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ケアまどニュース
高齢者向け「オンラインサービス」拡大
新型コロナウィルスの感染拡大により、これまでは対面で行っていたサービスの多くが、オンラインへ移行しました。
愛知県名古屋市の介護施設や老人ホームにおいても、それは例外ではありません。
対面による感染リスクを最小限に抑えるため、家族との面会や言語リハビリ、レクリエーションなどのアクティビティが、オンラインへ移行しました。
これまでは、ITや科学技術の導入に関してあまり進みづらかった福祉介護業界ですが、その距離感は少しずつ近づきつつあります。
1.オンラインで「言語リハビリ」
「言語リハビリテーション」とは、言語聴覚士が行うリハビリ訓練です。
失語症や高次脳機能障害の方など、言葉に障害がある状態は、リハビリによって改善することがあります。
ただし、短期間でリハビリが完了するケースは少なく、ある程度言語能力を回復させるためには、長期にわたるトレーニングが必要になることが少なくありません。
しかし実際には、介護保険や医療保険などの枠組みの中で行おうとすると、回復半ばでリハビリの提供期間が終了してしまったり、回復を体感できるだけの十分な時間、リハビリが受けられないこともあります。
また、コロナ禍では感染リスクの不安から、リハビリを控える利用者もいます。
そんな中で、「言語リハビリ」のオンラインサービスの広がりが加速しつつあります。
オンラインを使った言語リハビリなら、自宅にいても受けることが可能ですし、医療機関などのリハビリ期間が終了しても受けることが可能です。
長期間リハビリが必要な人にとっては、天候や気温、体調に関わらず自宅からリハビリを受けられるという点で、大きなメリットがあります。
また、家族にとっても同伴の必要がないという点は、大きな安心感と負担の軽減につながるのではないでしょうか。
また、オンラインの言語リハビリには、資格を持つプロを見つけやすいというメリットもあります。
リハビリを専門とする職種には、言語リハビリを行う言語聴覚士以外にも、理学療法士や作業療法士などの資格を持つスタッフが行います。
当然、言語リハビリは言語聴覚士の資格を持つ人が行うことが理想的ですが、この資格は他のリハビリ系資格と比較すると、有資格者が少ない傾向にあります。
そのため、対面での言語リハビリを受られる場所が遠方であったり、少ないリハビリ機関に人が集中して予約が取りにくいこともあります。
しかしオンラインになることで、距離に関係なく言語リハビリを受けられるようになります。
また、こうした選択肢が増えれば、自分とより相性が良い言語聴覚士を見つけやすくなるかもしれません。
2.オンライン「お笑いレク」
お笑いレクリエーションのことで、介護施設や老人ホームなどの入居者を対象に行う娯楽アクティビティです。
介護を受けている人にとっては、認知症の予防効果を始め、笑うことで得られる健康維持効果、また普段の生活の中で楽しい経験をする事で得られるQOLの向上など、たくさんの効果が期待できます。
そのくらい「笑う」という行為には心身共に良い影響があるのです。
オンラインにおけるお笑いレクでは、従来、お笑い芸人などが施設を訪問して対面で披露していたものを、オンラインサービスに切り替えることによってコロナの感染拡大を回避しようという意図でスタートしました。
オンラインであれば、DVDや動画を視聴するのとは違い、リアルタイムで入居者とお笑い芸人がコミュニケーションをとれるという点です。
また、お笑いレクは画面越しに入居者の顔を見えるため、芸人にとっても実際の対面で行うよりも近い距離に感じられるというメリットがあります。
一人一人の笑顔を間近で見られるため、対面と同じぐらい楽しく充実した時間を過ごせると感じる芸人は少なくありません。
お笑いレクは、コロナ禍における対策の一つとして、オンラインへ移行したサービスの一つです。
オンラインが可能になったことで、移動手段や時間、交通費といったハードルがないため、都市部以外の施設でも気軽に導入できるようになりました。
またお笑い芸人やタレントにとっても、現地まで足を運ぶことなく入居者とコミュニケーションをとることができるため、スケジュールを調整しやすくなるでしょう。
3.オンライン「ボランティア」
新型コロナの感染拡大対策の中では、ボランティア活動もまた、オンラインへ移行したものがたくさんあります。
ロックダウンなどの外出自粛によって、1人で暮らす高齢者は自宅で孤立しやすくなってしまいました。
そうした寂しい気持ちや不安な気持ちを解消するための傾聴ボランティアは、電話やオンラインなどの手段を使って、高齢者とのコミュニケーションを維持する取り組みを行っています。
実は、傾聴ボランティアの活動は、コロナ禍の前から存在していました。
傾聴を希望する人が登録すると、研修を受けたボランティアのメンバーが高齢者に電話をかけて会話をしたり、高齢者からかかってきた電話に対応して会話をしたりする、という活動を行います。
もともと電話を使ってのコミュニケーションがメインで、サービスの提供という面ではコロナの影響をそれほど受けることはありません。
しかし、会話をする高齢者にとっては、外出できなくても電話で話し相手がいるという安心感や、心の中の不安を吐露できる相手がいるという安堵感を感じられると好評です。
傾聴ボランティアグループの中には、Web会議システムを上手く活用し、電話だけではなくパソコンの画面越しに相手とオンラインで会話ができるサービスを始めた所もあります。
高齢者の中には、パソコンを上手く操作できない人が多かったため、勉強会を開催して高齢者にパソコンの使い方を教えるなど、下準備にかけた時間や労力はあったようです。
しかし、実際にサービスが開始されると、電話よりもビデオ通話の方がお互いの表情を確認できるという点で、大好評です。
こうしたオンラインでのボランティアは、今後も対面でのボランティアと並行して継続していくと考えられています。
現在は、ボランティアのスタッフはオフィスへ足を運び、クリアなアクリル板で仕切られたブースから電話をかける作業をする団体が一般的です。
しかし中には、ボランティアスタッフも自宅から電話やビデオ会話ができる環境設定に務めるなど、ボランティアを受ける側にとっても提供する側にとっても、快適な環境整備に努めるところも増えています。
【おわりに…】
新型コロナウィルスの感染拡大対策として、これまでは対面で提供していたサービスがオンラインへ移行したものはたくさんあります。
介護福祉業界においても、言語リハビリやお笑いレクリエーション、そして傾聴ボランティアのように対面でなくても高い質を維持できるサービスは、オンラインへ移行して大成功を収めています。
愛知県名古屋市の老人ホームや介護施設においても、こうしたサービスの導入は開始されていて、今後はさらに広く普及することが見込まれています。
介護や福祉業界は、これまではIT化との距離が他の業界と比べて遠い傾向にありましたが、今後その距離はかなり縮まっていくのではないでしょうか。
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