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2018/11/19
コラム

介護施設選び、始める前に知っておきたいこと

名古屋市を始め愛知県内にはたくさんの介護施設があります。

特別養護老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設など施設の形態はさまざまですが、一方でこうした施設に入りたいのに入れない入居待機者や入居対象にならない人も増えています。

 

そうした方の受け皿として増えているのが、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった民間の高齢者施設です。

有料老人ホームの数はここ10年で約3倍になっていますが、それだけニーズが高いということが窺われます。

 

反面、それらの民間施設にも入居できない高齢者もまだまだたくさんおり、そこに目を付けた「無届ホーム」が存在していることは、現在の社会問題の一つです。

そこで、高齢者施設への入居を希望する人が間違いのない施設選びをするための参考として、無届ホームの実態を見ていきましょう。

 

知っていますか?「無届ホーム」

知っていますか?「無届ホーム」「無認可ホーム」

無届ホームとは、本来“有料老人ホーム”に該当する施設が、行政に提出すべき届出を出していない施設のことです。

老人福祉法の規定では、高齢者に対し食事や介護、掃除や洗濯などの家事サービス、健康管理のいずれかのサービスを提供する施設はすべて有料老人ホームに含まれます。

 

つまり届け出の有無に関わらず、老人福祉法の定義に当てはまるサービスを提供する施設は法律上全て有料老人ホームとみなされるということです。

有料老人ホームの規定を満たす施設にとって、届け出は義務ということになります。

 

無届ホームとは、その義務を履行していない施設と解釈してください。

有料老人ホームには建築基準法や消防法などによる規定もありますが、「建築基準法の規定を満たしていないから」といって届け出を行わなくてよい理由にはなりません。

 

なぜ無届ホームが届け出を出さないのか。

それは、届け出を出したがために介護職員の不足防火設備等の不備を行政から指摘されたくないということです。

実際、多くの無届ホームはこうした介護体制や防災の取り組みに問題を抱えています。

無届けだと行政としても施設自体の存在や、その運営状況が把握できないため、入居者が著しい不利益を被っていたとしても立ち入り指導などができないわけです。

そこが無届ホームの大きな問題なのですね。

 

無届ホームの実態と問題点

防災設備イメージ

無届ホームの抱える問題について具体的にみていきましょう。

 

無届ホームが届け出できない理由として大きいのが、スプリンクラーなどの防災設備を設置できない、又は、建築基準法の規定を満たすことが困難な場合です。

こうした設備を設置するには数百万円単位の費用がかかることも少なくないですが、小規模施設ではそれだけの費用を捻出することができません。

 

2006年に法律が改正されて、延べ面積275㎡以上の施設は須らくスプリンクラーを設置する義務を負うことになりました。

しかし、それ以前から運営している有料老人ホームもたくさんあり、急に設置しろと言われても資金的に不可能であることも多いわけです。

また、人員配置についても増員できるほど余裕がなかったり、求人を出しても人が集まらない施設もあります。

 

厚生労働省の発表によると、無届ホームは2017年6月末で全国に1046軒あるとのことです。

2016年は1207軒だったので、徐々に減少傾向にあるかもしれませんが、それでもまだ全国に1000軒以上の無届ホームがあるわけですから、すべての実態を把握することはとてもできません。

 

なかには可能な限りのサービスを提供していながら資金面でやむにやまれず届け出ができない施設など、必ずしも劣悪な環境にある施設ばかりではありませんが、行政の目をすり抜けて身寄りのない高齢者を食い物にしているような施設があるのも事実です。

 

実はとある調査によると、こうした無届ホームの入居者のおよそ7割が、病院やケアマネジャーからの紹介で入居を決めたという報告があります。

病院を退院したはよいが身寄りがなく、家族の支援を受けられない人など、他に選択肢がないために無届ホームに行き着いたというのが大方のパターンです。

 

とはいえ、先ほどもお伝えしたように、消防法や建築基準法を満たさないからといって届け出を行わなくてよい理由にはなりません。

無届ホームが義務を怠っているのは事実です。

 

無届ホームがなぜ無くならないのか

入居待機者イメージ

 

2018年1月に、生活困窮者の自立支援を掲げていた札幌市の共同住宅で火災が起こり、11人が死亡したという事故がありました。

この施設は無届けの有料老人ホームでしたが、スプリンクラーなどの消防設備がなかったために、ここまで多くの犠牲者を出す事故になったと言われています。

 

こうした無届ホームの入居者の多くは、身寄りのない高齢者や生活保護受給者など、基準を満たす施設では受け入れてもらえない人たちだったそうです。

 

民間の有料老人ホームでは、ひと月の費用が10万円を切る施設は非常に数が少ないです。しかし、先の札幌の施設では、家賃と1日3食の食費を合わせても月額5万6千円でした。

低所得の高齢者にとって、この差は歴然としています。

加えて、なかには認可有料老人ホームに入れない入居待機者が、一時的な避難場所として無届ホームに入居するケースもあります。

 

入居希望者のニーズに対応する施設の数が圧倒的に不足しているのも無届ホームが減らない大きな理由の一つです。

本人の事情ばかりではなく、行政の対応についても急がれる課題ではないでしょうか。

 

 

見極め方

無届ホームの見極め方

 

届け出のある施設かそうでないかの見極めは、その施設がある市区町村役場やホームページなどでできます。

 

有料老人ホームでは「届け出」、サービス付き高齢者向け住宅では「登録」となっていますので、入居を決める前に確認してみましょう。

サービス付き高齢者向け住宅については、「サービス付き高齢者向け住宅情報提供サービス」にも登録の有無が掲載されているので、そちらも参考にしてください。

 

ただし、注意が必要なのはあくまで「届出」というものは、一定の基準に該当するかどうかを判断した上で実施 する「認可」や「指定」とは異なるものです。

有料老人ホーム設置運営についての指針では、“入居サービス及び介護等サービスの実態が認められるものについて事業者から届出があった場合に、都道府県等において受理を拒否することの裁量の余地はない”とされているため、基準に満たない施設であっても届け出は可能となります。

 

しかしながら、「届出ること」で「行政の目が届く」という利用者側にとっての安心が得られることは大きな違いでしょう。

 

以上、無届ホームの問題について見てきましたが、利用者が届け出のある施設なのか無届ホームなのか見極めにくいのも確かです。

保育園にも認可・認可外・認定・認証など混乱しやすい名前がありますが、高齢者施設も非常に複雑になっています。

 

急に施設への入居が必要になっても、その複雑な区分や届け出の制度まで調べている余裕がないという人も多いはずです。

もっともらしい説明を受けると「大丈夫そうだな」と思ってしまうのもおかしくありません。

 

高齢者施設はさまざまなサービスが絡み合っており、設備の基準などもたくさんあるので、複雑化するのも仕方のない面はあります。

無届ホームも一定数存在することを理解して、できる限り自分の目でみて聞いて、「ここでなら安心して生活ができる」と思えるような施設を探しましょう。