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2023/02/01
コラム

ADLとは?老人ホームや介護施設で実施されているADL向上のためのリハビリ

ADLとは?老人ホームや介護施設で実施されているADL向上のためのリハビリ

病気障がいを負ってしまうと、日常で欠かせない基本的な生活動作や活動が自力でできなくなることがあります。老人ホームや介護施設では、このような日常生活で欠かせない活動を行うためのサポートや機能回復を図る取り組みを行うこともあり、その際の基準の一つとして「ADL」が重視されていることをご存じでしょうか。
ここでは、ADLについてと、ADL向上のためのリハビリについて解説します。

ADLとは日常生活動作のことで基本的・手段的の2種類の動作がある

ADLとは「Activities of daily living」の頭文字を取った略語で、日本語に訳すと「日常生活動作」です。ADLに該当する動作は「基本的」「手動的」のいずれかに分類されます。

基本的ADL

基本的ADLには、日常生活において当たり前に行っている活動が分類されます。具体的には入浴食事排泄着替え移動などがこの活動に該当し、老人ホームや介護施設では入居者がこれらの活動をどの程度自力で行えるのかを数値化して把握しているのです。

手動的ADL

手動的ADLは、基本的ADLよりも高次の活動と定義されています。こちらに該当するのは、買い物調理金銭管理公共交通機関を利用した移動などです。老人ホームや介護施設の入居者の中には、これらの高次な活動を自力で行うのが困難な人も少なくないことから、施設側では基本的ADLと同様にこれらの活動を自力で行う能力についても数値化して把握しています。

ADL評価法の中でも良く使われているのがFIM

ADLで重要なのは、該当する活動を行うための能力を数値化して把握しやすい状態にすることです。ADLの数値化において基準となるものの中に「FIM」という評価法があります。

FIMとは「Functional Independence Measure」の頭文字を取った略語です。日本語では「機能的自立度評価法」と訳されます。このFIMでは「運動」と「認知」の2つの項目に基づいた18の評価項目が設定されており、各々の能力の有無をもとに点数を加算していくことでADLの数値化ができる仕組みです。例えば、運動の項目の一つである「セルフケア」にはさらに細分化した項目として「食事」「整容」「清拭」などが設定されています。セルフケアの項目では、これらの細分化された個々の項目の能力を評価していくことで6~42点の得点が付加される仕組みです。FIMではこのような方法にもとづいて他の項目についても採点をしていくことで、日常生活において欠かせない活動に関する個人の能力を可視化できるという訳です。

老人ホームや介護施設ではADL向上のためのリハビリが受けられる

ADLでは個人の能力を把握することだけでなく、算出された数値をもとにして日常生活で欠かせない活動を行うための能力の回復を図ることも重要です。とりわけ、老人ホームや介護施設にはADLが低下した方が多く入居されていることから、施設側は日頃のケア機能の維持・回復のため、入居者ごとのADLを把握する必要があります。

また、老人ホームや介護施設ではADLを回復するための取り組みとして、入居者のリハビリをサポートしていることもあります。そして、このリハビリの進捗を把握する上でもADLは重要な基準となるのです。このことから老人ホームや介護施設でリハビリを受ける必要がある場合、施設側がADLに関して正しい情報を把握しておく必要があります。

今回のまとめ

老人ホームや介護施設を利用しなければならない人の中には、日常生活において欠かせない活動を自力で行うのが困難になってしまっている人も少なくありません。しかし、それらの活動を行うための能力は回復することも可能で、実際に老人ホームや介護施設の中にはその能力回復を目的としたリハビリを受けられる施設もあります。リハビリにおいてはFIMを含めたADLが重要な基準となることから、実際にリハビリを受ける方やそのご家族もADLについて理解を深めておくと良いでしょう。