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2023/10/12
コラム

老人ホーム入居の際に必要な身元引受人とは?保証人との違いについて

老人ホーム入居の際に必要な身元引受人とは?保証人との違いについて

老人ホームや介護施設へ入居する方の状態によっては、入居時・入居後の手続き意思決定を自分で行えない場合があります。そのため、入居する際に身元引受人や保証人を立てるよう求める施設が少なくありません。ここでは、介護施設における身元引受人の役割や、保証人との違いなどについて解説します。

老人ホームや介護施設における身元引受人は意思決定や手続きの代理を行う

老人ホームや介護施設における身元引受人の役割は、入居者の健康や生活に関する重要な決定を行うことです。具体的には、医療処置の同意金銭管理日常生活の調整契約や手続きなどが挙げられます。特に認知機能が低下して意思決定が難しい入居者の介護や治療の方針を決定する場合や、入居者が亡くなった場合などの対応は、身元引受人と施設で相談することが必要です。

身元引受人は、入居者の福祉と安全を確保し、必要なケアを提供するための情報を提供する重要な連絡窓口でもあるため、家族や親族などの近親者がなることが一般的です。ただし、そうした親族が居ない人の場合には、施設によって親しい友人・知人が担えるケースも見られます。

保証人は老人ホームや介護施設への支払い債務を保証する

老人ホームや介護施設における保証人の主な役割は、入居者の財政的責任を担保し、必要な支援を提供することです。例えば、入居者が月額利用料金や公共料金などを滞納したときは、保証人が債務を支払う責任を負います。施設内のトラブルで入居者あるいは施設に対する賠償が生じた際も、保証人は定められた範囲内の損害賠償責任を果たさねばなりません。また、入居者が退去・逝去した場合に、入居費用の精算手続きをするのも保証人の役割の一つです。

身元引受人が入居者に代わる意思決定各種手続きの代行を主な役割としているのに対し、保証人は入居者の金銭的な保証が主な役割です。入居者の信頼性と安全性を確保するためにも、保証人は慎重に選ぶ必要があります。

意思決定の代理である身元引受人と保証人は兼任できないこともある

入居する老人ホームや介護施設によって、一人で身元引受人・保証人を兼任できるか、身元引受人と保証人にそれぞれ別の人を立てる必要があるかは異なります。

両者を別に立てる必要がある施設では、入居者の権利を代理で守る身元引受人と、施設に支払う費用に関連する経済的責任を負う保証人を分けて、それぞれの役割を明確にしているのです。そのため、両者を兼任できない施設では、「身元引受人」には親族など血縁関係にある人、「保証人」には一定以上の資産や収入を証明できる人を求めるケースが見られます。

なお、身元引受人や保証人をどうしても選定できない場合は、NPO団体身元保証会社などを利用する方法もあります。

今回のまとめ

老人ホームや介護施設に入居する際に、入居者に変わって重要な意思決定を行う「身元引受人」や、入居者に変わって支払いなどの債務責任を負う「保証人」が必要とされることがあります。多くの施設では身元引受人か保証人のどちらかを立て、その人が両者の役割を担うことを認めていますが、施設によっては両者を兼任できず、身元引受人と保証人を1名ずつ立てるよう求められる場合もあるので注意が必要です。入居前に身元引受人や保証人の要否を確認しておきましょう。