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ケアまどニュース
医療と介護の役割
先回のブログ第1弾は、いかがでしたでしょうか?書くことがたくさんあって、少々駆け足になってしまいました。
今回のテーマは「医療と介護」。
この2つの違いは、知っている方からすれば明らかなのでしょうけど、例えば初めて介護施設を利用しようとする方にとっては混乱してしまうところです。
クリニックなどの窓口では、医療保険証や各種医療証の他に、介護保険証や限度額認定証を提示する方もいるようです。
高齢期になると多くの場合、医療と介護の両方が必要になってきます。今回は双方の役割と連携について書きたいと思います。
医療と介護 何が医療? どこからが介護?
医療はあくまで病気やけがを治療することを目的とします。
一方で介護は社会生活を送る上での必要なフォローを受けるものです。
したがって治療までなのかまたは社会生活を送るためのフォローを受けるものなのかの違いがあります。
無論、治療を継続して受けないといけない場合もあります。
このとき介護サービスと重なるものもあり、このことが制度を複雑に見せているわけです。
その代表例が訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導といった訪問系治療系のサービスです。
また通所系の同様のサービスでも同じことが言えます。
病院等では治療の必要がなくなればそこでサービスは終了です。
治療をする必要がなければ病院などに通わなくなるのと同じで、治療行為を受ける必要がないわけですから利用をする必要性そのものがなくなります。
一方で介護系のサービスでもそのサービスが不要になれば利用しなくなりますが、特に高齢者の場合には社会状況の変化や年齢を重ねるごとに徐々に不自由さを増していきます。
その結果、サービス提供を受け続けざるを得なくなる傾向が出るのが一般的です。
治療行為との一番の違いは、病気やけがをしっかりと治すことあるいは治らない場合でもその負担を減らすことを目的とします。
治すことを目的とせずに生活面での不自由さや負担の軽減を主たるものとします。
この部分が一番の違いです。
特に生活面での負担軽減は介護の主たるサービスで対応が出来る場合が多いです。
治療行為は医師や看護師などのように治療の専門家以外の提供は出来ません。
命に関わるようなこともあり得ますので、その治療を行うことを認められたものでしか出来ないわけです。高度な知識や経験さらには専門性を有する人でなければ出来ないように、法律で厳しく定められています。
違反者には刑事罰による厳しい処罰が明記されているものです。
なお医療と介護が共通で対応できる部分もあります。
ただしこの場合でも、サービス提供者は医療関係の専門資格を有する場合や法律などで許可されたものだけに限られているものです。
介護の役割や仕事内容から見る違い・共通点
けがや病気の治療は医療機関が行うものです。
しかしながら治療が終了した場合にはそこで医療機関の対応は終了しますので、その後の社会生活が問題になってきます。
このとき若い人であればまだ社会復帰が出来ますし、疾病やけがが治りさえすればまた社会で働いて賃金を得て生活を送る行為も可能になります。
しかしながら高齢者や特定の疾病患者の場合には、医療行為が終了したからといって社会復帰が出来るとは限りません。
むしろ医療行為がなくなってしまうことで、その後の生活に支障が出る場合も多いわけです。
誰かからのフォローがなければ社会生活を送ることもままならない場合も多々あります。
こうしたときに介護従事者によるサービス提供が欠かせないわけです。
介護はあくまで社会生活や日常生活を送る上でその困っている部分をフォローすることを目的とします。
医療行為との明確な違いはこの部分にあるわけです。
病気の治療を行うことで社会復帰を目指すことではなく、社会生活を送る上で不便さを感じることを少なくすることが最大の目的です。
したがって医療とはこの部分が明確に異なります。
なお社会生活を送るために必要な行為を行いますが、あくまで生活をフォローするためのものです。
社会生活を送るための実際のサポートを行いますから、金銭面でのフォローなどはありません。
こうした部分はたとえば行政が担ったりあるいは年金制度が担ったりするなど、他の制度の活用により対応することとなります。
実際の生活面での困る部分をサポートするのが主な行為となります。
日常生活において困っていることがあってもう少しサポートをしてもらいたい、あるいは非常に困ったことがあるけれども誰かに手助けしてもらいたいなどのように、少しの手助けをうけるものなどが多いです。
または病状などが進んで社会生活がままならないようなときに、その社会生活や日常生活のフォローを全面的に行うこともあります。
介護施設でのサービス提供では、こうした社会生活全般の手助けを行うこともあり得るものです。
医療と介護が連帯するメリット
介護保険制度では主治医による病状の把握から治療の経緯などを踏まえて、どの程度の介護度なのかをはっきりさせる必要があります。
提供する側にも限度がありますからその限度を超えてのサービス提供は出来ません。
それでも必要な部分は自己負担でまかなうようになります。
主治医の病状把握や治療行為さらに日常生活面での不自由さなどを把握することで、介護の利用を考えて行きます。
つまり医療行為から介護まで一連の流れになっているわけです。
高齢者でも元気な人はいますから、元気な人向けの介護サービスはそもそもありません。
むしろその健康で元気な日常生活を送るための行動をすればよいだけです。
いわゆる介護予防や行政が行う日常生活サポート事業などが挙げられます。
医療と介護サービスでは重なる分野もありますが、このときには原則として介護保険が優先します。
ただし例外もあり疾病の種類などによっては、医療行為として受けられるものもあります。
医療から介護までの流れが途絶えないように特に介護計画を作成するケアマネジャーなどは、最善の対応を行わなければならないです。
医療機関では医療だけを行い後は知らないとなると、要介護者が困ってしまいます。
医療機関と介護サービス事業者さらには行政が連携をしっかりととることで、利用者が日常生活に困ることがなくなったりあるいは少なくなったりするものです。
そのことは要介護者などのクオリティオブライフの向上に繋がります。
人間らしく生きていくために他者の手を借りていくことで、よりよい生活の向上が期待出来るわけです。このために医療と介護が協力しあうメリットが出てきます。
また医療にも介護にも莫大な税金がかかっています。
いわゆる社会保障費の一部ですが、特に医療において病気などは早期発見早期治療によって患者の負担も減りますし税金投入も少なくなるものです。
また医療から介護へと引き継ぐことで結果的に患者の負担も減っていくことになります。
すなわち社会生活を送り続けるために医療から介護への連帯は、途切れることなく行われる必要があるものです。
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