高齢者の手の震えは、加齢とともに多くの方が経験する症状の一つです。原因はさまざまで、日常生活に影響を与えます。本記事では、高齢者の手の震えの主な原因と、老人ホームでの具体的な配慮について解説します。

高齢者の「手の震え」の原因

高齢者の手の震えは、単に年齢によるものだけではなく、いくつかの疾患や要因が関係しています。本章では、主な原因を紹介します。

生理的振戦

生理的振戦は、健康な人でも見られる生理的な震えです。疲労やストレス、カフェインの摂取、寒さなどによって、一時的に手が震えることがあります。特に高齢者は、筋力の低下や加齢による影響で、この振戦が目立ちやすいです。

本態性振戦

本態性振戦は、特定の病気がないにもかかわらず発生する震えで、遺伝的要因も関与する場合があると言われています。特に40歳以上の人々の4％ほどに見られ、高齢者ではさらに頻度が増えると言われています。この振戦は日常的な動作中に腕や手、時には頭が震える症状が特徴です。安静時に見られず、動作中や姿勢を保持しているときに見られます。

パーキンソン病

パーキンソン病は神経系の病気で、特徴的な症状の一つに「震え」があります。じっとしているときに手が震えることが多く（安静時振戦）、動作が鈍くぎこちなくなったり、筋肉の硬直などのほかの症状も伴います。パーキンソン病は進行性であるため、早期の診断と適切な治療が重要です。

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症（バセドウ病）は、甲状腺の過剰な働きによって、代謝が異常に高くなる病気です。この病気の症状の一つに「手の震え」が挙げられ、ほかにも体重減少や動悸、発汗過多などの症状が見られます。

アルコール依存症

アルコール依存症の進行により、手の震えが現れることがあります。特に、長期間の飲酒後に飲酒を中断すると、震えが出現することが「禁断症状」として知られており、アルコールが切れると震えが強まります。この場合、震えだけでなく、精神的なケアも必要です。

老人ホームでの「手の震え」のある高齢者への配慮

老人ホームでは、手の震えを持つ高齢者に対して、日常生活を快適に過ごせるようなさまざまな配慮がされています。本章にて、具体例を解説します。

食事の際の配慮

老人ホームでは、手の震えがある高齢者が食事を摂取しやすいように、食器の下に滑り止めマットを敷いたり、重みのある食器を使用したり、持ち手が太いスプーンやフォークを用意しています。さらに、スタッフが食事のサポートを行い、必要に応じて介助します。

着替えの際の配慮

手が震えてボタンやファスナーの操作が難しい場合、老人ホームではマジックテープや簡単に着脱できる服を選び、着替えの負担を減らしています。また、スタッフが必要に応じて、着替えを手伝います。

日常生活のサポート

手の震えが日常の動作に支障をきたす場合、震えを和らげるためのリハビリや運動プログラムを導入している施設があります。また、震えに対する不安やストレスを減らすため、心理的なサポートもしています。

まとめ

高齢者の手の震えは、さまざまな要因によって引き起こされ、日常生活に影響をおよぼします。特に生理的振戦や本態性振戦、パーキンソン病などの疾患が原因であることが多く、適切なケアとサポートが必要不可欠です。

名古屋市緑区有松にある「ケアまど」老人ホーム紹介センター有松相談所では、手の震えにより日常生活に支障がある方も気持ちよく施設生活を過ごせるよう、一人ひとりの身体の状態に合った老人ホーム選びを行っています。お困りの際は一人で悩まず、ぜひ「ケアまど」にご相談ください。介護の窓口【 ケアまど 】 老人ホーム紹介センター 有松相談所