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寒さと外出自粛、今冬の「高齢者うつ」に注意2020年11月19日

いまだ感染者が出ている新型コロナ、冬になるとさらにインフルエンザへの注意喚起もなされています。

その中で特に注意しなければならないのが、感染すると重症化しやすい高齢者です。

高齢者の中には感染を恐れ、外出を控える人も多いでしょう。

しかし、そうなると今度は運動不足社会との関わりが減ることで、高齢者うつ発症リスクが高まります。

高齢者と関わるご家族や、老人ホームのスタッフなど介護関係者は、高齢者うつに関する理解を進めておくと良いでしょう。

 

1.高齢者にみられる「老人性うつ」

高齢者うつ

今年の冬は新型コロナインフルエンザ同時流行が懸念されています。

高齢者はいずれに感染しても重症化リスクが高いといわれています。

そうなると、不要不急の外出を自粛する高齢者も出てくるでしょう。

 

そのような状況が続くと注意しなければならないのが、高齢者うつです。

外出できない状況が続くと、ストレスがたまりやすくなります。

新型コロナ流行時に出された緊急事態宣言時、「コロナうつ」や「コロナ疲れ」という言葉を耳にしたことはありませんか?

高齢者は若い人と比較して、気分が落ち込みやすいといわれています。

定年退職や身内、友人が亡くなるなど急激に環境が変化する年代であることに加え、体力の衰え病気なども影響しているといわれています。

 

うつ病とは一般的には意欲が低下する、落ち込みやすくなるなど、心理的な症状の出ることが多いです。

しかし、「老人性うつ」の場合には、身体的な不調も出るのが特徴と言えます。

人によって感じる症状は異なりますが、頭痛肩こり耳鳴りなどがよくみられるようです。

不調を感じて医療機関を受診しても、これといった原因がわからず、適切な治療が受けられないことも珍しくありません。

 

うつ病をはじめとした精神疾患で苦しむ人は、高齢者のみならず全体的に増加傾向にあります。

2017年に厚生労働省が行った調査では、精神疾患の患者数は3年前と比較して、実に27万人も増加していることがわかりました。

精神疾患は、決して対岸の火事ではありません。

今は健康な高齢者でも、ちょっとしたきっかけで発症する可能性も十分あるわけです。

 

2.活動性の低下が及ぼす心身への影響が

高齢者うつ

 心理的影響  

新型コロナやインフルエンザへの感染防止のため、高齢者が外出自粛した場合、どうしても運動量が低下してしまいます。

こもりがちになって、受診控え買い物に行かなくなると運動不足になりやすいです。

この運動不足が原因として、うつを発症する危険性があります。

運動不足はこのような精神面への悪影響だけでなく、肉体面にもマイナスです。

 

 身体的影響  

運動不足の状態が続くと、筋力が低下します。

筋肉は使っていないとどんどん細くなってしまうのです。

外出自粛を続けた結果、フレイルと呼ばれる介護が必要な状態の一歩手前の状態に陥る可能性が出てきます。

外出自粛による行動力が低下することで要介護度が高くなったり、うつ病発症リスクが高くなったりします。

さらにこのような状況が続くと、認知症を発症してしまうかもしれません。

このため、外出自粛の状況でいかに高齢者の心身の健康維持を図るかは、ご家族や介護事業所、老人ホームのスタッフにとって、喫緊の課題になるでしょう。

 

3.自粛生活のなかでできること

ストレッチ

老人性うつにならないようにするためには、日頃の取り組みが大事です。

まず適切な運動をする習慣をつけることです。

うつ病の原因として、セロトニンが密接に関係しているといわれています。

神経伝達物質のことで、精神を安定させる働きがあるといわれています。

このセロトニン、運動したり太陽の光を浴びることで分泌されるといわれています。

 

対策①: ストレッチ 

しかしながら、感染症の流行時には、外出したくないというお年寄りも多いでしょう。

そこで自宅でもできるエクササイズとしておすすめなのが、ストレッチです。

ストレッチであれば、老人ホームの自分の部屋でもちょっとした時間を使って実践できます。

また運動神経の良し悪し関係なく、誰でも手軽に始められます。

ストレッチの効果については、いろいろなデータが出ています。

例えば、韓国で65歳以上の高齢者を対象にした国民健康栄養調査では、ストレッチとうつ病リスクの低下の相関関係が認められたと言われています。

 

対策②: ラジオ体操 

老人ホームなどの入所施設であれば、入所者を集めてラジオ体操を取り入れてみるといいかもしれません。

ラジオ体操で全身の筋肉をほぐし、体を動かしやすくなったところでストレッチを行うなどのプログラムを取り入れてみましょう。

1日30分程度体を動かすだけでも筋肉のしなやかさが維持されますし、精神状態も安定しやすくなります。

 

対策③: 食生活 

また食生活を気遣うことも、高齢者うつを予防することも可能です。

特にビタミンミネラルなどが不足しないような栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

通所系の介護施設の場合、毎食の高齢者の食事管理は難しいかもしれません。

高齢者の中には自炊が難しい、面倒、できないためにコンビニ弁当などで済ませてしまっている人もいるかもしれません。

すると炭水化物中心の食生活になってしまって、偏った栄養バランスになりがちです。

もしそのような利用者がいれば、栄養の整った宅食サービスの利用などを進めてみるといいでしょう。

 

対策④: 可能な範囲で人との関わりを持つ 

例えば、老人ホームの入所者の中で、自分の部屋にこもりがちになっている方はいませんか?

なかなか自分から人と関わっていけないという人もいるでしょう。

そのような人がいれば、老人ホーム内の趣味の活動が有効的かもしれません。

引きこもりがちになるとうつ病を発症しやすくなりますし、認知症の症状も進みかねません。

運動量が低下することで、身体的な不調も顕著になる恐れがあります。

習字、絵手紙、将棋など、内容は何でも良いのですが、「参加する」ことで、人との関わり生活のメリハリがつくのです。

本音ではサークルに参加したいけれども、とっかかりがつかめずにいるだけという人も少なくありません。

自分は社会の一員なんだ」という自覚が生まれることは、精神的な面で大きな生きがいとなるかもしれません。

 

対策⑤: 施設の職員は意識的に関わりを! 

介護施設のスタッフは、こまめに利用者とコミュニケーションをとることも大事です。

感染対策で外出自粛はもちろん、家族に全く会えないという人も珍しくありません。

長い自粛生活のなかで、不満や寂しさを抱える高齢者は多いはずです。

悩み事を他人に話すことは、解決はしなくても心が少し軽くなることがありますよね?

ストレスを一人でため込むのではなく、他人に話すことで心が安定します。

何か困っていることはないか、積極的に話をして耳を傾けることも高齢者うつ対策として有効です。

 

【おわりに…】

新型コロナやインフルエンザ対策として、不要不急の外出を控えることは感染リスクを低減するためにも有効です。

しかし自粛をするだけで何も対策をしないと、精神のバランスを崩すことにもつながりかねません。

その結果、「高齢者うつ」を発症する可能性もあります。そうならないためにも、上で紹介した対策を講じましょう。

ただし、それでも高齢者うつを発症してしまう人もいるかもしれません。

心配な場合には、愛知県や名古屋市には高齢者うつの治療に特化した医療機関もあるので、そのような医療機関に相談するといいでしょう。

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