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2023/01/11
コラム

老人ホームや介護施設へ住民票を移す際の手続きの流れと注意点

老人ホームや介護施設へ住民票を移す際の手続きの流れと注意点

引っ越しすると住所が変わるため、住民票の異動手続きが必要です。老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいに入居した場合はどうかというと、必ずしも必要ではありません。ここでは、住民票の異動手続きの仕方事前に把握しておくべき点などについて、詳しく解説します。

老人ホームや介護施設へ住民票を移す際の手続きの流れ

住民票の異動手続きは司法書士に依頼することも可能ですが、自分で行うことが多いでしょう。手続きの流れは次の通りです。

施設が同じ市区町村内にある場合

旧住所の役所で「転居届」を提出するだけです。

手続きの期限

引っ越し当日から14日以内に手続きしなければなりません。

必要書類

●本人確認書類
※市区町村によっては「印鑑」が必要。

施設が異なる市区町村にある場合

旧住所の役所で「転出届」を提出し「転出証明書」を受け取り、新住所の役所で「転入届」と「転出証明書」を提出します。

転出届の手続きの期限

自治体によって異なりますが、受付開始は入居予定日の1カ月から2週間前期限は引っ越し当日です。

転出届の必要書類

●本人確認書類
●印鑑

転入届の手続きの期限

引っ越し当日から14日以内です。

転入届の必要書類

●本人確認書類
●印鑑

●転出証明書

要介護認定や要支援認定を受けている方は、新たに介護認定審査が必要にならないように、旧住所の役所で「受給資格証明書」を取得し、新住所の役所に「転入届」と一緒に提出してください。

老人ホームや介護施設へ住民票を移す際に把握しておくべき注意点

老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいに入居して住民票の異動手続きをする前に、把握しておきたい点は次の3つです。

保険料の金額

介護保険料国民健康保険料の金額は一律ではなく、住んでいる地域によって違いがある。老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいに入居することにより、保険料が安くなることもありますが、高くなる可能性もありますのでご注意ください。

「住所地特例制度」の概要

住所地特例制度」は、財政上の不均衡を是正することを目的として施行されたもので、住民票を移しても旧住所の被保険者のままでいられます。つまり、住民票を移しても保険料に変動がありません。

公共サービスの充実度

公共サービスは、基本的にその地域に住んでいる人を対象としています。新住所の公共サービスが充実していない場合は、住民票を移さずに、引き続き旧住所の公共サービスを利用したほうが良い場合もあります。

老人ホームや介護施設におけるマイナンバーカードの取り扱いにも注意

マイナンバーの「通知カード」はマイナンバーを知らせるカードで、住民票に記載されている住所に郵送されるものです。老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいに住民票の異動手続きを行っている場合には、施設へ郵送されます。「通知カード」は紙のカードですが、紛失した場合には警察への届け出が必要になるほどの重要書類であり、取り扱い方には注意が必要です。

マイナンバーカードは本人または代理人が受け取りにくいため、老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいに郵送されることはありません。しかし、施設での手続きでマイナンバーが必要になる場合には、写しやデータとして施設がナンバーを控えている場合があります。取り扱いについては施設も最新の注意を払っており、誰でも見られるということがないよう、鍵付きの保管庫やパスワードが必要なファイルで保存するのが一般的ですが、心配な場合は事前に施設に保管方法について確認しましょう。

今回のまとめ

住民票の手続きは、旧住所の役所と新住所の役所での手続きが必要なため手間がかかりますが、住民票を移しておけば、郵便物を届ける必要がなくなり、移転先によっては保険料を安くできるメリットもあります。老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいへの入居をご検討中の方は、マイナンバーの取り扱い方も含め、入居前に住民票の異動手続きについても家族で話し合っておくのが賢明です。