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2023/11/30
コラム

認知症高齢者のひとり歩き(徘徊)の原因や起こりやすいトラブルとは?

認知症高齢者のひとり歩き(徘徊)の原因や起こりやすいトラブルとは?

認知症における周辺症状の一つに「ひとり歩き(徘徊)」が挙げられます。認知症の方がひとり歩きで屋外へ出てしまい、トラブルに遭うケースも少なくありません。そのため、老人ホームや介護施設でも様々な対策を講じています。なぜ認知症患者はひとり歩きをしてしまうのでしょうか。ここでは、ひとり歩きの原因起こりやすいトラブルについてご紹介します。

認知症高齢者のひとり歩き(徘徊)の原因は認知機能の低下や短期記憶の障害

認知症で『ひとり歩き』が起こる大きな原因として、認知症の中核症状である記憶障害見当識障害が挙げられます。短期記憶は、数分から数時間前といった比較的短時間の記憶です。見当識とは、現在の日付や時刻、自分がいる場所や周囲の人など、自身の状況を把握する能力を指します。短期記憶障害と見当識障害が生じると、時間や場所などの感覚が曖昧になり、自分の状況を十分に把握できません。

認知症の方がひとりで移動を始める理由は、トイレ食事といった身体的な欲求の他、「家に帰る」「仕事に行く」知人に会う」など、本人なりに目的のある欲求が挙げられます。また、混乱や不安などが高まると、その場から立ち去ろうとして歩き出してしまうこともあるのです。

老人ホームや介護施設から出て行方不明になる

老人ホームや介護施設に入居している認知症の方が、ひとり歩きで施設の外へ出て行こうとすることも少なくありません。例えば、施設に入居していることを認識できないために、「家に帰って夕食を作る」などの理由でひとり歩きするケースが見られます。また、施設不安や不満、混乱などが高まり、より居心地の良い場所を求めてひとり歩きすることもあるのです。特に、老人ホームや介護施設の入居当日、居室の変更後、体調不良時、他の入居者との諍い後などにひとり歩きが始まる可能性があります。

また、見当識障害があるため認知症の方は生活リズムが乱れやすいため、夕方になると落ち着かなくなる、あるいは昼夜逆転することもあるのです。スタッフが交代する夕方前後や手薄な夜勤帯にひとり歩きを始めてしまうと、行方不明になるリスクがより高まります。

老人ホームや介護施設の外で怪我をしたり事故に巻き込まれてしまう

短期記憶や見当識が低下した認知症の方は、状況を把握して正しい判断を下すのが難しくなるため、交通事故に遭うリスクが高まります。例えば、道路への飛び出しや自動車専用道路への侵入などのケースが少なくありません。自転車自家用車などを利用する認知症の方は、交通事故で加害者になるリスクもあるのです。

他にも、歩いているうちに転倒転落してケガをする、あるいは熱中症低体温などの体調不良を起こすといったトラブルも懸念されます。事故やケガ、体調不良などが生じても、助けを呼ぶという判断ができない方も多く、人通りの少ない道などで座り込んでしまって発見が遅れるケースも少なくありません。

今回のまとめ

認知症の周辺症状であるひとり歩きは、見当識や短期記憶の障害といった認知機能の低下によって起こりやすくなります。状況判断力が低下している状態で移動を始めてしまい、自宅や入居していた老人ホームや介護施設へ戻れなくなって迷い続けてしまうケースも少なくありません。交通事故や転倒などによるケガ、熱中症や低体温症といった体調不良を招くリスクも高まるので注意が必要です。