

高齢者福祉においてこれまでは、要支援・要介護状態になった人それぞれの運動機能に合わせたリハビリなどを行い、“いかに悪くしないか”という、
現状維持に努める方針が一般的でした。
しかし、社会の高齢化と現役世代が減少する昨今では、維持では無く“要支援・要介護状態にしない”という予防にシフトチェンジしてきています。
高齢者の健康寿命を伸ばすことは社会の課題であり、様々な機関が力を入れて取り組み始めています。
介護予防に無関心である層をどのように取りこんでいくか。
少しでも多くの人が積極的に自身の健康に向き合っていくためにどんなことが必要か。
心身ともに健やかな人生を送り、また生産性の向上を促すためどのような動きがあるのかを学んでおきましょう。
高齢者福祉における介護の予防については、“通いの場”が大切になると考えられています。
積極的に外へと繰り出すことは心身を前向きにさせる効果が大きく、現役世代に比べてどうしても引きこもりがちになってしまう高齢者にとっては、通いの場を自らが積極的に見つける必要性が出てきます。
そうした時に役立つのが、介護施設や老人ホームの通所型介護サービスです。
しかし、そもそも介護保険サービと必要としない身体づくりに重点を置く昨今においては、介護予防のための施設として、スポーツジムに注目が集まっています。
現役世代が通うイメージが強いジムへ高齢者の足を向けさせて、新たな高齢者の通いの場を作ろうという策です。
「高齢者の通いやすいスポーツジム」をアピールすることで、興味の無かった人にも介護予防に目をむけてもらう狙いがあります。
高齢者のなかには「年寄り扱いされたくない」と言った気持ちから、介護サービスや老人ホームに抵抗感がある人も多く、自ら通いの場を狭めてしまうというケースが良くあります。
そうした人でも前向きな気持ちで取り組みやすいのがスポーツジムです。
行政主導のサービスから距離を置いたり無関心である層を、より積極的に介護予防に導いていけるため、介護の分野とスポーツジムとの連携は国策として今後ますます強まる可能性があります。
高齢者の介護予防にスポーツジムというと身体を動かす習慣の無い人には敷居が高く感じるかもしれません。
しかし、マシンを使ったトレーニングはもちろん、気軽に始められる体操などの軽運動など、個人の運動能力と身体機能に合わせたメニューで取り組んでいけるスタイルの提案が考えられています。
一部ですでにスタートしている、仕事と介護の2つがついた有料老人ホームがあります。
これまでの老人ホームでは一方的に生活を支えてもらう形が一般的でした。
しかし、介護を予防するという方向に考え方が変わってきた近年では、施設入所後も積極的に心身の健康を保つための生きがいづくりとして、仕事ができる施設が出てきています。
仕事というと、社会に出て労働する姿を思い浮かべる方がほとんどでしょう。
しかし、仕事付き老人ホームにおける「仕事」というのは敷地内での野菜作りやその販売といった、高齢者の負担となりにくい内容であるため、気楽に取り組むことができます。
足腰に負担がかかりやすい農作業も、仕事付き老人ホームでは高床式農業ベッドなどを利用することで、しゃがんだり中腰になったりする必要は無く、立ったままや車椅子に座ったままで作業を行うことが可能です。
老人ホームなどで一般的に行われるレクリエーションの一環としての野菜作りでは無く、実際に販売をして利益を得ることで、仕事として取り組むことができるのが魅力です。
生きがい、やりがいを持って日々の生活を送ることができるので、老人ホームへの入居を検討しているけれど、積極的に社会参加し、活動的に過ごしたいと思っている方には非常に有効な選択肢となってくれるでしょう。
毎日の仕事を得ることで身体的機能の衰えを予防すると共に、前向きな気持ちで生活を送ることができるメリットは大きく、認知症の予防にも繋がるといった利点もあります。
やりがい、生きがいは心身を健やかに保つために非常に重要なものであり、脳の活性化にも繋がっていきます。
認知症から始まり身体の機能が衰え介護が必要となってくるケースも非常に多いですから、仕事付老人ホーム=介護予防という点において非常に大きな意味を成すものです。
しかしながら、こうした取り組みは企業主体で行っていることが多く全国的にもとても少ないのが現状です。
教える講師もまた高齢者を採用するなど、今後さまざまな形で展開されていくことが望まれます。
まだまだテスト段階ではあるものの、国や大学が健康寿命を延伸する効果を測り始めているため、将来的には老人ホームの1つの形として定着していく可能性も充分に考えられます。
今後、高齢者がますます増えていくなかで必要なのは、スポーツジムとの連携、そして高齢者の通いの場を増やしていくことです。
気にはしているものの運動が習慣づかない、自分に合った運動ができる場所が無いといった悩みを解決してくれる場を作ると共に、身体機能を高めてより“生涯現役の実現”へ導いてくれるものとして期待されています。
今後は、介護分野とスポーツジムで連携を取り、ジムへのリハビリ職・介護士の配置が必要となるでしょう。
そうした部分での法整備や人員の確保もあわせて課題として取り組んでいく必要があります。
愛知県名古屋市においては人口そのものが多いぶん、この先高齢者の数も増え介護施設や老人ホームのニーズもどんどん増えてきます。
先進的なスタイルの施設が積極的に展開されていくことが見込めるため、今後利用や入居を考えている場合には豊かな選択肢を得られるでしょう。
どういった施設を選択するかで生涯の健康寿命も変わる可能性もありますから、より充実、納得した選択ができるよう、上手に見極めを行っていってください。
年齢を重ねるとほんの少しの意識や努力が健康に大きく影響を及ぼすので、どのような選択においても真剣に考えていかなければなりません。
早くから介護予防に努めることが生涯現役を叶える最短距離ですから、日頃から意識を持ち、早め早めに必要な取り組みを行っていけるようにしましょう。
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