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ケアまどニュース
世界の介護事情
早いもので、第4回目の掲載です ฅ^._.^ฅ。
介護保険制度の仕組みや介護サービスについて、「分かりやすく」かつ「できるだけコンパクトに」ご紹介しようというこのブログ連載ですが、なかなか難しいですねฅ^._.^ฅ。。
複雑なことについては、また追い追い、少しずつ丁寧に紹介していきたいと思います。
さて、今回は少し視点を変えて、他の国の介護事情をのぞいてみましょう。
日本とは文化や思想の違う諸外国では、介護をとりまく環境はどのようになっているのでしょうか。
日本と比較しながらご紹介します。
日本の介護事情
日本は高度経済成長を経て、医療が発達し、世界有数の長寿国として知られようになりました。
と同時に、それは高齢化の問題を抱える国になったということでもありました。
そして、高齢化問題に付随して発生するのが介護の問題です。
現在、日本の高齢者介護は介護保険制度が主軸とされ、誰でも手厚いケアを受けられるような施策がとられています。
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの民間施設も増え、サービスの質やコスト面で差別化が図られ、多種多様な介護サービスが行なれるようになっています。
また、長期的な入居を前提とした施設だけでなく、日帰りで利用できるものや、在宅でのケアが受けられる訪問介護など、介護サービスの選択肢も増えています。
ただ、需要が高まる一方、少子高齢化による介護者の人手不足の問題も浮上してきました。
お年寄りのケアは怪我をしないように注意を払ったり、ベッドに寝かせたりするなど重労働になることがあります。
賃金が見合っていないという不満などから離職率も高く供給が追いついていない現状があります。
今後はさらなる高齢化によって、需要と供給のバランスを整えることが困難になるという見通しもされています。
介護保険制度もこのままでは維持が不安視され、政府も将来的な施策を講じています。
高齢化のスピードは地域によっても異なるため、地域包括ケアシステムを打ち出し、市区町村との協力で地域毎に対策を行うような施策がされています。
介護施設の充実も重要な要素ではありますが、同時に介護の必要のない健康的な生活を送れるような仕組みづくりも急務となっています。
このように、高齢化や介護の問題が山積みのように語られる日本の介護事情ですが、実は世界的にみると非常に進んでいると言うことができます。
介護の問題は日本に限った話ではなく、世界的にも高齢化の流れになっており、日本は先駆的なモデルとして注目されています。
アジアの介護事情
アジアでも介護問題は取り上げられています。
ただ、日本とは異なる視点から、改善を図っているケースもあります。
例えば、アジアの中でも経済的発展が進んでいる台湾やシンガポールでは、外国人労働者の多さが目立っています。
台湾では労働力不足の問題解決のために、外国人労働者の受け入れが行われており、介護の分野でも外国籍の方によるサービスが目立ちます。
公的なサービスを受けるよりも費用を抑えられるメリットがあり、直接的に雇用している人が多いのも日本にはない特徴です。
シンガポールももともと外国人のメイドを雇う文化があり、一般的な家庭でも珍しくありません。
介護のための労働力としても注目を集めており、政府も税金面の優遇処置や、メイドの介護技術を取得する講座に補助金が出るなど、国をあげて対策を行っています。
日本では言語の壁などの問題で外国人介護者との円滑なコミュニケーションは容易ではありませんが、シンガポールは4つの言語が公用語として定められており、多くのシンガポール人は英語を話すことが可能です。
シンガポールは、外国人労働者を受け入れやすい体制が整っている独特の事情があるということです。
人口世界一を誇る中国でも、高度経済成長に伴い、日本と同様またはそれ以上の高齢化が進むと言われています。
介護の問題も取り上げられていますが、対策は遅れています。
これは、中国の思想の中に、「歳を重ねた親は子どもが看るのが当たり前だ」という考えが根強いことが大きな要因です。
また、親の世話を拒否したり支援を怠ることがあれば法により裁かれるようにもなっています。
日本でも子どもに経済的余裕がある場合に親の面倒を最低限みることは民法によって義務とされていますが、中国では親族への訪問を頻繁に行うことなど細かく決められています。
一人っ子政策がとられていた中国においては負担が大きく、将来に向けて試行錯誤を重ねている段階です。
欧米諸国の介護事情
スウェーデンは、欧米諸国のなかでも取り分け福祉制度が手厚い国として知られています。
消費税は25%と非常に高額ですが、大学の学費の免除や医療費は18歳まで無料などの施策がとられています。
介護面でも先進国と言われており、在宅ケアを中心として自立のための支援をサポートするものとなっています。
周囲の人たちの手を借りるよりも、本人たちが不自由のないように生活できようにするのが目的です。
また、介護スタッフの待遇も良く、有給休暇だけでなく長期休暇をとるような仕組みが整えられていて、介護サービスの質の向上にも繋がっています。
イギリスやドイツの介護スタイルにおいても、できる限り自立をサポートする方針となっています。
老人ホームなどの施設よりも在宅ケアが中心となっているのはヨーロッパ諸国の特徴だと言えるでしょう。
一方アメリカは、世界を代表する先進国でありながら、介護問題への対策は遅れている状態です。
アメリカの高齢者の多くは、施設ではなく自宅で暮らす傾向があり、多くは家族が介護をしています。
これは、介護施設に入居するための補助金などがなく、行政からの支援が期待できないことが理由です。
また、アメリカでは医療や介護に関わる費用が高額になるケースも多いことも、専門のサービスを受けられない要因となっています。
広大なアメリカでは、日帰りで施設に通うことが難しいケースも多く、気軽に利用することもできません。
ヨーロッパ諸国が自宅ケアを推進しているのとは異なり、アメリカでは自宅でケアを行わざるを得ないというのが実情です。
一般的な介護施設は民間による経営が多く、スタッフは優遇されており、サービスも充実したものとなっています。
ただ、施設を利用できるのは高額な費用を支払える富裕層などに限られており、これから政府が取り組むべき課題になっています。
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