礎として、「互助」でサポートしつつ、足りない分を「共助」で補います。これらで対応できない場合のセーフティネットに「公助」があり、貧困や虐待などの生命に危険を及ぼす恐れのあるような事例の場合に用いられます。
地域包括ケアシステムを導入するメリット
域包括ケアシステムの導入には多くのメリットがあります。ひとつに高齢者が必要な医療や介護サービスをより効率的に受けられるようにします。医療機関や介護施設、地域福祉サービスなどが連携し情報を共有することで、在宅医療や訪問介護・看護などの一体的なサービスを利用しながら、自宅で暮らすことも可能となっていきます。
さらに予防や早期発見にも貢献します。地域の体操教室や介護予防イベントの参加や、老人会や地域ボランティアのメンバーになったり、趣味の場などを通じて、社会参加や活動をすることで疾病や障害のリスクを低減し、生きがいを持ちつつ健康な生活を支援します。これにより医療費や介護費の削減など、経済的な利益も期待できます。見守りや生活支援サービスなどが提供されることで、高齢者や認知症の方でも安心して暮らせるようになりますし、在宅介護をする家族への負担を軽減することにつながります。
地域包括ケアシステムは、地域社会全体の健康や福祉にも寄与し、地域住民が健康で安心して生活できる環境を整備することで、地域の活性化や社会的結束の強化にもつながります。
今回のまとめ
地域包括ケアシステムはの構築は、高齢者が自分の希望に沿った形で生活を送れるよう支援し、慣れ親しんだ地域での暮らしを継続させることができるようになります。また、その支援の中で交流も深まり、地域活性化や家族支援などの側面も期待されます。この仕組みを理解し、そこで暮ら方々が互いに助け合い暮らしていける社会を目指していきたいですね。
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