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2024/10/19
コラム

高齢者への経済的虐待とは?定義や発生する原因、対処法を解説

高齢者への経済的虐待とは?定義や発生する原因、対処法を解説

高齢者への経済的虐待は、家族や介護者によって高齢者の財産が不正に利用されたり、搾取されたりする深刻な問題です。本記事では、経済的虐待の定義や発生する原因、対処法について解説します。

高齢者への経済的虐待とは?

経済的虐待は高齢者虐待の一種で、経済的な損失だけでなく、高齢者の精神的な負担にもつながります。

経済的虐待の定義

高齢者虐待防止法では以下のように定義されています。

① 養護者又は高齢者の親族が当該高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること(高齢者虐待防止法第2条4項第2号)

② 養介護施設の業務に従事する者が、当該養介護施設に入所し、その他当該養介護施設を利用する高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること(高齢者虐待防止法第2条5項第1号ホ)

経済的虐待の事例

経済的虐待の事例として、家族が高齢者の年金を自分の生活費に使ったり、本人の資産を売却したりしてしまうケースがあります。そのほかにも、高齢者が認知症で判断能力が低下していることを利用して、銀行口座の管理を引き継ぎ、不正に使用する事例もあります。
また家族だけでなく、養介護施設の業務に従事する者や居宅支援サービスの従事者が、サービス利用者の金銭を自分のために使ったり、財産を不当に処分する、というようなことも経済的虐待に当たります。

経済的虐待の発生状況

厚生労働省のデータによれば、経済的虐待は主に親族など家庭内で発生しやすく、特に認知症の進行が影響しています。2020年度の高齢者虐待の相談・通報件数は35,774件で、そのうち経済的虐待が2,588件(14.6%)を占め、前年より増加しました。

高齢者への経済的虐待が起きる原因

経済的虐待が起きる原因は、家族自身の経済的困窮です。
経済的に苦しい家族が、高齢者の年金や財産を生活費に充ててしまうケースがよく見られます。
さらに、認知症などで判断能力が低下した高齢者が、家族や介護者の意図に気付かないうちに財産を搾取されることもあります。これらのケースでは、虐待が進行して長期間にわたり発覚しないことも少なくありません。
介護従事者による経済的虐待の原因も同様に、介護従事者自身の経済的困窮が挙げられます。つい利用者の金銭に手を出してしまった、というケースや施設内で預かっている金銭の管理体制がずさん、という場合もあります。

経済的虐待が起きた場合の対処法

経済的虐待が発生した場合、まず信頼できる弁護士に相談することで、法律的な手続きに移行できます。また、経済的虐待が疑われる場合、行政機関に通報することも有効な手段です。

成年後見制度や、払い戻しには家庭裁判所が発行する指示書が必要となる後見制度支援信託(銀行の仕組み)を利用することにより、高齢者の財産管理を信頼できる第三者に任せ、適切な管理を行えます。

経済的虐待を防止するには?

家族からの経済的虐待は家庭内で起こるため、防止することは難しく発覚にどうしても時間がかかります。異変を感じた場合はすぐ専門機関に相談し、異変を周囲に伝えて下さい

介護現場でも虐待に対する研修を定期的に実施し、スタッフ全員が経済的虐待の兆候に気付けるようにすることと、経済的虐待に及んだ結果、自身や事業所がどのような責任を負うのかを知識として知っておくことが重要です。また、定期的な財産状況の確認や、第三者の目を通じた管理体制を整えることで、虐待のリスクを減らせます。

まとめ

高齢者への経済的虐待は、本人の生活や精神面に深刻な影響を与える行為です。家族や介護者が経済的困窮やストレスを抱えることが原因となることが多いため、周囲からの早期発見と適切な対応が求められます。

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