介護は長期間にわたって続くことで、心身にストレスが蓄積しやすくなり「イライラが止まらない」「つい感情的になってしまう」と悩む方も少なくありません。本記事では、介護ストレスを上手に発散する方法や、日々の心構えについてご紹介します。

介護中にイライラしたときに試したいこと

介護中にイライラを感じたときは、その場で感情をコントロールする簡単な方法を試してみましょう。

・心の中で6秒間数える
怒りのピークは、約6秒といわれています。その間、深呼吸をしながら心の中で数えることで、感情の爆発を防げます。

・少しの間その場を離れる
距離を取ることで視点が変わり、冷静さを取り戻しやすくなります。安全が確保できるのであれば、短時間でも物理的に離れましょう。

・幸福な時間や成功体験を思い出す
ポジティブな記憶に意識を向けることで自己肯定感が高まり、ストレスの渦から抜け出しやすいです。また、心の余裕が戻るきっかけにもなります。

介護ストレスを発散する方法

ストレスはため込まず、日常的に発散する習慣をつくりましょう。

・リフレッシュする時間をつくる
短時間でもよいので、自分の好きなことに没頭する時間を持つと、気持ちがスッキリします。音楽や散歩、入浴など、気分転換になることを日常に取り入れましょう。
また気持ちがほぐれるもので、瞬間的にリフレッシュするのもよいでしょう。
美味しいものを食べたり飲んだり、好きな香りのアイテムを使用するのも効果的です。

・誰かに相談する
信頼できる家族や友人、あるいはケアマネージャーなど、第三者に話すことで気持ちが整理され、安心感につながります。
地域の介護者の会等に参加し、高齢者を介護している方同士悩みや不安を共有し合うのもよいでしょう。同じような悩みを抱えているからこそ、思いのまま悩みを打ち明けられるかもしれません。

・介護体制を見直す
負担が大きくなっていると感じたら、一人で抱え込まず、ほかの家族や介護サービスの支援を取り入れることで、心の余裕が生まれます。

介護ストレスを軽減するための心構え

ストレスを完全になくすことは難しいですが、心の持ち方を変えることで軽減できます。

・頑張りすぎない
「もっとこうしなければ」と思い詰めると、疲労や罪悪感が強くなります。できていることに目を向けて、自分を認める気持ちも大切です。

・一人で抱え込まない
「自分がやらなければ」と思うあまり孤立しがちですが、周囲の協力を得ることで安心感が得られ、気持ちも軽くなります。

・介護に正解はないことを理解する
介護は、人によって状況も対応も異なります。正解を求めすぎず「そのときできるベスト」で十分だと考えることが、心の安定につながります。

介護サービスの力を借りることも大切

公的な介護サービスや施設の力を借りることは、家族介護を続けるうえで非常に重要です。

・介護の専門家に相談する
ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談することで、利用できるサービスや制度を把握できます。

・高齢者支援サービスを活用する
訪問介護やデイサービス、ショートステイなどのサービスを利用することで、介護の負担を減らせます。
また、介護保険外のサービスにも、配食サービスや自宅への訪問理美容など様々なものがあります。

・施設への入所を検討する
在宅介護が難しくなった場合は、施設入所も選択肢の一つです。本人の状況や家族の希望に合わせて、早めに情報収集しておきましょう。

まとめ

介護ストレスは誰にでも起こり得るものであり、ため込まず適切に発散することが大切です。イライラしたときは一呼吸置き、日常的に心の余裕を持てる時間を意識しましょう。自分だけで頑張ろうとせず、介護サービスや周囲の支援をうまく活用しながら、無理のない介護を続けることが何より重要です。

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