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老人ホームや介護施設で床ずれ(褥瘡)ができる原因と対策とは?
老人ホームや介護施設の入居者が自分で体を思うように動かせなくなると、床ずれ(褥瘡)のリスクが高まります。老人ホームや介護施設で床ずれ(褥瘡)ができる直接的な原因にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、床ずれ(褥瘡)予防のための対策と、予防に役立つ介護・福祉用品について解説します。
老人ホームや介護施設で床ずれ(褥瘡)ができる原因は同じ姿勢
床ずれ(褥瘡)とは、皮膚が赤くなる、ただれるなどの状態ことです。床ずれ(褥瘡)が生じる原因の一つに、長時間にわたり同じ姿勢で過ごしていることが挙げられます。そのため、老人ホームや介護施設などでは、ベッドや車いすで長時間過ごす入居者に生じやすいトラブルです。
好発部位は、お尻の上にある仙骨部、骨盤の脇にある大転子部、くるぶしや踵など、骨が出っ張っている部位が挙げられます。また、補装具や車いすなどが体に長時間当たっていたり、窮屈な衣類で締め付けたりしている場合も床ずれ(褥瘡)になるケースが多いです。
床ずれ(褥瘡)が進行すると皮膚の赤みから内出血や水ぶくれのような症状になり、傷になってしまいます。放置すると床ずれ(褥瘡)はどんどん進み、皮膚の下の組織にまで広がって創感染のリスクが高まるため、早期に適切な対応をすることが必要です。
エアマットレスやクッション圧力分散を行う
床ずれ(褥瘡)を予防するためには、皮膚への圧力を分散させることが有効で、介護施設では様々な介護・福祉用品が用いられます。具体的な圧力分散に役立つ介護・福祉用品として、エアマットレスやクッションが挙げられます。「エアマットレス」は空気で膨らませる構造になっており、定期的にマットレスの空気圧を調整することで圧力がかかる部位を調節することが可能です。自力で寝返りを打てない人でもエアマットレスを使うと床ずれ(褥瘡)になりにくく、夜間帯などに頻繁な体位交換で睡眠を邪魔してしまうこともありません。
また、体重が集中してしまう部位以外にクッションを挟み込むことも、床ずれ(褥瘡)予防のポイントです。圧力がかかりにくい膝裏や腕、足首などをクッションで支えると、お尻や踵、肩などの圧が分散されます。車いすの場合には、座面に柔らかいウレタンマットを敷いたり、姿勢が崩れないように両脇にクッションを入れたりするのも有効です。ただし、車いすはベッド上よりもさらに体重が集中しやすいため、食事の際や排泄の際には意識して座り直してください。
圧力分散で皮膚摩擦やズレを防ぐ
圧力が特定の部位に集中してしまうことに加えて、皮膚と衣類・寝具の摩擦も床ずれ(褥瘡)の原因になりやすい要素です。老人ホームや介護施設では寝たきりの方へ食事の介助を行う際に、食事中および食後30分程度ベッドをギャッジアップしますが、時間の経過と共に徐々に体がずり落ちてしまいます。ずり落ちる際に皮膚が擦れる、あるいは介護スタッフが位置を直そうとして引っ張り上げた際に摩擦が生じてしまわない配慮が必要です。
また、ベッド上でおむつ交換や清拭、着替え、移乗の介助をする場合にも、摩擦が皮膚摩擦やズレを引き起こすことがあります。このような衣類やシーツのしわも、床ずれ(褥瘡)の原因となり得るでしょう。滑りやすく加工された床ずれ予防用のグローブやシートなどを利用すると、皮膚摩擦やずれを軽減できます。
今回のまとめ
ベッドや車いすで長時間過ごす入居者に生じやすいトラブル「床ずれ(褥瘡)」は、圧力が集中しやすい部位に生じます。老人ホームや介護施設での床ずれ予防には、エアマットレスやクッションを利用した圧力分散が効果的です。ギャッジアップしたベッドからのずり落ちや、介助の際に皮膚と衣類や寝具が擦れることも褥瘡の原因になるため注意してください。
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