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2020/07/27
コラム

正しい「熱中症対策」を習慣付けよう

毎年夏になると、愛知県名古屋市でも熱中症で病院に運ばれる人の数が増加します。

中でも高齢者は、日常生活の中で熱中症にかかりやすいだけでなく、命にもかかわる危険性があるため、普段の生活の中で十分に注意しなければいけません。

今回は、熱中症になる条件やかからないための注意点などを、「愛知県名古屋市」にクローズアップしてご紹介します。

Youtubeでも解説しています

 目次  
①侮ってはいけない熱中症
②注意が必要な条件や目安は? 
③愛知県の要注意期間は年間5か月にも?!

 

1. 侮ってはいけない熱中症

侮ってはいけない熱中症

『熱中症』によって緊急搬送された人の数は、全国で「年間2万人」近くにも上り、3週間以上の入院が必要になった人や、死亡する人も少なくありません。

全国の都道府県を見ると、実は熱中症による救急搬送数は愛知県が最多で、年間で400人近くいます。

また、年齢別でみると、高齢者が全体の半数を占めています。

高齢者は、熱中症に対してはハイリスクなのです。

 

熱中症は、どの年齢でもかかるリスクがありますが、「年齢」によって何をしている時に熱中症になりやすいかという傾向が異なります。

高齢者の場合には、日常生活の中で熱中症にかかる傾向にあるので注意が必要です。

「散歩」や、「庭仕事」の際はもちろんですが、老人ホームや介護施設を含めて、屋内で起こることもあるので、侮ってはいけません。

・トイレが近くなるのが嫌で水分補給を控える
・「クーラーが苦手」「電気代がもったいない」といって冷房を使わない
・寝ている時に熱中症にかかる
・お風呂上り
・夏バテや加齢で食欲がなくなり、食事量と合わせて水分摂取量が減る

このように、屋内であっても熱中症を引き起こすリスクがあるので、高齢者の場合には注意が必要です。

目安としては、朝起きた時、朝食の時、お昼前後、おやつの時間、お風呂の前後、夜寝る前など、定期的にコップ1杯の水分を摂取すると良いでしょう。

 

普段から水分摂取をしていると思っていても、実際には体にとって有効な水分摂取ではないというケースもあります。

飲料水にはいろいろな種類がありますが、健康や熱中症予防のために効果的なものは、経口補水液です。

お茶やコーヒーなど「カフェインを含む飲み物」については、常習的に飲んでいる人にはカフェインに対する耐性があるとの見解もありますが、一般的には利尿作用があるとの理由から推奨はされていないようです。

また、「アルコール」については、水分摂取にはカウントできません。

アルコールにも利尿作用があり、体に必要な水分すらも体外に排出してしまうため、アルコールで水分補給しようとするのは大変危険です。

風呂上りにビールを飲むと美味しい!という人はたくさんいますが、ビールを飲む際には、お風呂流した汗の分だけ十分な水で水分補給することをおすすめします。

 

また、最近では常識になってきましたが、熱中症の予防には「塩分」も重要になります。

摂取のし過ぎは「高血圧」などのリスクがある他、スポーツ飲料の過剰摂取による乳幼児の死亡例もあるため注意が必要です。

しかし、体重に見合った正しい摂取量を守って摂取することが熱中症対策には水分補給とあわせて非常に重要です。

 

2. 注意が必要な条件や目安は?

注意が必要な条件や目安

私達が生活する環境には、室内や屋外も含めて、熱中症になりやすい場所もあれば、そうでない場所もあります。

熱中症リスクについては、「気温」と「湿度」が大きく関係しています。

同じ湿度でも、気温が高ければリスクが上がり、気温が同じでも湿度が高いとリスクが上がります。

そうした熱中症へのかかりやすさを数字で表記したものが、「暑さ指数」と呼ばれるものです。

 

 暑さ指数 (WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)
熱中症予防のためにアメリカで作られた指標。
「気温」と「湿度」、日射や輻射などの周辺による「熱環境」という3つの要素によって決められる

 

