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2025/07/05
コラム

車椅子での外出時のバリアと支援。2025大阪万博のバリアフリー対応は?

車椅子での外出時のバリアと支援。2025大阪万博のバリアフリー対応は?

車いすでも気軽に外出できる自由は、暮らしの豊かさに直結します。しかし現実には、段差や狭い通路、情報不足といった多くの「見えないバリア」が、その自由を妨げています。ここでは、車いすを利用される方が直面しやすいバリアと、外出に役立つ工夫やサービス。話題の大阪万博のバリアフリーの状況をご紹介します。

車椅子ユーザーが直面する外出の壁

電車に乗って出かけたり、買い物を楽しんだり、友人と食事をしたりと、多くの人にとって当たり前の日常行動も、車椅子を使う多くの人にとっては事前の準備や確認が必要なイベントです。

たとえば、駅やトイレは十分なバリアフリー設備が整っているか。スロープやエレベーターが設置されているか。段差や狭い通路がないかどうかなど、事前に確認する項目は多岐にわたります。加えて、道中で介助が必要になる可能性もあるため、ひとりで外出するには不安を抱くこともあるでしょう。

また、外出先に到着したら「想定外のバリア」が多く、思うように行動できなかったというケースも少なくありません。ホームページ上では「バリアフリー対応」と表記されていても、実際には段差があったり、車椅子では通りにくい通路幅だったりすることもあるのです。

こうした環境の「見えにくいバリア」は、本人の移動意欲をそぐだけでなく、社会参加の機会自体を奪う原因にもなっています。

安心して外出するための工夫とサービス

●自治体の取り組み

近年では車椅子ユーザーの外出を支援するサービスや取り組みも増えつつあります。東京都の「だれでも東京」では、車椅子利用者や高齢者などのバリアを感じやすい方にとって役立つ情報が多数掲載されています。

●便利なアプリ

また、全国のユーザーが情報を投稿し合うアプリもあります。地図上でバリアフリーなルートやトイレ、段差の情報を確認でき、GPSを使って現在地から安全に行ける道を探すことも可能です。家にいながら、または外出先で必要に応じて情報収集ができるうえ、利用者目線の情報が多いのも魅力のひとつです。

●公共交通機関の取り組み

公共交通機関については、駅員による乗車サポートの予約制度や、低床バスの導入など、物理的なバリアの解消に向けた取り組みが広がっています。ただし、サービスの利用には早めの申し出や事前連絡が必要なこともあるため、情報収集と準備はやはり欠かせません。

利用者自身の工夫としては、使いやすいルートを記録しておく、自分で使いやすい移動手段を見つけておく、もしものための連絡先を手元に用意するなど、小さな準備の積み重ねが安心感につながります。

2025年大阪・関西万博は車椅子でも楽しめる?

2025年に開催される大阪・関西万博は、車椅子を利用する方を含むすべての来場者が安心して楽しめる「ユニバーサルな会場づくり」を目指しています。運営事務局によれば、すべてのパビリオンは車椅子での移動が可能な設計となっており、バリアフリー基準の徹底が進められています。

例えば、万博のシンボル「大屋根リング」には、車いすが同時に複数台乗れる広さエレベーターが設置されており、リングの上へアクセスが可能です。

また、会場内には有料バスが運行されており、一般的なノンステップバスと同様、職員のサポート車いすの固定など、車いす使用者でも利用できるようになっています。

会場内のトイレは原則車いす対応トイレが併設されており、左右どちらの移乗方向にも配慮した車いすトイレが設置された場所もあります。

このような国際的なイベントをきっかけに、より多くの人に「移動の自由」が社会にとって不可欠なテーマであることが伝わるでしょう。車椅子利用者が安心して出かけられる街づくりは、子ども連れ高齢者一時的に歩行が困難な人など、多くの人にとっても優しい社会づくりと直結します。す。

まとめ

車椅子での外出は、本人の工夫と社会の支援が合わさって初めて実現します。情報共有とユニバーサルな設計が進む今、誰もが自由に移動できる社会の実現は遠い未来ではありません。一歩ずつ進む変化を、私たち自身が支える存在でありたいものです。