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2023/02/10
コラム

中心静脈栄養とは?中心静脈栄養の高齢者が老人ホームを探す際の注意点

中心静脈栄養とは?中心静脈栄養の高齢者が老人ホームを探す際の注意点

高齢者が口から食事が食べられなくなった時の医療処置といえば「胃ろう」「腸ろう」がよく知られています。他には、中心静脈栄養を選択することも可能です。
ここでは、中心静脈栄養の概要からメリットデメリット、中心静脈栄養を考慮した老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいの選び方をご紹介します。

中心静脈栄養はカテーテル先端を留置した際に感染症リスクを伴う

生命維持には食事が必要不可欠ですが、高齢者になり身体の機能の低下や、認知症が原因で口からの食事が難しくなった時は処置が必要となります。「中心静脈栄養(IVH)」とは、栄養補給を目的とした医療行為の1つです。

中心静脈栄養のメリット

「中心静脈栄養」は、「胃ろう」「腸ろう」「経鼻胃管」とは異なり、心臓近くの中心静脈に栄養輸液を投与します。消化器官が低下している人でも栄養が摂取可能で、苦痛も少ないです。

中心静脈栄養のデメリット

カテーテル先端を留置した際に、カテーテル挿入部が菌に侵される感染症にかかるリスクがあります。特に、自己抜去には注意が必要です。栄養輸液が高濃度のため、血糖値が変動しやすいのもデメリットと言えるでしょう。

医師・看護師が常駐する老人ホームや介護施設がおすすめ

「栄養輸液の交換」「カテーテルの接続・穿刺・交換」「ヘパリン製剤の注入」などは、老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいの介護職員や介護福祉士はできません。施設を選ぶときは、24時間の訪問看護ステーションとの連携が可能な施設や、医師や看護師が常駐している老人ホームや介護施設が望ましいです。

合併症のリスクがある

感染症を発症すると、「閉塞」「断裂」「高トリグリセリド血症」「血栓症」「空気塞栓症」などの合併症のリスクがあります。

定期的な医師の診断が必要

中心静脈栄養の栄養輸液は高濃度で高カロリーなため、「糖代謝異常(低血糖・高血糖)」になりやすいです。反対に、ビタミンやミネラルを溜め込みづらいため、「ビタミン欠乏症」「微量元素欠乏」になることもあります。中心静脈栄養を行う場合は、定期的な医師の診断を受け、体調に合わせた栄養輸液の調節が必要です。

カテーテル管理に熟練した老人ホームや介護施設を探すのがポイント

老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいで中心静脈栄養を行う場合は、施設選びがとても重要になります。特に注意したのが、次の2点です。

カテーテル管理を適切に行っているか

血流の確認やカテーテルの管理を怠ると、感染症と合併症を発症するリスクが高まります。CVポートの穿刺やCVカテーテルの交換には高度な技術が求められますから、医師や看護師が駐在しているだけでなく、カテーテルの管理に熟練しているかがポイントです。

感染リスクに配慮した入浴ができるか

中心静脈栄養をしていても、老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいで入浴は可能です。入浴時は、カテーテル先端に防水効果のある保護フィルムを貼ります。カテーテル先端から菌が侵入すると、感染症の原因になりますので、介護職員や介護福祉士は中心静脈栄養をしている入居者のケアに慣れていると安心です。

今回のまとめ

中心静脈栄養は消化器官が低下した高齢者も、必要栄養素を摂取でき苦痛が少ないのがメリットです。中心静脈栄養をしている高齢者も、老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいへの入居は可能ですが、中心静脈栄養をしている高齢者を受け入れる施設は限られています。中心静脈栄養は感染症と合併症のリスクがあるため、施設への入居をご希望の方は施設選びを慎重に行ってください。