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国会への法案提出へ「認知症基本法」とは2019年04月15日

2018年の後半に話題になった「認知症基本法」。
議員立法での制定が進んでいる段階で、これが施行されることで認知症対策や介護を巡る環境に大きな変化が生じるのでは?と期待されています。

 

この法律が制定されることで国や自治体が認知症に対してどう関与し、責任を負うかを明確にすることになります。
そのうえで社会保障や介護保険など広く社会全体における認知症対策と環境を充実させていくことが狙いとなっています。

 

そもそも「基本法」とはなにか

 

世代にかかわらず発症する認知症

高齢化の進行もあり認知症への関心が世代を超えて高まっています。

高齢者が発症するイメージが強い認知症ですが、実際には若い世代でも発症するケースはあり、単に「記憶力などの認知力が高齢化の進行の影響で衰える」という従来のイメージでは対処しきれない部分も出ているのです。

 

認知症が増加していくことが予想されるこれからの社会において人々がどう認知症と向き合うのか、認知症対策をどう行ってくのか、そして認知症の患者が尊厳や自立心を持って生活を送れる環境をどう整えていくのか。

こうしたテーマを社会全体で共有しながら考えていかなければならない状況です。

 

ある統計では2025年には65歳以上の5人に1人は認知症の患者になるとのデータもあり、相応の対策を整えるまでに十分な時間が残されていないというのが現在の日本の現状です。

 

それにも関わらず、法律という段階での認知症対策は十分にカバーができていません。

国全体が、そして政府や自治体がある程度責任を持って施策や環境づくりを推進していく必要がある一方で、法整備が整っていないために足並みが揃わない、連携がうまくできないといった問題も起こりがちです。

そこで国や自治体の責務を明確にしつつ、全国どこででも通用する規則やルールを定めようというのが認知症基本法の基本理念です。

 

法律にすることで認知症対策において「どこまで踏み込んでいいのか」「どこまでやるべきなのか」「どんなことに注意しなければならないのか」といった共通認識を持ったうえで、医療・介護・福祉の世界だけでなく社会全体で認知症と向き合っていくことができる…そんな意図もこめられています。

法律や条令といったものは、時代のニーズにうまく適応するのが難しいものですはありますが、そんな悠長なことを言っている場合ではない、というのが認知症基本法の制定が急がれている理由でもあります。

 

「認知症基本法」のねらい

認知症患者の行動を制限してしまうケース

 

では、認知症基本法を制定することでどのような変化が見られるのか、法律にはどんなねらいがこめられているのでしょうか。

 

まず「基本的人権の尊重」という近代国家においてもっとも重要なテーマとも関わってくる「認知症患者の尊厳」です。

判断力・認知力が低下した結果、ひとりの個人として扱われなくなるケースが多いのが認知症の大きな問題点です。

たとえば財産の管理・相続問題など確かに完全に自立した個人として処理することが難しい面があるのは事実ですが、認知症だからといって本人に何も判断させない、または外出や買い物など自分で行う行為を極端に制限させてしまうといった行為は本人の尊厳や人権を損なう行為になりかねません。

 

しかし、残念ながらこうした行為が日常的に行われているというのが現在の認知症患者を巡る状況です。

これは介護施設などに入居している場合でも例外ではなく、周囲の人たちは認知症対策として行っているつもりの行為が、実は本人の人権・尊厳を奪ってしまっているケースも多いのです。

しかも本人は「お世話になっている」という思いがあるため、そうした行為に対して意見を言うことはなかなかに難しいものです。

その結果プライドを損なわれ、自立や自由を奪われて生きる気力を失ったり、精神状態が損ねてしまうといった問題が起こりかねないのです。

 

さらに、認知症に対する偏見や差別をなくすのもこの基本法の大きな目的です。

先ほど「認知症が発症するのは高齢者だけではない」と書きましたが、現役世代で認知症が発症した場合には、その事実だけで職を追われてしまうことも珍しくありません。仕事も含めた社会的地位や居場所を失ってしまうという悲しい現実があるのです。また認知症を理由に周囲との人間関係が変化してしまうといった問題もつきまといます。あからさまな差別や偏見はもちろんのこと、「認知症の人には大事な話はできない」「関わると面倒になりそう」といった一方的な偏見や考えが、本人を深く傷つけてしまうこともあります。

 

こうした人権と深くかかわってくる部分においても基本法において明確に定め、認知症も人権を持ったひとりの人間であって、他の人たちと同等の権利や義務を持っているのだと広く認知させることも大きな狙いのひとつです。

 

この「認知症患者の権利」は認知症関連の団体だけでなく人権団体などからも長い間訴えられていたもので、認知症が孤立した環境に追いやられずに社会の一員として暮らすことができるか、そのために国・自治体がどう支援できるか認知症患者を受け入れられるための社会モデルをどう作り上げていくかといった要望が年々高まっていました。認知症基本法はこうした要望と訴えに応える形で検討が進められている面もあるのです。

 

そして医療・介護・福祉の現場にも大きな影響を及ぼす狙いもあります。

この「基本法」とは「親法」とも呼ばれるタイプの法律で、関連する他の法律よりも優先される形となります。

たとえばこの基本法が制定された場合には介護保険法をはじめとした認知症と深いかかわりがある法律はこの親法の範囲内で、内容に沿う形で適用されることになります。

 

ですから基本法でもあり、土台となる法律にもなるわけです。

この基本法次第では、私たちの身近な愛知県や名古屋市の介護事業所や介護施設、老人ホームの環境が、良い方向にも悪い方向にも変化する可能性があります。

 

こうしてみても基本法の制定が非常に重要な意味を持っており、広く社会全体における認知症との向き合い方に影響を及ぼす狙いがこめられているのがわかります。

しかし重要なだけにいろいろな問題点や疑問点なども指摘されています。

 

基本法の在り方に疑問の声も

 

基本法のあり方

 

疑問の声というよりも不安の声が大きいのが先ほど触れた「親法」としての効力の強さです。

何しろ介護保険法をはじめとした医療・介護・福祉の分野でこの基本法に沿った適応が求められるわけですから、きちんとした内容のものを作らないと現場が混乱してしまうことになりかねませんし、適切なサービスが出来なくなってしまう恐れがあります。

法律というものは融通が利かない部分もありますから、あまりルールを厳格化してしまうと柔軟な対応が難しくなり、かえって現場を萎縮させてしまう部分も出てきます。

 

また「当事者や現場の声をきちんと組み入れた内容になるのか」との疑問の声も見られます。

政治家や役人が本当に認知症の人たちの実情や介護・医療・福祉の現場を理解したうえで制定に動いているのか、単に支持を獲得するために行っているのではないか、といった不安の声があがっているのです。

 

このように認知症基本法の制定の動きそのものは非常に価値があるものです。

認知症患者が社会の一員として尊厳を維持しながら生活を送れる環境を作ることは社会全体を寛容で活気溢れるものにするうえでも大きな意味を持ちます。

ただし、制定の意義は評価できても内容について疑問や不安を指摘する声があるのも事実です。

今後どのような形でこの認知症基本法が取り扱われていくのか、注目しながら見守っていきたいところです。

 

そして何より、法律が制定されるのがゴールではなく、偏見や差別といった問題を解消するためにはわたしたちひとりひとりが認知症をよく理解して適切な接し方を学んでいく必要もあります。

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