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2023/03/15
コラム

老人ホームや介護施設での衛生面のヒヤリハットの原因と未然に防ぐ方法

老人ホームや介護施設での衛生面のヒヤリハットの原因と未然に防ぐ方法

老人ホームや介護施設では、ちょっとした不注意が原因となってさまざまな事故やトラブルが起こります。一歩間違うと、入居者の命に関わる問題にも発展しかねません。施設内における事故やトラブルを未然に防ぐためにも、スタッフはあらゆる面に気を配り、慎重に行動することが求められます。
ここでは、老人ホームや介護施設での衛生面でのヒヤリハットの事例をご紹介し、事故・トラブル防止のための対策について解説します。

老人ホームや介護施設でよくある衛生面のヒヤリハットとは

老人ホームや介護施設での衛生面のヒヤリハットは、「入浴」「爪切り」に関するものが少なくありません。

入浴

高齢者の場合、施設での入浴の際に「体のバランスを崩して転倒しそうになる」「湯上りにふらついて転倒してしまう(ヒートショック)」といったことが起こりがちです。実際、風呂場で転倒して大けがを負った高齢者も少なくありません。そのため施設側は手すりなどの設備の充実、入浴時の適切な歩行や移乗の介助や、必要に応じた入浴用車いすの使用などの対策を徹底する必要があります。

爪切り

スタッフが入居者の爪切りを行う際、入居者が「痛み」を感じないよう注意が必要です。深爪になって皮膚を傷つけてしまうなど、爪切りは入居者の指を傷つけてしまう危険性があるということをしっかり認識したうえで、慎重に行うことが大切です。また、爪自体や周囲の皮膚に異常があったり、糖尿病などの傷に対して専門的な管理が必要な状況にある方の爪切りは医療従事者が対応する必要あるので注意が必要です。

入浴時の床の滑りやすさは滑り止めマットや手すりを設置して防ぐ

老人ホームや介護施設などにおける入居者の入浴では、事故が起きないよう細心の注意を払う必要があります。

転倒防止対策

脱衣所や浴室には、転倒防止のために手すりの設置が必須です。手すりがなければ、足腰の弱い高齢者は転倒のリスクが高まります。脱衣所や浴室の床の滑りやすさにも注意しなければなりません。床材によってはツルツルと滑りやすいことがあるため、滑り止めのマットを設置するなどの対策が重要です。

髭剃り

気持ちよく過ごしていただくために入居者の髭剃りを行うこともあります。介護士によるカミソリでの髭剃りの可否は、自治体によって判断が分かれているため注意が必要です。カミソリで行う場合、電動の髭剃りで行う場合のいずれも、入居者の肌を傷つけてしまうことがないよう丁寧に行うのはもちろん、認知症の方などで急に動き出してしまうことが想定される場合には特に注意を払いながら対応する必要があります。

 

爪切りの際は安定した所に座って切りやすい体勢でカットする

入居者に対する爪切りのポイントは以下の通りです。

手の爪を切る場合

手の爪を切る場合、入居者の正面から切るよりも、スタッフが自分の爪を切るのと同じ体勢(角度)でカットすると失敗が少なくなります。入居者と同じ方向、同じ角度で座り、自分の爪を切る感覚でカットします。
認知症を患っている入居者の場合、爪切りの最中に予想外の動きを取ることがあるため注意が必要です。入居者の腕をくるむようにして自分の体に固定し、なるべく動かないようにしてからカットします。

足の爪を切る場合

足の爪を切る場合は、入居者に椅子やベッドなど安定した所に座ってもらい、手の爪を切るのと同様に入居者と同じ方向、同じ角度でカットします。スタッフも低い椅子に座るなど、安定した姿勢を取ってカットされます。この際、入居者の体も安定するように、入居者の足を自身の膝の上に置いてからカットするのがポイントです。

今回のまとめ

老人ホームや介護施設では、ほんのちょっとしたことが大事故に繋がりかねません。入居者の多くは高齢者で、足腰や骨が弱っています。軽い転倒でも骨が折れたり、頭をぶつけて意識を失ったりと、さまざまなことが起こり得ます。老人ホームや介護施設では、このような事故を未然に防止するため、事故リスクに対する対策の徹底とスタッフへのマニュアル作りが行われています。