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2025/03/03
コラム

MMSEとは?評価方法や注意点について解説

MMSEとは?評価方法や注意点について解説

認知症が疑われたとき、医師が初期評価として用いる検査の一つに「MMSE」があります。簡単な質問や計算問題を通じて認知機能を評価し、そのスコアによって認知症の可能性を判定することが可能です。本記事では、MMSEの概要や評価方法、カットオフ値、改訂版長谷川式簡易知能評価スケールとの違い、注意点について解説します。

MMSEとは

MMSE(Mini-Mental State Examination)は、認知症の疑いがある方の認知機能を客観的に評価する簡易テストで、世界中で最も用いられている知能検査です。全11問の質問を通して、見当識・記憶力・計算力・言語能力・図形的能力などを評価し、得点によって認知機能の状態を判断します。

日本では、MMSE-J(日本版MMSE)も用いられ、質問内容が日本の文化や言語に配慮されています。医療機関で広く実施されており、認知症のスクリーニング(ふるい分け)として活用されている点が特徴です。
ただしあくまでもスクリーニング検査なので、MMSEの結果だけ認知症の診断はできません。

MMSEの評価方法と採点基準

MMSEでは、次の11項目を通して、30点満点で評価されます。

<MMSEの評価方法と採点基準>
1.時間に関する見当識(1点×5個):年・月・日・曜日・季節を答える
2.場所に関する見当識(1点×5個):今いる場所などを答える
3.聴覚言語記銘(1点×3個):3つの単語を記憶する
4.注意と計算(5点):暗算による引き算または単語を逆から言う
5.再生(1点×3個):先ほど覚えた3つの単語を思い出す
6.呼称(1点×2個):物の名前を答える
7.復唱(1点):短文を正しく繰り返す
8.理解(1点×3段階):一度に出された複数の指示を理解し遂行する
9.読字(1点):指示文を読んで行動する
10.書字(1点):文章を書く
11.描画(1点):指定された図形を描く

MMSEのカットオフ値

カットオフ値と呼ばれる、認知症の疑いを判断するラインや点数の基準は、以下のとおりです。

<MMSEのカットオフ値>
・28~30点:異常なし
・24~27点:軽度認知障害(MCI)の疑いあり
・23点以下:どちらかというと認知症の疑いあり

ただし先に述べたようにあくまでもスクリーニング検査なので、MMSEの点数が低い場合でも、必ず認知症であるというわけではありません。認知症の診断はMRIやCTによる脳検査や、本人・家族への聞き取り、鑑別診断などを行った上での総合的な判断が必要です。

改訂版長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)との違い

MMSEとよく比較されるのが、改訂版長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)です。MMSEが世界的に使用されるのに対し、HDS-Rは日本の高齢者向けに開発された検査です。

HDS-Rは、全て口頭での回答方法になっており、見当識や記憶力、計算力、言語力を中心に評価しますが、記憶力に重点が置かれているのが特徴です。また動作性検査がないため、運動機能に制約のある方でも検査がしやすいです。

一方、MMSEは、見当識や記憶力、計算力、言語能力、視空間認知能力など幅広く評価します。特定の運動機能(例えばペンを持つ能力)が求められるため、身体的な制約のある方には不向きな場合もあります。

MMSEの注意点

MMSEは認知機能を評価する簡易テストですが、注意点もあります。

・確定診断ではない
MMSEの結果のみで、認知症とは診断できません。医師の診察やほかの検査と併せて判断します。

・点数に影響を与える要因がある
疲労やストレス、うつ症状があると、点数が低く出る場合があります。

・回答者の心理的ケアが大切
点数が低かった場合、本人がショックを受けることもあります。介護者として、安心感を与える言葉がけを心がけましょう。

まとめ

MMSEは、認知症の疑いがある場合に行われる認知機能検査の一つです。30点満点のスコアで認知機能を評価し、23点以下の場合はさらなる検査が推奨されます。ただし、MMSEだけで確定診断はできないため、必要に応じて医師の診察を受けましょう。

認知症の進行が見られる場合は、在宅介護だけでなく、施設の利用も視野に入れることが重要です。介護負担を減らすためにも、早めの対策を考えましょう。

認知症の進行を遅らせ、高齢者の生活の質を維持するためにも、定期的な運動は欠かせません。名古屋市有松のような江戸時代からの町並みが残る風情ある街を歩くことも、五感を刺激し、認知症予防につながります。しかし、年齢とともに認知症が進行し、在宅介護が難しくなる場合もあります。そんなときは「介護の窓口【ケアまど】老人ホーム紹介センター 有松相談所」へご相談ください。介護の専門家が、それぞれのニーズに合った施設をご提案します。”介護の窓口【 ケアまど 】 老人ホーム紹介センター 有松相談所”