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2025/01/17
コラム

脱健着患とは?スムーズに行うためのポイントや手順を解説

脱健着患とは?スムーズに行うためのポイントや手順を解説

脱健着患(だっけんちゃっかん)は、健側(麻痺や拘縮がない側)から衣服を脱がせ、患側(麻痺や拘縮がある側)から衣服を着せる介護技術です。本記事では、脱健着患をスムーズに行うためのポイントや、具体的な手順について解説します。

脱健着患とは

脱健着患は、健側(麻痺や拘縮がない側)から脱がせ、患側(麻痺や拘縮がある側)から着せる という衣服の着脱方法です。例えば、右腕が自由に動かせる場合は、右側(健側)から衣服を脱がせ、左側(患側)から衣服を着せる手順を取ります。

脱健着患をスムーズに行うためのポイント

脱健着患を円滑に進めるためには、衣服や環境、ケアの仕方に工夫が必要です。本章では、具体的なポイントを挙げて解説します。

着替えやすい衣服を選ぶ

前開きのシャツや、伸縮性のある素材を選びましょう。マジックテープやボタンが少ない衣服だと、指先が不自由な方でも着やすく、便利です。また、ゴムタイプのズボンやスカートであれば、締め付け感がなく着脱しやすいです。

環境を整える

脱健着患をスムーズに行うために、適切な環境作りを行いましょう。

室温の設定:寒すぎたり暑すぎたりしないよう調整します。
周辺の整理:物が乱雑に置かれていると、万が一転倒をした場合に危険が伴うため、周辺を整理整頓しておきます。
プライバシー保護:カーテンやついたてを活用し、プライバシーの保護に努めます。

関節をしっかりと支える

患側を動かす際は、関節をしっかりと支えながら、無理のない範囲で動かします。着替えを行う際には、安定した姿勢を保つことが大切です。椅子やベッドにしっかりと座ってもらいましょう。

動作ごとに声掛けを行う

「今から右腕を動かしますね」 などの声を掛けながら行うと、介護される方も安心です。特に高齢者や身体に障害のある方は、安心感を得ることで協力が得られやすくなります。

脱健着患を活用した衣服の着脱方法

脱健着患を取り入れることで、衣服の着脱がスムーズになり、介護される方の負担軽減につながります。本章では、より詳しい手順について解説します。

上着の着方・脱ぎ方の手順

上着を着たり脱いだりする際には、適切な順序で進めることが重要です。

脱ぎ方
・健側の肩から上着を外し、腕を引き抜く:健側の腕を袖からゆっくりと抜きます。後ろ身頃がたるまないように、上に寄せておくとよいでしょう。
・患側の肩から上着を外し、腕を引き抜く:患側の袖を脱ぐ際は、介助者が袖口を持ち、腕が抜きやすいようにサポートします。

着方
・患側の袖を通し肩まで引き上げる:上着を広げ、患側の袖を最初に通します。このとき、袖を通しやすい形状に整えておくとスムーズです。
・衣類を背中側から健側の腕まで回し肩に羽織らせ、健側の袖を通す:次に、健側の袖を通しながら衣服全体を整えます。

ズボンの着方・脱ぎ方の手順

ズボンを着脱する際にも、順序を守ることでスムーズに行えます。

脱ぎ方
・健側の足を抜く:椅子やベッドに安定した姿勢で座ってもらい、左右にお尻を浮かせてもらいながらお尻部分を通し、膝近くまでズボンを下ろす。介護者が動ける場合は、自分で足を抜くように促します。
・患側の足を抜く:患側の足を抜く際は、介助者が裾をしっかりと持ち、無理のないようにサポートします。

着方

・患側の足を先に通す:椅子やベッドに安定した姿勢で座ってもらい、ズボンの裾をたくし上げ、裾を介助者の腕に通す。患側の足を優しく持ち上げ、裾を足首に通す。
・健側の足を通す:たくし上げたズボンの裾を健側の足に通す。左右にお尻を浮かせてもらい、ウエストまでズボンを引き上げる。

脱健着患のメリット

脱健着患を正しく行うことで、以下のメリットが得られます。

・介護者、被介護者ともに負担が少ない。
・患側の痛みや負担を最小限に抑えられる。
・患側を保護しながら、健側の動きを大いに活用できる。

衣服をスムーズに着脱できるようになることで、介護する側のストレス軽減や介護される方の安心感につながります。

まとめ

脱健着患は、健側から脱がせて患側から着せることで、介助する方や介護される方双方の負担を軽減し、安心して衣服の着脱が行える方法です。上着やズボンの着脱手順を理解して実践していくことで、日常の介護がより快適で安全になります。

名古屋市有松特産の有松絞りで作られた衣服は、柔らかく伸縮性があり、脱ぎ着がしやすいと好評です。脱健着患を叶えるために、理想の衣服といえるでしょう。名古屋市有松の「ケアまど」老人ホーム紹介センター有松相談所では、日常生活動作(ADL)のサポートに力を入れている施設をご紹介しています。ご利用者とご家族が安心して過ごせる環境作りをお手伝いしますので、ぜひ一度足をお運びください。”介護の窓口【 ケアまど 】 老人ホーム紹介センター 有松相談所”