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2024/10/03
コラム

認知症を予防する「学習療法」とは?老人ホームでの取り組みについて解説

認知症を予防する「学習療法」とは?老人ホームでの取り組みについて解説

学習療法は、認知症予防の一環として注目されているリハビリ方法です。最近では、老人ホームでも導入が進んでおり、入居者の認知機能の維持や向上に役立っている事例が増えています。本記事では、学習療法の具体的な効果や導入事例について、ご紹介します。

学習療法とは?

学習療法は、認知症の予防や進行を遅らせるために開発された、非薬物療法のことです。主に高齢者を対象に、音読や簡単な計算をすることで脳を活性化させ、認知機能の維持・改善を目指します。
東北大学の川島隆太教授の研究に基づき、その効果は科学的に証明されています。支援者とのコミュニケーションを通じて行うことで、脳の血流が増し脳機能が活性化します

学習療法の定義

学習療法とは、学習者と支援者がコミュニケーションを取りながら、音読や簡単な計算を行うことにより脳の前頭前野を刺激し、認知機能やコミュニケーション能力の維持・改善を図るものです。前頭前野は、記憶や判断、注意力を司る重要な部位であり、これを活性化することで、日常生活での自立や認知症の予防に効果を発揮します。

学習療法の効果

学習療法の効果の一例として、以下のことがあげられています。

・表情が豊かになったり会話が増える等、コミュニケーション面が向上

・学習を楽しみにされ生きがいを感じるようになったり、レクリエーションやリハビリに参加される等、生活全般に意欲が出る等、意欲面が向上

・尿意を感じるようになり、スタッフに伝えられるようになったり、リハビリに積極的に取り組み、車椅子から杖歩行ができるようになる等、身辺自立面が向上

・暴言、暴力が見られなくなったり、帰宅願望が減る、夜間良眠される等、認知症周辺症状が緩和

また、視覚や聴覚を刺激する内容が取り入れられ、脳の幅広い領域を活性化させる効果もあると言われています。

学習療法で使う教材について

学習療法で使用される教材は、認知症の進行具合や個々の能力に応じて選定されます。

教材には、計算問題や音読のテキストが含まれ、難易度の調整が可能です。そのため、利用者は無理なく取り組めます

学習療法の導入事例

学習療法は、老人ホームでのリハビリプログラムとしても導入されており、入居者の認知症予防や生活の質の向上に役立っています
そのため日本全国の介護施設でも導入が進んでおり、多くの施設で高齢者の認知機能やコミュニケーション能力の向上が確認されています。

導入した施設では、認知症高齢者が課題に取り組むことで自信や意欲を取り戻し、施設全体の雰囲気や入居者の生活の質が改善されたとの報告がありました。また、気づき力・観察力が高まったり、コミュニケーション力が磨かれる等、スタッフの成長にもつながり、入居者とスタッフの関係性が深まる効果も見られています。

学習療法の導入方法

学習療法の導入は、施設職員が「学習療法実践士」の資格を取得することが前提です。資格取得には研修を受講し、3ヶ月以上の実践経験が求められます。

学習療法の実施は、効果を高めるため入所施設では週3日以上の頻度が推奨され、通所施設では全開所日に学習時間を設け、通所日に学習します。また学習者の状況に応じた教材選定も重要です

まとめ

学習療法は、認知症予防に効果的なリハビリとして多くの老人ホームで導入され、入居者の認知機能や生活の質の向上に貢献しています。

介護スタッフとのコミュニケーションを通じて心身のケアが行き届くため、施設全体の雰囲気が良くなり、コミュニケーションによる前頭前野の活性化により入居者の自信や意欲も高まります。学習療法の導入には一定の準備が必要ですが、介護現場にとっては大きなメリットが期待できる取り組みです。

有松コミュニティセンターは、地域の高齢者向けに学習活動や交流をサポートする場として活用されています。ここから徒歩5分の場所にある「介護の窓口【ケアまど】老人ホーム紹介センター 有松相談所」では、認知症予防に特化した施設の紹介も対応しており、高齢者の健康維持と生活の質向上をサポートしています。ご家族の施設入所に関してお悩みの方は、お気軽にご相談ください。介護の窓口【 ケアまど 】 老人ホーム紹介センター 有松相談所