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高齢者は特に注意!ヒートショックとは
ヒートショックという言葉はテレビ番組などでもよく取り上げられる言葉ですが、詳しい内容はご存知でしょうか。
温かい場所と寒い場所を移動した際、その温度差によって体に負担がかかり、意識喪失のほか、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすことがあります。
非常に危険な現象にもかかわらず、寒い冬の季節には身近に起こりがちなのがヒートショックです。特に、温度差によって血圧が上下しやすい高齢者にとっては気を付けたい問題です。
誰にでも起こりうる!ヒートショックとは…
ヒートショックにより亡くなる方は非常にたくさんいます。
2011年に東京都健康長寿医療センターが行った調査によれば約1万7000人にものぼり、なんと交通事故によって亡くなる方の人数を超えているという結果でした。
また、年齢別にみてみると、亡くなった方の80%が65歳以上の方で占められています。
しかし、これは逆に残りの20%は65歳以下の方であるということですから、ヒートショックは誰にでも起こりうる現象であるとも言えます。
また、年齢以外にも、糖尿病など自律神経に障害をきたすような持病のある方は特に注意が必要です。
さらに、入浴の際はもちろんですが、暖かい居間から寒い廊下やトイレに移動することでも同じように気を付けなければなりません。
とはいえ、浴室内は他の部屋よりも危険がたくさんあります。
のぼせも加わって意識を喪失しやすくなり、浴槽の水を吸い込んでしまえば溺れてしまうこともあり得ますし、滑りやすい浴室で転倒して頭を打ったり骨折したりという危険性も高くなります。
特に高齢者の入浴中の溺死事故は非常に多く、消費者庁が2015年に実施した調査によれば、入浴中の溺死事故は4,800人を超え、その92%が65歳以上という結果でした。
しかも、入浴中の死亡者数は10年前よりも1.7倍多くなっているといわれています。
入浴中は、前述したのぼせの他にも不整脈が起きやすいなど、さまざまな要因が重なって死に至るリスクが高まります。
暖かい居間から寒い脱衣所で着替え、さらに寒い浴室の洗い場から急に熱いお湯に浸かる。
こうした普段の生活の何気ない行動のなかに危険があることを認識する必要があるでしょう。
これらはすべて心臓に負担をかけ、血圧の急激な上下は血管にも負担がかかります。
すると、身体が変化についていけなくなってしまい、心筋梗塞や脳卒中、脳梗塞、不整脈を起こしてしまうのです。
月別に見ても、真冬の12月から2月がもっとも死亡者が多く、熱中症が問題となる暖かい時期の死者数をはるかに超えているという統計もあります。
今すぐできる予防法
ヒートショックは、高齢者のみならず全ての世代にとって危険なものです。
しかし、今すぐできる予防法もあります。
ヒートショックの原因となるのは、部屋ごとの大きな気温差なので、これを解消してあげれば危険性を下げることが可能です。
もっとも危険なのが入浴なので、まずはここから始めましょう。
暖かな居間、寒い脱衣所と浴室、浴槽の熱さという寒暖差をできるだけ少なくしてあげればよいのです。
入浴前には、あらかじめ浴室と脱衣室を温めるようにします。
脱衣所には、スイッチひとつですぐに温まる手軽なポータブル暖房機などを設置するのがおすすめです。
浴室内に専用の暖房機があれば一番良いのですが、後から設置するのは簡単にはいきません。
そのため、浴槽にお湯を張る際に蓋を少し開けておくことにより湯気で浴室全体を温めるというのも良いですし、直前に熱いシャワーを浴室の壁や床にかけておくのも有効です。
また、シャワーのお湯で浴槽に湯を張るというのも良いでしょう。
そして、湯温は41℃以下を目安にします。
また、ヒートショックは血圧が激しく上下することが要因なので、血圧が下がる食後すぐに入浴するのは控えましょう。
他にも、のぼせを予防するためには入浴前にコップ1杯の水を飲むことである程度予防できます。
浴槽の湯温に体を慣らすためにはかけ湯も欠かせませんし、首まで浸かると心臓の負担が増すので、半身浴など浸かる深さにも注意すると良いでしょう。
それから、高齢者が入浴する場合は気温が下がらない日中がお勧めです。
家族に一声かけてから、というのを習慣にし、家族は時々声を掛けたり様子を見るようにしたいものです。
さらに、入浴中は浴槽の蓋を1/3程度でも閉めておくことで、気を失った際にもたれかかって溺死に至らずに済んだというケースもあります。
他にも、飲酒は血圧を下げるので直後の入浴は十分に注意が必要です。
また、入浴後は温まった体が急に冷えてしまうので、このタイミングにも危険がはらんでいます。血圧が変わりやすい入浴後の数時間も体を急激に冷やさないように注意しましょう。
普段から血圧が高めという人は日ごろから家でも血圧測定を習慣にし、入浴前に測っておくのがおすすめです。
血圧が高い場合には入浴を控えることで、自ら未然に事故を防ぐことができます。
それでも心配な方は…ヒートショック対策商品
このように、ヒートショックには様々な予防法がありますが、それでも心配という方はヒートショック対策商品を用意しておくのがおすすめです。
例えば、タニタの温度を見守るコンディションセンサー(無線温湿度計)は、離れた場所からでも気になる部屋の温度を確認することができます。
浴室に子機を置いておけば、リビングやキッチンなどに設置した親機に浴室の温度が表示されるのですぐに対応できて安心です。
危険度はリングで示されており、リングがつながっていれば温度差が少なく、途切れていれば温度差ありという意味です。
また、湿度も表示されるのでインフルエンザ対策としても有効ですし、3段階で熱中症の危険レベルの表示もしてくれます。
高齢になると自分だけでは温度差に気付くことが難しくなってくるので、機械で表示してくれるのは非常に助かるはずです。
高齢者だけでなく、小さお子さんやペットのための対策として1つ用意しておくのも良いのではないでしょうか。
この他には、大阪ガスから入浴見守りができる省エネ給湯器「エコジョーズ」が発売されています。
浴室にはセンサーが付けられ、温度や水位がわかるだけではなく、人感センサーも付いているので高齢者が長時間入浴していた場合もすぐに気づくことができます。
給湯器はインターネットで接続されているので、家族のスマートフォンに案内が届く仕組みです。
ヒートショックが起きやすいかどうかも知らせてくれるので、離れていても安心です。
また、機種によっては水位センサーも設置されているので、水位の変化から体の体積や体脂肪率までも計算してスマートフォンでチェックできるようになっています。
より濃密な健康管理をしたいという方にはおすすめです。
命の危険もあるヒートショックは自宅という身近な場所で起こりえるものですが、対策できることはたくさんあります。
今すぐできることから始めてみてはいかがでしょうか。
また、自宅だけではなく、高齢者にとって終の棲家ともなりえる介護施設においても同じことが言えるでしょう。
老人ホームなど介護施設はたくさんありますが、入所を希望する場合には、ヒートショックの視点からも浴室や脱衣所のチェックすると良いかもしれません。
数カ所見学に行けば、その点も比較もできて老人ホーム選びに役立つはずです。
また、できれば体験入所しておくと生活の流れや様子がより体感できるのでよりおすすめです。
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