

「熱中症」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか。
テレビなどのニュース報道でも「熱中症により救急搬送」とか「熱中症により死亡」などという内容を目にすることも少なくありません。熱中症は、しっかり対策をすれば防げるものですが、「私は暑さには慣れているから」と過信して何も対策を取らないでいると死に至る恐ろしいものです。
総務省のデータによれば、愛知県名古屋市の熱中症による救急搬送者の40~50%が高齢者です。
つまり、熱中症による救急搬送者のうち2人に1人が高齢者であるということです。
夏を迎える前にしっかり熱中症のことを把握しておきましょう。
熱中症とは、気温と湿度が高く、風が弱い環境の中で、身体が適応できずに発生するいろいろな症状のことです。
以下のような症状が出た時には、熱中症にかかっている疑いがあります。
めまいは熱中症の初期症状と言われています。暑さのため脳に血が行かなくなることから起きると言われています。めまい、立ちくらみなどの症状が出たら、涼しいところで横になること、そしてすぐに水分補給をすることが大切です。
一時的に「こむら返り」のような状態になることがあります。大量に汗をかいて体内の塩分が出てしまい、水分だけ取ると血中の塩分濃度が下がってしまい、血流が滞ることにより起きると言われています。水分と同時に塩分も適切にとることが大切です。
吐き気だけでなく、頭痛を伴う場合もあります。
いくら拭いてもどんどん汗が出てくる、もしくは全く汗が出ないという異常な状態になったら熱中症になっている可能性があります。
呼びかけに反応できないほど意識が遠のいて、水分補給もできない状態というのはとても危険な状態です。すぐに病院で点滴などの処置を受ける必要があります。
適切な対処をしなければ最悪は死に至ることもあるほど熱中症は怖いものです。
例えば老人ホームなどの介護施設に注目してみると、実は入居されている高齢者の方と介護職員の方の両方が気をつける必要があります。熱中症と聞くと屋外で起こると考える人も多いと思いますが、
高温多湿の環境に長く滞在する浴室にも、熱中症のリスクがあると考えられます。
更に熱中症の強いところは、知らないうちに熱中症になっていることもある、ということです。
家の中であったとしても、作業に集中するあまりクーラーも扇風機もつけず、水も飲まないでいたら、ふいにふらっとめまいを起こした。病院に行って診てもらったら「熱中症」と診断された、ということは誰にでも起ここりえるのです。
普段と変わらない生活をしているのに…と思われる方も居るかもしれませんが、
これもれっきとした「熱中症」なのです!
夏場になると、「熱中症で死亡」というニュースを見かけますが、高齢者が亡くなるケースが多くあります。
高齢者に見られる熱中症の原因は大きく分けると以下のようになります。
高温、または湿度の高いところにいても、高齢になるにつれて暑さや湿り気を感じにくくなり、エアコンや扇風機などを適切に使用しないで、体温調節をしないことが挙げられます。「私は暑くない」「エアコンをつけるのは贅沢だ、もったいない」と言って適切な対応をしないでいると、知らず知らずのうちに熱中症になっているということが多くみられます。室内にいても高温、多湿の環境にあれば熱中症のリスクが高くなりますので、起きている時だけでなく、睡眠中や入浴中も熱中症にかかることがあることに注意しましょう。
高齢になるにつれて皮膚感覚は鈍ってくるものです。身体的な疾患がある場合だけでなく、加齢でも暑さ、寒さを感じる感覚が鈍ってきているということに無自覚になっていると、気づいた時には熱中症になっているということがあります。薬などの影響もあります。例えば、「利尿剤」を投薬されている人は、脱水になりやすいと考えられます。意識をして水分補給をする必要があります。
暑さに慣れていない時に、炎天下の下で農作業など激しい運動をするなど、体調を考えずに行動することにより熱中症になりやすくなります。暑い中で長時間同じ姿勢でいたり、慣れない作業を休みなく行ったりすることも熱中症にかかりやすくなります。
すぐできる対策で一番大切なものは、自分の体の状態に向き合い、把握することです。
「自分はまだまだ大丈夫」「全然暑くない」と思い込んで、何も対策をしないままでいると、気づいた時には熱中症になっている恐れがあります。
「高齢者は熱中症になりやすい」という事実に向き合い、自分も高齢者の一人なのだということを認識することが一番の熱中症対策だと思います。
その上で、熱中症を予防するために気を付けることを知っておきましょう。
速乾性があり、涼感素材のものや、通気性の良い洋服などがたくさん売り出されています。衣類の素材を吟味して、体温を下げる工夫をしましょう。
女性ものの日傘は定着してきましたが、昨今は男性ものの日傘も登場し、営業職の男性を中心に売れています。日傘や帽子などで日差しを直接浴びない工夫をしましょう。
水だけでなく、塩分を含むスポーツ飲料や、経口補水液など体に合ったものでしっかり水分を補給したいものです。入浴中もまた、熱中症に気をつける必要があります。入浴の前後には水分補給して、脱水症状にならないようにしましょう。起きている間だけでなく、寝る前にも水分補給をしましょう。寝ている間に熱中症になることがあるからです。夜間にトイレに起きてしまうから、と敬遠されがちですが、特に夏場は寝る前にコップ1杯でもお水を飲みましょう。
食事を抜かずにしっかりとることで、適度な塩分を補給することができます。また、体を動かすためのエネルギーも補給することができます。暑くなると食欲が落ちてしまいがちですが、夏こそ3食しっかりと食事を摂りたいものです。
暑い日は特に、疲れを感じていなくても、横になるなどして休息をとることが大事です。睡眠不足の人は熱中症になりやすいというデータもあります。睡眠をしっかりとって熱中症にならないようにしたいものです。
気温、室温を常に把握し、適切に冷房を使っていくことが求められます。節約のため、エアコンをつけず、扇風機もつけずにいて熱中症になり、病院に通院することになり医療費がかかってしまったのでは、本末転倒です。30年前と今とでは、温暖化の影響もあり夏場の気温も随分違い高温になっています。「昔は扇風機もなく夏を乗り切れたから今もなしで大丈夫だ」と考えるのはとても危険です。「勿体ない」「贅沢だ」と考えずに、健康を第一に考えて、エアコン、扇風機などを使っていきましょう。
高齢者一人ではなかなか防げない熱中症ですが、まわりの人の声かけや見守りで、熱中症を防ぐことができます。「ちょっと休もうか」「暑いからエアコン入れるね」「麦茶入れたよ」など高齢者を見守り、一人にさせないサポートも大事になってきます。
「高齢者の熱中症対策」いかがでしたか。
先にも書きましたが、熱中症は知らない間にかかり、死に至る怖い症状です。
「自分は大丈夫」と過信せず、しっかりと対策していきたいですね。
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