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2023/04/30
コラム

老人ホームや介護施設の方必見の高齢者が健康で冬を乗り切るポイント

老人ホームや介護施設の方必見の高齢者が健康で冬を乗り切るポイント

急激な気温の変化が起こりやすい「」は、乾燥による皮膚疾患感染症転倒事故など、高齢者にまつわるトラブルが起きやすい時期でもあります。ご家族や入居者の健康を守るために、起こりうるトラブルとその対策を知っておきましょう。ここでは、老人ホームや介護施設の利用を検討されている方へ、高齢者が「冬」を健康に乗り切るポイントをご紹介します。

蔑ろにしてはいけない高齢者の肌の乾燥と乾燥肌に対するケアの重要性

高齢者の肌は加齢の影響で皮脂分泌が少ないため、以前のような防御力がありません。特に空気が乾燥する冬は、以下のような皮膚疾患に発展する可能性も高まります。

老人性乾皮症(かんぴしょう)

加齢により皮膚が乾燥した状態を指し、浅いひび割れやフケに似た白い皮膚片が発生します。

皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)

見た目に変化がないにも関わらず、強い痒みが発生します。
これらの皮膚疾患は全て、強い痒みを伴います。皮膚を掻いて炎症が起きれば、さらに重度の皮膚疾患細菌感染にも繋がりかねません。
こうした乾燥による肌トラブルは、以下のような対策で予防できます。

・部屋の湿度を保つ
・タンパク質を摂取する
・熱すぎるお湯での入浴を避ける
・強くこすり洗いをしない
・入浴後に保湿剤を塗る

適切な対策で、乾燥肌やそれによる皮膚疾患を防ぎましょう。

老人ホームや介護施設では特に注意が必要な感染症と感染症対策のポイント

寒く乾燥しやすい冬には、以下のような感染症が流行しやすくなります。

季節性インフルエンザ

急な高熱や咳、頭痛、関節痛、倦怠感、鼻水、喉の痛みなどを生じさせる、呼吸器感染症の一種です。毎年1,000万人以上が感染しており、12月頃から増え始め、1〜2月頃にピークを迎えます。

感染性胃腸炎

吐き気や下痢、発熱、腹痛などを生じさせる、細菌やウイルスが原因の感染症です。中でも代表的なノロウイルスは感染力が強く、また有効なワクチンがありません。ノロウイルスは通年見られますが、特に11〜2月頃にピークを迎えます。いずれも高齢者は重症化しやすいため、十分に注意しなければなりません。老人ホームや介護施設では、集団感染への警戒も求められます。
これらの感染症は、以下のような対策で予防が可能です。

・湿度を50〜60%に保つ
・マスクを着用する
・手洗いや手指消毒、うがいを行う
・口内を清潔に保つ
・口呼吸を避けて、鼻呼吸を心がける

口呼吸に陥りがちな方には、口まわりの筋力を鍛える体操などもおすすめです。

冬場に特に多い転等事故を未然に防ぐ転等事故の予防方法とは?

冬は衣服により動きが制限されるうえ、筋肉も思うように動きません。他の季節に比べ転倒事故が起こりやすいため、適切な対策を講じておく必要があります。
転倒事故は、以下のような対策で予防できます。

・スロープなどを設置して段差をなくす
・感覚が鈍くなる厚手の靴下を避ける
・床から新聞紙やチラシ、買い物袋、電気コードなどを取り除く
・マットは使わない
・滑りやすい所には滑り止めをつける
・動き出しを意識的にゆっくりと行う
・自転車の乗り降りに注意する
・ウォーキングなどで筋力を保つ
・ストレッチなどで足首の柔軟性を保つ
・めまいやふらつき、脱力感などの副作用がある薬に注意する

特に高齢者の転倒事故は、骨折後の寝たきりリスクがあります。適切な対策を講じ、老人ホームや介護施設全体で予防に努めましょう。

今回のまとめ

冬は気温が下がる上に乾燥しやすく、季節性インフルエンザや感染性胃腸炎、皮膚疾患、転倒事故などの恐れが高まります。高齢者の場合は特に、そうした小さな異変がさらなる疾患や介護に繋がりかねません。老人ホームや介護施設に関わる方は、食事や入浴、室内環境、生活様式などに適切な対策を取り入れ、高齢者の健康を守りましょう。