【熱中症のリスクが高まる条件】

気温28度を超えると、すべての行動に対してリスクが高まります。

気温31度以上になると、高齢者は何もしていなくてもハイリスクな状態になります。

そのため、できるだけ涼しい室内で生活することが望ましいでしょう。

気温25度程度の場合でも、湿度が75%以上になるとリスクが高まるので注意が必要です。

 

【注意その① 運動時】

運動によって体温が上がるので、気温の高さや湿度との相乗作用により、熱中症リスクはさらに高くなります。
高齢者の場合、ウォーキングなどの「軽い運動」であっても、積極的に水分補給や塩分を補給したり、こまめに休憩を取るなどの配慮が必要となります。

 

【注意その② 暑い屋内】

室内でも熱や湿気がこもりやすい洗面所やお風呂場、乾燥機のそばなどは、湿度が高い分リスクが上がります。
窓やドアを開けて熱がこもらないように工夫するとよいでしょう。

 

【注意その③ 入浴・寝起き】

入浴時や就寝時には、多くの汗をかきます。
お風呂上りや寝起きには、自覚は無かったとしても意識的に水分摂取をしましょう。

 

熱中症リスクの高い高齢者は特に、喉が渇いてから何かを飲むのではなく、こまめに少しずつ水分補給を行うのが重要です。

少しずつ摂取するという方法には、尿意が近くなることも防する止メリットもあります。

頻尿を心配して水分を控えてしまっているという方は、一度に飲む量を減らし、その分、頻度を多くすると良いでしょう。

 

3. 愛知県の要注意期間は年間5か月にも?!

愛知県の要注意期間は年間5か月

南北に長い日本列島は、地域によって気候が大きく異なります。

北海道と沖縄とでは、四季を通じての気温も違えば湿度も違いますし、熱中症のリスクも異なります。

都道府県別にみると、愛知県は比較的温暖な気候が特徴で、夏は気温と湿度が共に高くなりやすい傾向にあります。

一般的に、気温が28℃を超える場合、または湿度が75%を超える場合、リスクが上がるとされています。

名古屋市の場合はどうでしょうか。

 

【名古屋市の気温】

愛知県名古屋市の2019年の気温のデータをみてみましょう。

気温35℃以上の猛暑日」:年間通算20日
気温35℃以上の猛暑日」:年間通算52日
気温25℃以上の「  夏日  」:年間通算78日

つまり、年間150日は熱中症のリスクが高まり始める、またはリスクが高い気温まで到達するということです。

 

【名古屋市の湿度】

今度は、愛知県名古屋市の2019年の湿度についてみてみましょう。

28℃以上の最高気温が観測された月は5月~9月で、その間湿度が75%を超えて観測された日数を月別にみてみます。

5月:2日間
6月:9日間
7月:22日間
8月:9日間
9月:7日間
実際には、気温と湿度の条件を同時に満たしている日はもう少し少ないかもしれません。

しかし、とは言ってもこうした気象データをみると、愛知県は熱中症のリスクが高い期間が長いことがわかるでしょう。

単純に気温だけでみてみても、熱中症に注意が必要な気温近くまで上がる日数は、年間5カ月程度もあります。

これは1年の半分ですから、他の都道府県と比較してもリスクは高めと言えるでしょう。

 

名古屋市を含めた愛知県内では、毎年初夏になると「熱中症強化期間」として、特に対策に力を入れています。

県の公式ページでは、毎日その日の「熱中症指数」が公開されていて、ほぼ安全なレベルから、とても危険というレベルまで5段階で表示されています。

県内でも、内部と沿岸部とでは若干リスクが異なりますが、高齢者の人は特に、暑い季節には毎日の日課として、熱中症リスクを考えながら行動することが必要です。

 

おわりに

愛知県は、1年のうち5か月間もの間、熱中症リスクが高い高都道府県です。

熱中症は気温や湿度と大きな関係があり、高齢者は自宅や介護施設にいてもかかるリスクがあるのです。

こまめに水分補給をしたり、暑ければエアコンをつけるなどして、それぞれが対策を取ることが大切です。