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定義や違いを解説!「難病」・「指定難病」・「特定疾病」
何らかの持病を持つ人が、「医療」や「介護」に関する助成やサービスを受けようと思った時、よく目にする言葉に「難病」・「指定難病」・「特定疾病」があります。どんな違いがあり、それぞれどんな助成サービスを受けられるのでしょうか?
利用できる制度について知っておくと、医療費などの支払い金額が減額になる可能性もあります。つらい病気と付き合う上で、利用できる公的制度は利用し、自分や家族にかかる経済的、また精神的負担をできるだけ減らしましょう。
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【介護と医療】「難病」「指定難病」「特定疾病」それぞれの定義・違いは?
1.「難病」と「指定難病」
「難病」とは?
原因不明かつ治療法が未確立で、少なからず後遺症が残る可能性がある病気のことです。難病は慢性のため、長期にわたる治療が必要で、経済的負担、介助する家族や本人の肉体的・精神的負担が大きい疾病です。
現時点で、世界中に4千から5千とも、1万近い難病があるとも言われており、決して他人ごとではないのです。
「指定難病」とは?
先に述べた難病のうち、国が指定した疾病のことです。日本において、2021年8月時点では333の疾病が、厚生労働省により指定難病とされています。日本全国では、95万人の方が指定難病を患っています。
実際には、診断がまだついていない方もいるので、そのような方たちも含めると、もっと多い数字になると思われます。指定難病は、1つ1つの疾病に罹患している人数は少ないですが、指定難病の患者さん全体では、かなりの数の方が苦しんでいることが分かります。
【指定難病の情報サイト】
指定難病の内容は、厚生労働省や難病情報センターのオフィシャルサイトで見られます。難病情報センターのサイトには、難病のリストに加えて、症状、今のところどんな治療法があるのか、それぞれの疾病の患者友の会などの一覧が掲載されています。
指定難病は継続的に選定されているので、今後も増えていくことが予想されます。
【医療費の助成制度】
指定難病の患者さんと家族の負担を軽減するために、認定基準を満たす場合、治療にかかる医療費の一部が助成されます(特定医療費助成制度)。特定医療費助成制度を活用すると、医療費が2割負担になります。
さらに、一般所得Ⅰに該当する市町村民税課税7.1万未満の人は、1ヶ月の自己負担額が、入院・外来にかかわらず、上限1万円になります。また、高額かつ長期にわたる治療が必要な人の場合は、上限5,000円になります。
所得に応じて上限額は変動しますが、いずれにしても指定難病の患者さんは医療機関にかかる頻度が多く、難病治療に使われる薬剤は高価なことが多いため、このような制度によって継続して受診や治療が行えるようになっているわけです。
【助成制度の申請手続き】
医療費助成制度への申請は、お住まいの自治体のホームページなどで確認できます。申請する際には、都道府県または指定都市の役所窓口で、臨床調査個人票を入手します。
難病指定医を受診し、臨床調査個人票に記入してもらいます。各自治体で必要とされている書類を揃えて役所に提出し、認定されると、指定難病医療受給者証が交付されます。
認定には時間がかかるものの、交付までにかかった医療費は、指定医療機関の証明書、領収書などを添付して申請すれば、負担上限額を超過した分について後日支給されます。
【患者数の多い指定難病】
指定難病の中でも多いのは潰瘍性大腸炎で、2014年には潰瘍性大腸炎の患者数が170,781人報告されています。次いでパーキンソン病関連疾患が多く、136,559人と続いています。
他にも知名度の高い疾病として、筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィー、クローン病などが、指定難病に認定されています。
2.介護保険における「特定疾病」の取り扱い
「特定疾病」とは?
介護保険法で定められた、16種類の病気を指します。介護保険に加入している第2号被保険者が、介護保険サービスを利用する時する際の要件に関わってきます。。
介護保険制度における被保険者は、65歳以上である第1号被保険者と、40~64歳の第2号被保険者に分けられます。原則として、介護保険適用で介護サービスを受けられるのは、65歳以上の要介護、要支援認定を受けた人だけです。
ただし、第2号被保険者も、特定疾病が原因で要介護状態になった場合には、介護認定を受けることが可能です。
【16の特定疾病とは】
治癒が困難な、末期がん、関節リウマチ、骨折を伴う骨粗しょう症の他、指定難病にも定められている筋萎縮性側索硬化症(ALS)なども含まれます。
■末期がんの場合
がん患者の場合、致死性を持ち、治癒が困難な状態であることが、介護保険サービスの適用要件となります。治癒困難な状態とは、余命6ヵ月程度と診断される場合を指します。
抗がん剤を用いて治療している場合でも、直接治癒を目的としていない場合、症状緩和を目的としている場合は、治癒困難な状態と見なされるために特定疾病とみなされるため、介護保険が適用されます。
3.医療保険or介護保険?訪問看護サービスの取り扱い
保険には、「公的な保険」と「民間の保険」の2種類あります。
「公的」な保険
国や各地方自治体が運営している社会保険制度で、下記の保険があります。
■医療保険
病気やケガをした時に医療費の一部を負担してくれる保険
■介護保険
介護が必要な状態になった時に、サービスの費用を一部負担してくれる保険。
この公的医療保険制度と公的介護保険制度には、それぞれに同じような内容のサービスが存在します。しかし、内容が重複するサービスを医療保険と介護保険の両方から受けることはできません。
(※民間の医療保険と民間の介護保険は併用できる場合があります)
「医療保険」と「介護保険」の使い分け
例えば、自宅にいる人で健康上の問題があり、生活において何かしらのサポートが必要な方がいたとします。その方が利用できるサービスとして「訪問看護」と呼ばれる、看護師が自宅に訪問してサポートしてくれるサービスがあります。
実はこの訪問看護は、医療保険サービスと介護保険サービスの両方に存在します。
【介護保険における訪問看護】
①65歳以上で、継続的に介護が必要な人
②40歳以上、65歳未満で、特定疾病を持っており、継続的に介護が必要な人
⇒要介護認定を受けて、「介護保険サービス」における訪問看護を利用します。
訪問看護自体の利用回数の上限はありません。ただし、介護保険サービスは認定された介護度に応じて利用できる介護保険サービス量の上限が定められています。
訪問看護以外にも、訪問介護やデイサービス、ショートステイなど、複数の介護保険サービスを併用している場合には、全てのサービスをあわせて上限を超えないよう調整する必要があります。
そのため、必然的に利用回数は制限されることになります。
【医療保険における訪問看護】
③40歳以上で、①と②のどちらにも該当しない人
④40歳未満の人
⇒「医療保険サービス」における訪問看護を利用します。
医療保険の利用条件を満たした方は、週に1~3回の範囲内で訪問看護を利用することができます。
ただし、医療保険の場合でも医師が必要と認める場合については、週4回以上の訪問が可能です。また、症状が重く医師が必要と認めた場合には、通常30~90分と定められている訪問時間を、90分以上に延長可能です。
【おわりに…】
愛知県名古屋市内にも、特定疾病や指定難病を患い苦しんでいる方がおられます。病気は決して他人ごとではなく、難病は誰もがかかり得る病気です。いつどのタイミングで、誰がかかるか分かりません。いざという時には、今回の記事を役立ててください。
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