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2022/11/28
コラム

入居者や介護者が知っておきたい老人ホームで入浴介助を受ける際の準備や手順

入居者や介護者が知っておきたい老人ホームで入浴介助を受ける際の準備や手順

入浴の目的は清潔を保つ他に、自尊心や社会性を保つために欠かせない日常生活行動そのものになります。しかし、あらゆる理由から自宅での入浴が難しい場合には、デイサービスデイケアで入浴したり、老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいに入居し、安全に入浴介助を受けることも方法の1つです。では、実際に老人ホームでの入浴介助ではどのような準備が必要なのでしょうか。
ここでは、老人ホームや介護施設などで行われる入浴介助の準備や方法について解説します。

老人ホームや介護施設の入浴介助では柔らかいスポンジや滑りにくい靴の準備が必須

まず初めに老人ホームでの入浴介助を受ける際に必要な準備から確認していきましょう。高齢者の入浴介助で気を付けなくてはいけない点が2つあります。
1つ目は血圧や脈拍の変化やそれに伴うめまいなどの症状、2つ目は筋力や視力低下による転倒の危険性です。これらを防ぐためにも以下のように十分な準備が必要になります。

滑りにくい靴

浴室の床は滑りやすいため、高齢者や介助者の転倒リスクが高くなります。安全に高齢者の移動を介助するために、滑り止めがついた靴を履いて介助することが大切です。

柔らかいスポンジ

高齢者の皮膚は薄く、傷つきやすくなっています。体を洗う時には皮膚への刺激が少ない素材のスポンジを用意してください。

着替えやタオル

入浴後の体温の低下を防ぐために、あらかじめ準備しておきます。素早く服を着用できるように必要な下着やタオルなどを入浴前に準備し、入浴後はふらつきが起きた時に備えて、脱衣所に椅子を準備しておくと良いでしょう。

入浴介助の手順で大事なのは体を洗う順番

次に、体を洗う順番について解説していきます。ポイントは高齢者の体への負担を最小限にするために、心臓から遠い末梢部位から洗っていくことです。

①足や手の末端からお湯をかけます。
②湯温に慣れたら、髪の毛を洗います。
③上半身を洗います。
④下半身を洗います。

入浴介助が必要な人でも、その人の自尊心や自立心を尊重して、自分で洗える部位は自分で洗うように促します。特に陰部や胸部など、要介護者が羞恥心を感じやすい部位については配慮してください。また、上記の順番は一般的な介助方法であり、実際に体を洗う順番はその人によって異なるため、本人の希望を確認しながら介助することが大切です。さらに、足や臀部などの泡が残っていると、転倒の危険性皮膚トラブルにつながります。最後に泡が十分に落ちているか確認しましょう。

老人ホームや介護施設では足元から少しずつお湯をかけていくのがポイント

最後にお湯をかける順番についてもう少し具体的に説明していきましょう。上記でもお伝えしたように、お湯は心臓から遠い手足の末梢からかけていきます。理由は、湯温を要介護者に確認するためと、急な温度変化による心臓への負担を避けるためです。
お湯の温度の好みは人それぞれですが、一般的に42度未満に設定します。それ以上だと血管が収縮して血圧や脈拍が上昇することがあります。急な血圧の変化は心臓に負担をかけるのみではなく、めまいや立ち眩みを起こし、転倒につながる危険性があるのです。
そのため、温度設定にも十分注意しなければなりません。末端部分にお湯をかけて、要介護者に確認して湯温になれてから徐々に中枢部分にお湯をかけていきます。要介護者の中には、病気や年齢による変化で手足の感覚が低下している可能性もあるのです。お湯をかける時には必ず声かけを行い、火傷や急な温度変化による身体への負担を避けてください。

今回のまとめ

老人ホームや介護施設などでの入浴介助における準備は、トラブル防止のためにも大切です。日常生活を送る上で介護を必要とする高齢者も、安全して入浴ができるように事前の準備や環境調整が求められます。また、入浴というプライベートな空間での介助では、高齢者の自尊心や羞恥心にも十分に配慮しなくてはいけません。高齢者の希望や個別性を尊重し、安全で心地の良い入浴介助を心がけましょう。