通院や外出に欠かせない「介護タクシー」の利用を検討する際は、費用の目安や負担額が気になるポイントです。本記事では、介護タクシーの料金体系や具体的なシミュレーション、さらに費用を抑えるための工夫について解説します。

介護タクシーの料金体系

介護タクシーの料金は、通常のタクシーとは異なり、さまざまな費用が組み合わさっています。本章では、主な内訳と目安を紹介します。

基本運賃

介護タクシーの運賃は時間制・距離制があり、事業者によって異なります。初乗りは30分で2,800〜3,150円程度、または1.7kmで680〜700円程度が目安です。その後は、時間・距離ごとに加算されます。

機材使用料

車いすやストレッチャーなどを使用する場合、別途レンタル料が発生します。

・車いす：500～1,000円程度
・リクライニングタイプ：1,500円〜2,000円程度
・ストレッチャー：4,000円〜6,000円程度

介助料

乗降時や病院内の付き添いなど、運転以外のサポートに対してかかる費用です。

・乗降や運行中の基本介助：500～1,500円程度
・自宅や施設内の介助：500～1,000円程度
・外出の付き添いや病院内での介助：30分あたり1,000～2,000円前後

介護タクシーの料金シミュレーション

実際にどれくらいの費用がかかるのか、本章にてシチュエーション別の目安をご紹介します。料金は、事業者や地域によって異なるため、あくまでも参考値としてご確認ください。

特別な介助や器具なしで近距離のケース

自宅から病院までの距離が2～3km程度で、車いすの利用や特別な介助が不要な場合、基本運賃のみで対応できることが多く、費用は2,000～3,000円程度が目安となります。※地域や事業者によって異なります。

介助と器具ありで長距離のケース

ストレッチャーの使用や病院内での付き添いなどが必要な場合、機材使用料・介助料・基本運賃が加算され、20km前後の移動では合計で10,000～15,000円程度かかるケースもあります。※あくまで目安の金額です。

介護タクシーの料金補助制度

介護タクシーには、自治体が発行する「福祉タクシー券」などの助成制度が用意されている場合があります。障害者手帳をお持ちの方は、タクシー会社が設定している障害者割引の利用が可能です。要介護1以上で、公共交通機関を一人で利用できない場合は、介護保険での介護タクシーの利用が認められています。

介護タクシーの費用を抑えるポイント

費用がかさみやすい介護タクシーですが、工夫次第では出費を抑えられます。本章では、費用を抑えるポイントについて解説します。

事前に見積もりをとる

複数の事業者から見積もりをとり、料金の内訳を比較することで、納得のいくサービスを選べます。

介護保険が適用されるかを確認する

訪問介護などと組み合わせて通院介助が行われる場合、介護保険の対象になることがあります。ケアマネージャーと連携して、確認しましょう。

福祉タクシー券の利用可否を確認する

自治体によっては、乗車料金の一部を補助する、福祉タクシー券が交付されることがあります。使える範囲や申請方法も、あらかじめ調べておくと安心です。

ケアマネージャーに相談する

介護タクシーの利用を検討する際は、ケアマネージャーへの相談が欠かせません。介護保険の適用範囲や地域の支援制度を踏まえたうえで、利用者に合ったサービスを提案してもらえます。

まとめ

介護タクシーの料金は、基本運賃だけでなく、機材使用料や介助料などが加算されるため、事前にいくらかかるかを把握しておくことが重要です。近距離であれば比較的安く利用できますが、介助内容や距離によって大きく変動します。補助制度や見積もりの活用、ケアマネージャーへの相談を通じて、無理のない形で活用していきましょう。

介護タクシーをはじめ、移動や介助に不安がある場合は、専門家に相談してみましょう。「介護の窓口【 ケアまど 】老人ホーム紹介センター 有松相談所」では、介護サービスや施設の紹介に加え、日常生活の不安や疑問にも丁寧に対応しています。ご家族の状況に合わせたサポートをお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。